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飯田橋の難関大学受験専門塾

飯田橋に誕生した難関大学受験専門塾の指導主任が贈るブログ

2009東工大(第4問)

2009-03-09 11:17:46 | Weblog

最後に第4問。
回転軸に対して斜めに置かれた平面図形を回転させてできる回転体の体積を求める問題。






(1)は簡単ですが、(2)は今年唯一の、例年の東工大レベルです。

東大に関しても強く言えることですが、国公立2次で出題される立体は、形をイメージできないことがほとんど。
今回だって、おちょこのような形をした図形を回転軸に対して傾けながら回転させているのですから、出来上がりの形なんか想像できませんよね。

積分のもとでは、形を無理やりに想像する必要などありません。むしろ想像してはいけません。
「回転させる前の段階で切ってしまって、その切り口を回して断面を特定し、断面積を求め、積分」という流れです。

一言で表現するならば「切ってから回せ!」です。

これから本格的に入試対策に突入するなら、
回転体・非回転体は重大なテーマになりますから、数ヵ月後に備え、
「切ってから回せ!」というフレーズをお忘れなく。


さて、全体のまとめといきましょう。
難易度は、驚異的に易化しました。
私自身、見た瞬間に、すべての問題で解答への筋道が見切れたのは、東工大では久しぶりのことです。
最低3完近くはとれていないと、合格は厳しいかもしれません。

本来の東工大は、
・微積を主体とした計算がヘビー級の問題
・答えは視覚的にはすぐに見つかるが正確な論証の難しい問題
の少なくとも1つは毎年出題してきます。

今年の難易度が来年も続くとは思わず、
例年通りの重厚な問題を攻略する方針で学習したほうが良いでしょう。


2009東工大(第3問)

2009-03-09 10:56:21 | Weblog

もはや他の予備校に大きな遅れをとっての更新です。
その分じっくり時間をかけて、理屈の説明・途中計算の明快さを重視して解答を作成しました。

では、第三問。
「解の配置」と「格子点」という、入試超頻出の2分野を融合した問題。
しかし本問ではそれぞれが軽く、肩すかしに遭った感覚になります。





どの辺が軽いかというと・・・
「解の配置」では ①判別式 ②軸 ③境界 の3つに着目して解く形が一般的ですが、今回は③のみで対応できます。
また、「格子点」の個数を調べるときは、通常、nを固定した時の個数がnを含む形になり、これをシグマ計算することで解答にいたる流れになるのですが、
今回はそんな面倒な計算を行う意味がなく、単純な掛け算で対処できる簡潔な形になっています。


他より少しだけ早い解答速報 2009東工大(第1問)

2009-03-01 02:20:24 | Weblog
国公立前期も終わりました。
ネット上では、東大は解答が即アップされる慣習がありますが、
その点、東工大は例年ゆっくりめ。

対抗意識ではありませんが、他より少しだけ先出しです。
本日は前半の2問です。





第1問は異常なほど簡単でした。
私の元で学んだ受験生もみな完答できていたようです。

問題とは直接的な関連はありませんが、
点Pは直線y=-1を軌跡として動きます。
「放物線の2接線が直交するとき2接線の交点はx軸に平行な直線上を動く」という事実は神秘的ですね。
このような直線を「準線」といいます。

このことに付随して、
「楕円の2接線が直交するとき2接線の交点はどのような軌跡をもつか」
という問題も、面白い結果をもたらします(考えてみることを勧めます!)。
2001年の東工大前期で出題されています。

新高1生へ

2009-02-23 01:51:31 | Weblog
新高1生の方へ:


高入生と中入生には、学力的な部分でいくつか違いがあります。

違いの原因はやはり高校受験でしょう。
指導する側として見る限り、高校受験を経験している分、高入生は受験教科の学力と精神力が非常にバランスよく成長しているという印象を受けます。
(もちろん、中入生はそうでないというわけではありません。)


そんな新高1生はまだ受験を終えたばかりですが、3年後に再び受験を控えています。
高校数学は範囲が広いですから、学習面では早い段階から要所をしめていきたいものですね。


