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飯田橋の難関大学受験専門塾

飯田橋に誕生した難関大学受験専門塾の指導主任が贈るブログ

知識の融合(3)-サインとコサインの2次不等式-

2008-11-12 17:01:39 | Weblog
まず、サインとコサインの定義を確認しておきましょう。



例えば、「cos240°の値はいくらか」と聞かれたら、
点(1, 0)から反時計回りに240°進んだ点のx座標を読めばよいわけです。
答えは「-1/2」となります(図1を参照)。

また、「cosθ=-1/2を満たすθを、0°≦θ<360°の範囲で求めよ」と聞かれたら、
x座標が -1/2となる点を確認して、その点が(1, 0)から何度だけ反時計回りに進んだかを読めばよいわけです。
答えは「θ=120°とθ=240°」です(図2を参照)。





それでは本題に入りましょう。




まず、未知数をひとつにします(つまり混在しているサインとコサインをどちらかに統一します)。
そのときの常套手段として用いるのが



という有名な公式です。
(これが成り立つ理由はいたって明白です。
x軸となす角がθであるような円周上の一点からx軸に下ろしてできる直角三角形に対して三平方の定理を用いてみましょう。)

この公式によれば、



となりますから、



といったsinθだけの形にまとまります。
これはsinθに関するただの2次不等式ですから、この先を計算すると、次のような結果が得られます。



これは、原点を中心とする半径1の円周上で、そのy座標が0より大きく より小さい点の集まりを確認して、
それらの点が(1, 0)から何度だけ反時計回りに進んでいるかを読めばよいわけです。



この問題を生徒にやらせた場合、(*)をθの不等式に翻訳する処理ができないケースが非常に多くみられます。

というのも、
鋭角に限定した三角比の定義(直角三角形を用いたもの)から
一般の角に対しての定義(原点を中心とした半径1の円を用いたもの)への
「定義の拡張」をうまく認識できていない生徒が多いようです。

ここでは、
「座標としてのサイン・コサイン」に対する理解が浅いと実感できている人間が
「なるほど、そういうことだったのか!」と深く納得できるような内容を目指して、
さらなる説明に入っていきます。


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~続く~

(次回の更新は11月14日です)

知識の融合(2)-例題提供-

2008-11-10 18:39:29 | Weblog
知識の融合による実践力向上の実感を与える例として、
高校生が初めて学ぶときにつまずきやすい『単位円を用いた三角比』について触れようと思います。

例えば、次のような問題を見てみましょう。



まったく同じタイプの問題に見えますが、
実は (1) は数Ⅰ「三角比」、(2) は数Ⅱ「三角関数」で学ぶ内容です。
これらは基礎中の基礎の問題ですが、特に (2) に関しては、解法に戸惑う生徒も少なくありません。

上の問題を通して、
「知識の融合」を体験してもらおうと思います。

次回から、解説に入ります。
それまでの間、三角比を既に学んでいる方は、ぜひとも考えてみてください。

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~続く~

(次回の更新は11月12日です)

知識の融合(1)

2008-11-07 18:34:51 | Weblog
今回からは
ヘウレーカの掲げる第二の成長プロセス
「知識の融合」について
3つのセクションに分けて
話したいと思います。

例えば、
サインコサインの性質や幾何への応用について学ぶ「三角比」と
主としてサインコサインを含む関数について学ぶ「三角関数」は、
内容的にはつながっています。
しかし
現在の指導要領ではそれぞれ数Ⅰ、数Ⅱに分断されており、
一貫して学ぶ機会を逸しているのが現状です。

「内容が長いので途中で一区切り入れる」のは良い方針ですが、
近視眼的な内容理解に陥りやすいという弱点をもはらんでいます。

そこで、一通り学習した段階で、
関連性の高い分野と一貫して学習して内容全体の展望を見渡してみたり、
ひとつの問題を色々な切り口で攻める、という学習を取り入れます。

すると、初学の際に得られなかった新たな発見があなたに降り注ぎ、
「そういうことか」と腑に落ちたときの爽快感が押し寄せるでしょう。

他分野との関連性を意識しながら学ぶことで、
頭の中に個々に存在していた知識同士が合流・融合して、
より深く鳥瞰的な理解に達することができるのです。



~続く~

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(次回の更新は11月10日です)

深く知る

2008-11-05 14:52:15 | Weblog
今回は
ヘウレーカの掲げる成長プロセスのひとつである
「深く知る」ことの重要性について
話したいと思います。



「ひとつの問題を色々な切り口で攻める」という学習方法を
勧められたことはありませんか?

