どうでもいい四百字 第二中間貯蔵施設

どうでもいい四百字 2507

何かともてはやされがちな世界三大珍味である。こんな極東の島国に、それらを諳んじられる人がそれなりに居るのが面白いのであるが、あれを極上の美味と取り違えがちなのがやや残念である。手に入れ難いけど美味しく食べられるね、値段に見合うかは微妙だけどね、と云う立ち位置の食べ物だと思う。加えて他人の目が無い所で食べると味が半減すると云う特徴もあるのだが、本題はそちらではない。「口に含んだ瞬間、魂が震える」美味と云うのは、極めて私的な感覚であり、共有は本質的には不可能である。私の場合、炊き立てご飯と生卵と醤油の組み合わせで大脳旧皮質全体が激しく揺さぶられるのだが、欧米人から見れば珍味を通り越してゲテモノ扱いであろうし、その事自体を否定はしない。ただ、味に優劣を付けようとするのは、文化に優劣を付けるのと同程度に不毛な行為であると心得るべきだし、ましてや個人の懐具合と関連付けるのは、厳に慎むべきなのである。

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