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飯田橋の難関大学受験専門塾

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知識の融合(4)-サインとコサインの1次不等式-

2008-11-14 16:18:58 | Weblog


1次方程式、2次方程式、3次方程式を比較すれば、その複雑さは次数に比例するでしょう。
しかし、サイン・コサインを含む方程式(不等式)では、そうとも限らないようです。

実際、この問題を生徒に解かせると、ある程度勉強している生徒ほど嫌そうな顔をします。



という未知数統一の常套手段を使いたいから両辺を2乗する → すると、正解が得られたり得られなかったりで、不快感が生徒を包みこむ……

そういった過去の不快な記憶が「嫌そうな顔」を作り上げているのでしょう。

このような経験をお持ちの方は、今回の記事で頭の中がスッキリするはずです。



それでは、本題に入りましょう。

まず、 を考えます。
変形すると、 となりますから、この不等式を満たす点 ( x , y ) は、直線 の上側にあることが分かります。

すると、-cosθ + √3sinθ > 1 の cosθ を x 座標、sinθ を y 座標とみれば、
この不等式を満たす点 ( cosθ , sinθ ) は、
原点を中心とする半径1の円周上にあり(この領域は図1の赤線部分に相当)、
かつ直線 の上側にあることが分かります(この領域は図1の青斜線部分に相当)。




よって、-cosθ + √3sinθ > 1 を満たすのは、図2の赤線部分であることが分かります。

両端点を図2のように A , B とすると、
・半径OA の x軸とのなす角は 180°
・半径OB の x軸とのなす角は 60°(直線と x軸とのなす角が 30°であることから分かります)

ですから、不等式の解は 60°<θ<180°であると結論されます。



長々と書きましたが、結論すると、サインとコサインの1次式で表現された不等式は、
「原点を中心とした半径1の円周上の点で、コサインをx、サインをyに置き換えた不等式の表す領域に含まれるもの」
を確認すればよいわけです。

※ 「合成」を使って解くのが一般的ですが、人に解かせるために作られた問題では、上の解法の方が簡便に解けるケースがほとんどです。



いかがでしょうか。
「座標としてのサイン・コサイン」という切り口が頭になじんできましたか?

締めくくりとして、以下の問題を紹介します。
今までの2問以上に複雑な問題ですが、ここまでの流れを踏まえて、挑戦してみてください。




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~続く~

(次回の更新は11月17日です)


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