結論を言うと、これは実践力向上を見込める学習方法です。

しかし、
ひとつひとつの単元に対する理解が浅い段階でこの学習方法を取り入れると、
頭の中にモヤモヤ感が募るばかりで、逆効果になってしまいます。

単元に対する理解の浅い段階、またはその単元を初めて学習する段階では、
その単元に焦点を絞って、着実に理解の穴を埋めていく学習の方が効果的と言えます。

・計算処理能力を高める
・公式を使うべきときに使う
・典型例題を漏れなくマスターする

といった方針により、各単元に対する基礎体力を身につけます。

この学習方法によって想定される利点は2つあります。

第一に、
分野ごとの苦手意識を持たずに済むということ。

「難しい」「嫌いだ」という先入観はその分野における理解を鈍らせます。
逆に、初学の際に手を抜かず、徹底して内容を隅々まで学んだ人間は、
改めてその分野を「受験対策」として学ぶ際には、
自分の理解の曖昧な部分が明確に分析されているため、
スムーズに成長していくのです。

第二に
難問に出くわしたとき「多分こうすれば解けるのではないか」という
直感がはたらくようになること。

ご自身の実体験としてピンと来る方もいるでしょう。
周囲の人間に、その場で考えて正解を導いてしまう方もいるでしょう。

こういった「その場で臨機応変に対応する力」は、
人によっては発想だけで実現してしまうこともあるでしょうが、
大半は「それまでの知識の蓄積」によって為されます。
ひとつの単元を深く学ぶ中で、悩み、考え抜いた結果身に着いた理解が、
経験的直感となって、難問攻略を後押しするのです。



というわけで、ひとつの単元を深く学んでおくことが大切になるのです。



しかし、難関大学の入試問題攻略への道は、言葉通り険しいものです。
「ひとつの単元を深く学ぶ」だけでは、おそらく足りないでしょう。

そこで私たちが掲げるのは、「知識の融合」。

「深く知る」の先の世界です。

次回より、その説明に入ります。



(次回の更新は11月7日です)

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6つの成長プロセス

2008-11-03 23:58:41 | Weblog
今回は
私たちの提唱する
「数学の実践力向上に必要な6つの成長プロセス」を
ご紹介します。



基礎力、応用力、運用力、論理力、論証力、
論理的思考力、数学的思考力
・・・。

数学の力を高めるという願いを叶えるために用意された
言葉たちは、名を変え意味を似せ、世の中にはびこっています。

私たちは
これら膨大な言葉たちの中から
数学の実践力向上にとって本質的に重要なものを抽出し、
それらを「6つの成長プロセス」として提案します。

6つの成長プロセスとは、

持続的な内容理解を目指して

□深く知る
□知識の融合
□起源を知る

問題の運用力向上を目指して

□数学的思考

学習効果の最大化を目指して

□Gmap-c
□大学別の対策

を指します。



「どうだ!」と胸を張りたいところですが、
これらの言葉の中には、このままでは
意味が判然としないものも含まれています。
曖昧な感覚の残る方も多いと思います。

そこで、次回以降、
各成長プロセスの重要性に関して、
詳しく説明していきます。



(次回の更新は11月5日です)

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数学専門塾の存在理由と必然性

2008-11-01 18:57:04 | Weblog
塾に通った経験のある方は多いと思います。
しかし「数学専門」の塾に通った経験のある方となると、
一気に人数が減ってしまうのではないでしょうか。

今回は、
ヘウレーカが数学専門塾である理由と
数学専門塾として達成したいことについて、記していこうと思います。



唐突ですが、多くの人間が憧れる
「一流」と言われる大学が欲する人材とは、
どのように特徴づけられるのでしょうか?