特に、中高一貫校では先取りカリキュラムが基本となっています。
数学に関して言えば、高2でほとんどの内容が終了します。
必然的に授業はハイスピードで進んでいきます。
そのため、内容を深く理解する前に新しい内容に入ってしまい、消化不良を起こすケースが多く見られるという事実は、是非知っておいてもらいたい。


先取りカリキュラムを否定するつもりはありません。
マイペースで学ぶことを提案するわけでもありません。
学校の学習進度に耐えうる骨太な学習習慣を身につけることで、先取りカリキュラムを最大限に活用してほしいのです。


高入生には、もう次の受験は始まっていると認識してほしい。
今からやるべきことは実践力強化と計画的復習による「定着学習」の習慣化。


新たな目標へ向けて、もう走り始めてもいいのでは?



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数学専門塾ヘウレーカ
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新中1生へ

2009-02-16 01:25:00 | Weblog
2009年度の中学受験ならびに私立の高校受験が終了しましたね。

新学年に備え、今のうちから学習環境を整えておこうと考える方が多いかと思います。


新中1生に向けて:

中1で学ぶ数学には「プラスとマイナスをかけるとマイナスになる」など初めて学ぶこともありますが、
1次方程式、比例反比例といった受験算数で見かける内容がその実多くを占めますから、
中学数学として改めて学ばなくても問題が解けてしまうという現象が起こります。


そのため、方程式や関数や証明といった、「本来の数学としての基礎」を軽んじるスタンスが生まれてしまうのかもしれない。
数学は段階的に理論が構築されていますから、数学としての基礎をしっかり学ばなかった生徒は、2次方程式あたりから本格的につまずき始めます。
1から学び直そうと思っても量が多く後戻りもできない、などという悲惨なケースも多く見られます。


よく話題に挙がる「中入生の学力の二極化」はこのようなプロセスを経て生じます。
つまり、二極化の本質は「学ぶ内容が受験算数と重なっている時期に受験算数を卒業できるか」なのです。


では、受験算数と中学数学の違いとは何でしょうか?


私は「理由を明確にすることへの比重」であると考えます。


たとえば図形Aと図形Bが相似であることを用いて辺の長さを求める問題があったとします。
・受験算数の場合・・・
「(頭の中で)ああ、AとBは相似だな。じゃあ、相似計算。これが答えだ!」
・中学数学の場合・・・
「(頭の中で)ああ、AとBは相似だな。その後は相似計算をすれば答えになるな。じゃあまずはAとBが相似であることをちゃんと証明して、それから相似計算。これが答えだ!」


さまざまな「なぜ」を明確に説明する力を中学数学では鍛えていくのです。
計算にしても然り。計算プロセスのひとつひとつを正しく理解できることが大切になります。


「受験算数でも正解は得られてしまう」うえに「中学数学は鈍くさい(現に中学受験の問題を中学数学的に解くとなると1時間では到底終わりません!)」と感じたとしても、中学数学へと一歩踏み出さないと、大変なことになります。
いわずもがな、高校数学の土台は中学数学ですし。


これから学ぶ数学では「直感」や「瞬発力」の比重は減り
「なぜそうなるのか」を正しく理解し、説明できる力が全面に押し出してくるのです。


しかし受験算数を卒業することはひとつの意識改革でもありますから、
早い段階で新しい学習スタイルを身につける必要があるでしょう。


すくすく成長した中入生も、高校生になってから過去を悔やむ中入生も見てきました。
何事も学び始めが肝心です。



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数学専門塾ヘウレーカ
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センター試験の総括 -ⅠA第4問-

2009-02-02 03:00:20 | Weblog
最後に第4問。
センター試験の場合の数・確率は
「数え上げ」ばかり出題されている気がするのですが、今年もそうでした。

センターの第4問には、私立上位で出題されるような高度なテクニックはいりません。
地道に数えあげて地道に計算する。
これが本質でしょう。





(1):

