まさおレポート

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「プリズン・ブレイク」のシーズン1~4に込められたメッセージ

2018-09-29 | 映画 絵画・写真作品含む

プリズン・ブレイクのシーズン4までを見て「プリズン・ブレイク」メモを記したのは2016年2月とある。既に2年半がたっている、早いものだなと思う。ネットフリックスでシーズン5がリリースされたので10日前に見てタトーを使った瞳認証システムを中心に書いた。それで刺激されて再びプリズン・ブレイクのシーズン4までを50時間をかけて見直してみた。名作の2回目をみるといつも思うのだがずいぶんと新鮮で、記憶に残っていないシーンもあり、細部もよく理解できて一層面白い。

このTVドラマ「プリズン・ブレイク」の監督ポール・シェアリングはこの長いTVドラマのなかにいろんなメッセージを込めている。言うまでもないことだが脚本家は面白い筋を作るためには根拠のない話を創造して書き上げる、しかし監督自ら確証は得ていないが内心信じているメッセージをドラマの中に塗り込めていると感じる、そのメッセージを深読みしてみたい。これが映画や小説がドキュメンタリーやノンフィクションとは一線を画す面白さだろう。ドキュメンタリーやノンフィクションで表現すると名誉毀損で訴えられるが映画や小説でうまく塗り込められたメッセージではその危惧がない。

 

大統領あるいは陰謀組織 女性大統領が陰謀組織によって動かされている。このドラマは2016年の大統領選挙のずっと前に作成されている(最終リリースは2009年)ので登場する強欲の女性大統領は来るべき大統領と目されていたヒラリー・クリントンをひょっとして念頭においているかもしれないなと視聴者に思わせる。そしてクランツ閣下が指揮する軍産複合体の黒幕的巨大「組織」が暗躍することもそう荒唐無稽なことではなさそうだ、そんなメッセージを感じられるのだが。

司法取引 米国には日本にも間もなく取り入れられる司法取引が存在する。米国の司法取引の大半は自白することにより自分の刑を軽くする「自己負罪型」だが、「プリズン・ブレイク」では共犯者らの犯罪事実解明に寄与することを前提に無罪にする捜査・公判協力型取引が登場する。しかし脱獄犯を無罪にするような司法取引が司法長官の権限でできるのだろうか。TVドラマ「24」でもこの種の司法取引が多用されているが、現実にここまでの司法取引が米国民の知らない世界で行われているのではないか。司法取引自体は批判的に描かれているわけではなく、むしろ主人公マイケルを救う。

犯罪対応組織の腐敗 シークレットサービス、国土安全保障省、FBI、CIA、警察、刑務官と6種類もの組織(厳密にはシークレットサービスは国土安全保障省に属する)5種類がそれぞれ独自に銃をもって邪魔をするものは射殺し、犯罪者を追う。向精神薬中毒のFBI捜査官マホンは犯罪者を違法に射殺する。(映画レオンでは麻薬取締官が自ら向精神薬中毒者だ。)

日本では警察、海上保安庁入国警備官、麻薬取締官、税関職員、国税庁査察官が逮捕権を持っている。

母親の冷酷 通常のドラマでは冷酷な母も最には愛を見せるのだが、マイケルの母親は冷酷打算のまま射殺されるという救いのない終わり方だ。監督ポール・シェアリングのあるいは生い立ちのメッセージかなと思いながら見た。

「プリズン・ブレイク」

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