どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 3068

えらい時代になったもんである。イタリアのオークションで彫刻が200万円で落札されたのだが、その形状は想像にお任せする。と言うか想像すら難しいかも知れない。売れたのは彫刻と云う「概念」で、落札者には昨今注目のNFTが発行されるそうである。150cm四方のスペースが有れば簡単にレプリカが造れる(サイズだけは分かっているらしい)ので、お暇な方はやってみてはどうだろうか。我々の常識に刃を突き付けると云う意味では現代芸術的ではあるが、NFTの胡散臭い側面ばかりが際立つ結果にならないかを懸念している。デジタルデータの所有権を明確にする発想は素晴らしいし、転売されれば原作者に利益の一部が永続的に還元される仕組みも面白い。バブル狙いの投資が殺到している現状は、その健全な普及に水を差す恐れがあるので沈静化して欲しいのだが、世界中でカネ余りの昨今である。人間の想像力がどれだけマネタイズ可能かの実験は、もう暫く続きそうなのである。

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