・1の目が出たところで終了・・・
1の目が出る直前の段階で出た目の総和が3になっていればよいのだから、(1,1,1,1)(1,2,1)(2,1,1)(3,1)の4通り。

・2の目が出たところで終了・・・
2の目が出る直前の段階で出た目の総和が3か2になっていればよいのだから、
総和が3だった場合→さっきの通り、4通り。
総和が2だった場合→(1,1,2),(2,2)の2通り。
よってトータル6通り。

・3の目が出たところで終了・・・
3の目が出る直前の段階で出た目の総和が3か2か1になっていればよいのだから、
総和が3だった場合→さっきの通り、4通り。
総和が2だった場合→さっきの通り、2通り。
総和が1だった場合→(1,3)の1通り。
よってトータル7通り。

・4の目が出たところで終了・・・
4の目が出る直前の段階で出た目の総和が3か2か1になっているか、いきなり4が出ればよいのだから、
総和が3だった場合→さっきの通り、4通り。
総和が2だった場合→さっきの通り、2通り。
総和が1だった場合→さっきの通り、1通り。
いきなり4が出た場合→当然、1通り
よってトータル8通り。


(2):

・投げる回数が1回・・・
1回目で4か5か6が出ればよいから、確率は1/2

・投げる回数が2回・・・
地道に数え上げよう。
1回目に1の目が出た場合→2回目は3,4,5,6が出ればよい
1回目に2の目が出た場合→2回目は2,3,4,5,6が出ればよい
1回目に3の目が出た場合→2回目は1,2,3,4,5,6が出ればよい
よって、2回投げたときの目の出方36通りの中で、
主張が満たされるのは15通り。つまり確率は15/36=5/12

・投げる最大回数・・・(1,1,1,●)のとき。当然4回。

・投げる回数が4回・・・
3回までは(1,1,1)になっていれば、4回目はどんな目が出てもよい。
よって確率は1/216

・投げる回数の期待値・・・
期待値=1×(投げる回数が1回となる確率)+2×(投げる回数が2回となる確率)+3×(投げる回数が3回となる確率)+4×(投げる回数が4回となる確率)
であるから、あとは「投げる回数が3回となる確率」さえ出ればよい。
確率を具体的に調べても良いが、1回、2回、4回となる確率がすべて出ているのだから、余事象から求めたほうが速い。
あとはすべての値を代入して計算するだけ。



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数学専門塾ヘウレーカ
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センター試験の総括 -ⅠA第3問-

2009-01-31 19:24:49 | Weblog
第3問に入ります。

ⅠAは満点を十分に狙える科目ですが、
毎年、この第3問は満点をとる上での鬼門となります。
今年度は視覚に問う要素が強く、中学幾何の匂いを感じました。



冒頭(CDの長さまで):

∠CABの大きさ・・・⊿ABCの三辺の長さがすべて分かっているので、⊿ABCに対して余弦定理を用いて cos∠CABを求めればよい。

BDとCDの長さ ・・・ADは∠CABの二等分線なので、BD:CD=AB:AC=1:2。これと、BCの長さが√7であることから算出する。

※いたって基本的な内容。


中盤(DEの長さまで):



円周角の定理から、∠DAB=∠DCE かつ ∠CAD=∠DBE が成り立つ。
さらに、∠DAB=∠BCE=60°であるから、∠DCE=∠DBE=60°
よって、∠BEC=60°

以上により、∠DABと大きさの等しい角度をマークの中から選ぶと、⓪の∠DBEと、④の∠BECとなる。

BEの長さ・・・ここまでの議論から、⊿BECが正三角形であることが分かるので、BEの長さは√7。

DEの長さ・・・
方べきの定理を用いると、AD×DE=BD×CD・・・①
BDとCDの長さは既に求めているので、あとはADを求めればよい。そのために、⊿ABC=⊿BAD+⊿DACと考えて、
1/2×AB×AC×sin120°=1/2×AB×AD×sin60°+1/2×AD×AC×sin60°・・・②
②からADが求められて、これを①に代入すればDEが求められる。

