黄昏にもののあはれ
『寄りてこそそれかとも見め黄昏れにほのぼの見つる花の夕顔』
黄昏の夕顔花の美と山桜がこの物語のもののあはれを象徴する。
嘘も女には真実
『五十六億七千万年後の弥勒菩薩出現の世までも変らぬ誓いを源氏はしたのである。』
五十六億七千万年変らぬ誓いは凄い。
夕顔と山さくら
『面かげは身をも離れず山ざくら心の限りとめてこしかど』
夕顔と山さくらの共通点は白いこと。
夢を解く職業
『夢を現実にまざまざ続いたことのように言われて、源氏は恐怖を覚えた。「私の夢ではないのだ。ある人の夢を解いてもらったのだ。今の占いが真実性を帯びるまではだれにも秘密にしておけ」』夢占いも定番の占いの一つ。当時の貴人はリアルな夢や幻をよく見たようだ。人の夢を解くという職業があったのも面白い。
桜と隣りの木
『人よりはすぐれた風采のこの公子も、源氏のそばで見ては桜に隣った深山の木というより言い方がない。』
源氏と公子を、桜と深山の木に例えるのが面白い。
おおらかさは罪を
『「私は子供がたくさんあるが、おまえだけをこんなに小さい時から毎日見た。だから同じように思うのかよく似た気がする。小さい間は皆こんなものだろうか」』
源氏の子を自分の子と思って疑わない帝のおおらかさ、猜疑心のなさ。帝らしさを際だたせる。それだけに一層に背徳感を感じさせる。
濡衣も着たがる
『恋しい人のためには濡衣でさえも着たがる者があるのであるから、弁解はしようとしなかった。』
濡衣でさえも着たがるの表現が実に新鮮だ。
枯れた撫子の花
『ここにはいつか庭から折らせて源氏が宮様へ贈ったのと同じ時の物らしい撫子の花の枯れたのがはさまれていた。』
現代でも映画などで懐かしさを表す手法。こんな感覚は普遍なのだとあらためて思う。
盥へ星が映る幸福
『 貧しい女王一家のためには、盥へ星が映ってきたほどの望外の幸福になって』
盥へ星が映ってきた幸福・・・なるほど。
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