まさおレポート

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良寛とカラマーゾフの兄弟のゾシマそしてドミトリー

2015-11-30 | 小説 カラマーゾフの兄弟

良寛は越後出雲崎の庄屋、山本家の出身だが弟の由之があとを継いでいる。その息子の馬之助は放蕩息子で良寛に説教を以来する。しかし逗留中に説教はせず、(できず)去り際に馬之助に良寛のわらじの紐を結ばせる。そのとき馬之助の頭に良寛の涙が落ちた。その涙に感じた馬之助は放蕩をやめた。

有名な説教話だが、カラマーゾフの兄弟でゾシマ長老がドミトリーの足に接吻するところを想起した。どちらも宗教者が放蕩三昧の相手に共感する点と、その動作、それにその後の放蕩ものの改心までが似ている。

ドミトリーはゾシマの足への接吻で次のように改心していくことが描かれている。(もっとも作者はゾシマの接吻のせいとは書いていないが)

「みなさん、わたしたちはみな残酷です。悪党です。わたしたちはみなの者を、母親や乳飲み子を泣かせています。<・・・>その中でもわたしが一番、汚らわしい虫けらです。<・・・>今になって悟りました。自分のような人間には鞭が、運命の鞭が必要なのです。<・・・>わたしはあなたがたの譴責を、世間一般からの侮辱の苦痛を引き受けます。わたしは苦しみたいのです。苦しんで自分を清めたいのです」

「わたしは親父の血に対しては罪はありません。わたしが刑罰を受けるのは、親父を殺したためではなく、殺そうと思ったためなんです。<・・・>わたしは最後まであなたがたと争って、その上は神様の思し召し次第です!」

「なぜあの時、あのような瞬間に、おれは『赤子』の夢を見たんだろう?『なぜ赤子は可哀そうなんだ?』 あの瞬間、あれはおれにとってお告げだったんだよ!『赤子』のためにおれは行く。なぜなら誰もがすべての者に対して罪があるんだからな。すべての『赤子』のためにさ、というのは小さい子供達と大きい子供達がいて、みんなが『赤子』なんだよ。みなのためにおれは行く。なぜなら誰かがみなのために行かなければならないからさ。おれは親父を殺しはしなかった。でもおれは行かなければならないんだ」

 

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