ピザトーストは日本生まれである。昭和39年頃、有楽町の「珈琲館・紅鹿舎」の店主が発案したそうである。本当はピザを出したかったが、焼き窯を造る場所が無かったと云う事情も有った様である。これが好評を博し全国に広まったそうなのだが、少々疑問が有る。ピザ生地を使っていないものにピザの名を冠しても良いのか。ピザの最小構成単位は諸説有るが、生地とトマトソースはマストだろう。その基盤を成す存在を無視してピザを名乗るのは如何なものか。ピザ風かピザ味の略なんだから細かい事をグダグダ言うなと云う意見も有ろうが、寿司の名を冠してシャリを使っていなかったら大抵の日本人は困惑すると思う。寿司トーストと云うのもネタ次第でワンチャン有り得るが、味はともかくその名は何とかして欲しいと思うだろう。ただ異文化の受容と定着の過程では珍しくない話でもあり、美味ければまあいいか、とコンビニのピザまんをホフホフしながら考えるのである。