東京少女(2008年)
宮田時次郎 佐野和真 未歩 夏帆
携帯の向こう側には100年前のあなたがいた。
母に再婚相手を紹介され、怒ってホテルのレストランを飛び出した未歩。
そのホテルの階段で携帯を落とす。落ちて行った携帯は光に包まれて消えて行った。
階段の下を探すが携帯は見つからなかった。
何度か携帯に電話をかけてみるがつながらない。
そしてやっとつながった相手は100も昔の人だった。
彼の住む時代は明治45年。
100年の時を経てつながった宮田時次郎と未歩。
はじめは信じられなかった2人だったが、話すうちに
月のきれいな夜につながることに気付く。
携帯を通じて、心を交わして行く2人。
互いに小説家を目指していることがわかる。
時次郎に100年後に自分の小説があるか調べてほしいと言われ
調べる未歩だったが彼の小説はなかった。
言いにくい未歩に時次郎は言う。
言わなくていいよ。なんでも未来がわかったらつまらないからと。
2人は昼間に月が出ているときにデートする事にした。
日比谷公園や銀座を携帯を通じて歩く2人。
100年前からあるレストランで食事したり
銀座を歩いて100年前からある店を探したり。
そして時次郎は店で未歩にプレゼントを買う。
その店で100年後に来る未歩に渡してほしいと頼む。
未歩がその店に入るとおばあさんが出てきて
未歩に時次郎からのプレゼントを渡してくれる。
時次郎の願いを断る店主だったが
その願いはその横にいた小さな女の子に引き継がれていたのだ。
おばあさんとなった少女は
未歩を抱きしめて涙を流し電話の向こうの時次郎にありがとうと言う。
100年後の時を経て未歩の元に届いたプレゼントの手鏡。
楽しいデートをした2人だったが
しかし、2人には悲しい別れが待っていた。
やっと小説を書き上げた時次郎は出版社に向かっていた。
同じ時、未歩は宮田時次郎が100年前に存在した記録を知る。
そして今日、時次郎があの手鏡を買った時にいた
店の少女を助けて死ぬことも。
未歩は慌てて時次郎に伝えるが
自分が行かなかったら少女が死ぬと行ってしまう。
そして未歩が好きと言う前に携帯の電源が切れてしまった。
それ以来携帯が鳴ることはなかった。
そして未歩は100年眠っていた時次郎が最後に書いた小説の原稿を見つける。
それは100年の時を超えた時次郎から未歩へのラブレターだった。
決して会うことはできない2人の切なくもほのぼのとしたラブストーリー。
優しく、でもちょっと切なくなるストーリーでした。