※∠DABと大きさの等しい角度を問う部分で「∠DBE」はすぐに分かりますが「∠BEC」に気付かなかった人がいたかもしれません。
また、DEを求める上で、ADの長さを求められるかがカギになります。⊿ABDで余弦定理を立ててもよいですが、面積に着目した方が楽です。


終盤:



O'Bの長さ・・・
O'Bは⊿EBDの外接円の半径なので、⊿EBDで正弦定理。
DE/sin∠EBD=2×O'B から求められる。

tan∠EBO'・・・
O'からEBに向けて下ろした垂線の足をHとすると、
tan∠EBO'=HO'/BH である。
HはEBの中点であることから、BHの長さは分かる。
さらに、O'Bの長さは既に求めているので、⊿O'BHに対して三平方の定理を使えばHO'の長さも分かる。
これより、tan∠EBO'の値が分かる。

※最後のtanの問題は、方法は他にもありますが、直角三角形をつくって視覚的に解くのが最も簡単でした。計算に走って自爆した人も多いのでは?



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センター試験の総括 -ⅠA第2問-

2009-01-24 19:20:52 | Weblog
続いて、第2問です。

2次関数のスタンダードな問題。
最後が少し面倒ですが、完答を目指したいところ。




冒頭:丁寧に平方完成するのみ。

(1):判別式=0または誘導を活かして頂点のy座標=0で対処。

(2):頻出問題です。

-1≦x≦3における最小値が頂点のy座標になるのは、頂点がこの区間に含まれるときなので、

-1≦a+1≦3 つまり -2≦a≦2 のとき。

a+1<-1 つまり a<-2 のときは、
頂点が区間の左側に外れてしまうので、区間における最小値はx=-1 のときのy座標である。

a+1>3 つまり a>2 のときは、
頂点が区間の右側に外れてしまうので、区間における最小値はx=3 のときのy座標である。

最後の問題は、aを横軸にとったmのグラフを使うなどの工夫が考えられますが、
「3通りのmについて方程式を計算し、aの定義域に入るかどうかで真の解になるかどうかを判定する」という地道な方法も悪くないでしょう。



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数学専門塾ヘウレーカ
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センター試験の総括 -ⅠA 第1問-

2009-01-21 20:13:13 | Weblog
丸1ヶ月ぶりの更新です。
新年一発目の内容は、3日前に実施されたセンター試験の振り返り。

今日は、ⅠAの第1問に触れたいと思います。



まず、第一問の [1] から。

前半も後半も、教科書にのっているような淡白な問題ですから、ここで点数を落とすわけにはいきません。
3分以内で解けるように。



前半:

2文字を含む場合、
どちらかをただの数字と思いこんで、もう一方の文字に関する式とみること。

たとえばyをただの数字と思いこめば、Aはxに関する2次式とみることができます。

あとは「たすきがけ」をおこなって終了。(実際の計算は以下の通り。)



ちなみに、xをただの数字と思いこむことでAをyの2次式とみなしても、
もちろん同じ結果が得られます。

後半:

xとyをそのまま代入したら、yの2乗を計算するあたり、多くの時間を割かれてしまいます。

とりあえずxだけ代入して整理しておくと、



yについては、何らかの工夫によって
素直に代入するよりも計算が楽になる方法があるのでしょう。

まず、有理化して



が得られます。

これを代入してもよいですが、さらに欲張ります。
右辺の3を左辺に移行した



の両辺を2乗して整理すると、



よって A=-2-16=-18 と簡単に得られるわけです。



続いて、第一問 [2] に入ります。

(1)は簡単ですが、(2)は難しくはないが時間を食う問題。
焦りから処理を誤った受験生も意外に多いのでは。



(1):
pの2次不等式をそのまま解けばqそのものが得られます。

(2):
⓪~③の表す範囲を明確にして、そのそれぞれと与えられた命題との真偽を地道にチェックしていく他ないでしょう。

面倒な問題でした。



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