この疑問に対する答えは、いたって明確です;

『世界の先進大学として、知を産み出し続けてきた東京大学は、
今後も一層その質と量を高めてまいります。
同時に、爆発的に増大した知識の洪水に流されない、
強靭な知性を有するための努力を積み重ねてまいります。
そして、時代の困難に対する戦いの先頭に立つ人材を
育みたいと考えております。東京大学は、知識の洪水に流されない
「本質を捉える知」、独善に陥らない「他者を感じる力」、
そして、「先頭に立つ勇気」を備えた、21世紀が求める人材が
育つ場でありたいと決意しております。』
<東京大学ホームページより抜粋>

『本学では、創造性豊かな教育により数多くの優れた人材を
世に送り出してきた実績をもとに、確かな基礎力を修得した
「創造型人間」の育成を目指します。このような「創造型人間」を
育成するには、基礎知識、実践能力、的確な判断力、統合する力が必要です。
<東京工業大学ホームページより抜粋>

最低限の知識があるのは当然のこと。
物事の本質・求められていることを正確に捉えた上で、
溢れるほど膨大な知識の中から適切なものを効果的に組み合わせて
より良いものを生み出す能力を持つ人間。

いま一流大学が求めるのは、そのような人間です。

「一流」と言われる大学がこぞって説くこれらの理念は、
受験数学という観点で見ても、実際の入試問題の中で見事に体現され、
受験生はその能力を推察されています。

「この問題の核心は何か」「どのような筋道をとるか」「別の方針は無いか」………。
小手先の受験テクニックでは、もはや太刀打ちできないのです。

いま、難関大学の数学の入試問題で要求されているもの。
それは、「解法パターン習得」の先にある、
自ら問題の本質を見抜き、
自ら解答へのアクションプランを見つけ出し、
自ら具体的なアクションを実行できる能力。
すなわち『実践力』。

ヘウレーカは、難関大学を目指す生徒が『実践力』を習得するための数学専門塾です。
これこそ、ヘウレーカが数学専門塾として達成すべきことに他なりません。



ところで、『実践力』を向上させる効果的な方法など、あるのでしょうか。
私たちは、数学に関しては「ある」と考えています。
これこそ、ヘウレーカが数学専門塾として存在すべき根拠であり、
数学を強みにしたい学生に貢献するための必然性であると考えています。

数学は、この世で唯一と言えるほど、正しく筋道をたどれば正しく結果が得られる学問です。
興味深いことに、学習においても同じことが言えます。
数学は、この世で唯一と言えるほど、正しく成長プロセスをたどれば正しく結果に反映する学問なのです。

私たちは、数学の『実践力』を向上させるための成長プロセスを6つの領域で捉えています。
私たちと共に、あなたに内在する各成長プロセスを磨き上げていきませんか?

・講師が一方的に教えるのではなく、生徒に気付きを与える指導
・生徒自身が解法を説明できる理解レベルを基本姿勢とすることで、思考力を効果的に高める
・授業ごとの目標設定、客観的かつ漏れのない課題分析に基づいた、戦略的な学習

これらは、各成長プロセスを磨き上げる工夫の一端に過ぎません。
学習効果を高めるための数学専門塾としての工夫が、生徒をサポートします。

すべては、生徒の『実践力』向上のために………。

ヘウレーカは、
『実践力』の向上を実現する数学専門塾として
大学受験突破を目指す生徒を応援するとともに、
常に高みを目指した目標を立て、
わき続ける課題を乗り越え、
成長し続けることを望む生徒ひとりひとりの
ベストサポーターであり続けたいと願っています。



長くなりましたが、
第一回の記事はこれで終了となります。
(ここまで読んでいただいた方は、ご愛読ありがとうございました)

次回は、今回の記事で登場した
「数学における6つの成長プロセス」を紹介します。



(次回の更新は11月3日です)

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