又四郎夢日記

ニコマス紹介や、雑学、雑記など。

コンテンツビジネスはMAD以下?

2014-06-27 17:02:12 | 雑記
コンテンツビジネスの世界、創作活動の世界というものは、しばしば著作権や商標権といったものが問題になりますよね?今まであまり説明されてこなかったのですが、創作活動、コンテンツビジネスでは、他分野の権利侵害が頻繁にみられます。

時代小説、時代劇、そのほか歴史物のアニメ、漫画、ゲームでは、古流武術の流派や人物を無断使用しています。柳生であれば、新陰流(しんかげりゅう)の本家である尾張柳生家(おわりやぎゅうけ)の許可を得て、使用料を払うのが筋です。幕末物によく出てくる示現流(じげんりゅう)であれば、示現流の本家である東郷家(とうごうけ)の許可を取り付けて使用料を払う事になるでしょう。別派の野太刀示現流であればそちらに同じ事をするべきです。宮本武蔵であれば二天一流(にてんいちりゅう)ですが、新陰流や示現流のように全体を代表する本家がないので、山東派二天一流、野田派二天一流などの二天一流諸流派の許可と使用料が必要でしょう。

しかし、大部分の創作物は許可を得ていないはずです。許可があったとしても、お金を払ったという話は聞いた事がありません。実は、古流武術(古武道)の側からは何も言わない事が多いからです。それでは何故、何も言わないのか?それには大きく分けて三つの理由が考えられます。その三つというのは

昔は著作権がなかった
掟(おきて)の影響
仕事にしていない人が多い

です。
古流武術のような伝統文化が生まれた時代には、著作権という考え方そのものがなかったので、伝統文化の世界では著作権に馴染みがないんですね。これが一番目の理由です。

二番目の理由は掟の影響です。古流武術は流派によって様々な掟があるのですが、多くの流派で他流批判を禁じています。その理由は、血の雨を降らせないためです。現代ではまずありませんが、昔は決闘で決着をつけるという事があったので、平和のために他流批判禁止の掟を定めたんですね。

三番目の理由としては、仕事じゃないからというのがあります。伝統文化というものは、その中でも古流武術というものは、他に仕事を持ってやっている人が多いので、そこまでやっていられないという事があるのです。

このような事情があって伝統文化、特に古流武術は権利を主張しない場合が多いのですが、いつまでもそういう時代が続くとは限りません。実際に関係者の中には、コンテンツビジネスに好き勝手にされている現状に不満を持つ人もいます。

コンテンツビジネスというものは、他者の権利を侵害してお金儲けをしておきながら、他者が自分の権利を侵害する事には厳しいのですから、MAD以下という考え方が成立してしまいます。

それでも私個人の意見としては、権利の主張は必要最小限がいいと考えます。強硬に権利を主張すると、特定組織や特定個人の利益にはなるかもしれませんが、社会全体の公益を侵害してしまう場合が多いので、コンテンツについては個人や組織の権利は必要最小限がいいんじゃないのかな?という気がしますね。