3月末で次の職場を決めずにうっかり退職した。
趣味は転職、 という程度には転社歴があるのだけど、これまでは在職中からこっそり転職活動を始めて新しい仕事が決まったら辞めることを繰り返していた。
そして今年3月。
上司との折り合いが悪く退職。
働いて笑おう、とかいう会社だったけど全然笑えなかったね。あは。
4月から求職活動中という名のロングバケーションに突入。
最初の頃は本当に♪V・A・C・A・TION~と歌いたくなるくらいに久々の自由時間を満喫。
家での読書に図書館通い、知り合いと飲みに行ったり、ブルーインパルスの展示飛行を見に行ったりと楽しんだ。
もちろんバケーション中も再就職活動は実行。
誰も養ってくれる人おらんし。
自分の食い扶持は自分で稼がねばならぬ。
3月末に求人に応募した会社は、書類選考に1週間、一次面接の結果が出るまでに1週間、二次面接の結果が出るまでに1週間…と結局、落とされるまでに約1か月。
45歳は社会人生活の後先短いんやから1か月も引っ張るなよ。
最初に書類で落とされる方がよかったね。
結果を出せないまま5月。
終わりの見えないまま貯金を少しずつ切り崩すロングバケーションは心も削っていく。
さすがに自由時間も飽きてきた。友だちにも会いたくない。
そこでタイミーをやることにした。
近くのスーパーの総菜コーナーで2時間だけの手伝いに手を挙げる。
久しぶりの労働、そしてこれまでやったことない仕事なのでドキドキわくわくしながら行くと、持ち場にはベテランのスタッフが一人。その方がてきぱきと指示をしてくれる。
私の仕事は唐揚げづくりとパック詰め、シール貼り、商品出し、洗い物等。そのスタッフさん、分からないことは質問すれば教えてくれるけど、基本、一度言ったことは何度も言わないスタンスらしい。私がうっかり間違ってやってしまっていたことでも(例:パック詰めの時、いくつか種類のある手袋の使い方を間違えて覚えていた)隣で作業している時、間違ってることに気づいているのだろうが何も言わない。そして怒らない。
スーパーでは入れ代わり立ち代わり若いタイミーさんたちが来ているようだったが、シルバー人材センターからもシニアたちが派遣されて来ているという話は意外だった。
スタッフさんが怒らないのは怒ってもしょうがないと思っているのか、いろんな人が日雇いで来る場で人を育てる必要もないから諦めているのか。
仕事の終わりの時間が近くなった時、店内放送で中島みゆきの「時代」が流れる。
今はこんなに悲しくて
涙も枯れ果ててて
もう二度と笑顔にはなれそうもないけど
そんな時代もあったねと
いつか話せる日がくるわ
沁みる。
事実、渦中にいるときは気づけないけど、過ぎ去ってみると笑って話せることってあるよね。
就職氷河期に社会人になり、20代の頃、無業者だった時期があった。
人生初の「どこにも所属していない状態」が苦しかった。
その後心機一転、国家資格を取り、20代半ばから今まで切れ目なく働いた。
今の日々は何なのだろう。
これまで体験したことない日々だ。
これはこれでレア体験(財布も心も削られるけど😅 )。
今日のタイミーは、この仕事が私にもできることが分かったし、
シルバー世代になってもここで働けるんだ、と分かっただけでも得難い体験だった。
SNSで「スキマバイトとか言っててもタイミーは日雇い」という事実を突きつけられ、ワードチョイスの妙を知ってしまってからちょっと引いていたのだけど、今日仕事に入ってみてそれはそれでいいものだと感じた。
働くことでしか得られない養分がある。
賛否両論あるとしても、タイミーがある世の中はいいもんだ。
仕組みを作ってくれた人ありがとう。