まさおレポート

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M&Aで2兆円の赤字計上

2019-11-11 | 通信事業 孫正義

 こうした危うさが、さまざまなテクニックを駆使して節税する姿勢を生み出しているのかもしれない。欧米には、富裕層は社会の模範となるように振る舞うべきだというノブレス・オブリージュの考えがあり、古代ローマでは貴族がインフラ整備の費用を負担するなどしていた。今ではCSR(企業の社会的責任)の言葉が一般的だが、同様の考えは日本でも古来からあった。自社の利益の拡大に躍起になって、税の支払いを逃れることを孫氏は、“恥”と感じないのだろうか。

ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2019/08/post_112573_3.html
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ソフトバンクGが修正申告 資本取引、税法の盲点
2019/6/21付日本経済新聞 朝刊
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ソフトバンクグループ(SBG)が2018年3月期に巨額の税務上の欠損金を計上し、日本国内で法人税を支払っていなかったことが明らかになった。国税当局は欠損金の一部について計上時期の誤りを指摘する一方、欠損金の計上自体は問題ないとした。会計上の純利益が1兆円を超える企業が税務上は赤字となる税法の盲点は何だったのか。


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■2兆円超す欠損金

SBGの18年3月期の決算では、連結純利益(国際会計基準)は1兆389億円、単体でも2046億円の純利益を計上していた。ところが、同期の税務申告では、課税対象となる所得がないとして法人税を納めていなかった。

企業の経営成績や財務状況を明らかにする会計と、ルールに従って納税するための税務申告は目的が異なり、利益や損失を計上するタイミングなどに違いがある。

SBGで会計上の利益と税務上の所得に大きなズレが生じる原因となったのは、税務上2兆円を超す欠損金が発生した結果、課税所得がゼロになったことだった。

SBGは18年3月期、16年に3.3兆円で買収した英半導体設計大手、アーム・ホールディングスの株式の一部を、グループ内の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」(SVF)に現物出資で移管していた。会計上はアーム株の移管に伴う損失は計上されていないが、税務上は株移管に伴って1.4兆円に上る欠損金が発生したとされていた。

■譲渡価格どう算定

1.4兆円の欠損金は、アーム社買収時の取得価格とSVFへの移管時の譲渡価格との差額から算出された。

SBGはアーム社の純資産を大幅に上回る価格で同社を買収し、その結果、3兆円を超える「のれん」が発生した。アーム社はその後非上場となったため、市場価格はなく、SVFへの株移管の譲渡価格は明らかになっていない。ただ、取得価格を大幅に下回ったとみられ、巨額の欠損金が生じることになった。

税法上、こうしたケースでの「時価」の算定には純資産を根拠とするなど複数の方法があり、明確な決まりはない。取得価格より譲渡価格が低ければ低いほど、多額の欠損金が発生することになる。

東京国税局は、アーム株移管に伴う1.4兆円を含め、18年3月期に発生した2兆円を超す欠損金について税務調査した結果、欠損金についての処理は税法にのっとったものだったと認める形となった。

ただ、税法上、SVF移管分の欠損金約4千億円は18年3月期の段階では確定しておらず同期に計上はできないと指摘し、SBGも修正申告に応じた。それでも巨額の欠損金が残るため、追徴課税は発生しなかった。

■翌年度以降も「恩恵」

18年3月期の税務申告で生じた巨額の欠損金は、今後もSBGに節税の恩恵をもたらす。

税務上、欠損金が発生した場合、企業は翌年度以降も10年間にわたって欠損金を繰り越し、所得から差し引くことができる。期ごとの損益のブレを調整する意味がある。

例えば大企業(資本金1億円超)が300億円の欠損金を出し、その翌期の所得が100億円だったとすると、所得の半分、50億円まで繰越欠損金を取り崩せる。課税所得は半分となり、納税額も減ることになる。

グローバル化も進むなか、税務当局が想定していない節税策に対して税法が後手に回ることは避けられない。

英国などはルールの乱用に当たるような節税策を規制する「一般的否認規定(GAAR)」を導入しているが、「不明確なルールで納税者が不利益を被る可能性もある」(国際税務に詳しい仲谷栄一郎弁護士)など慎重な意見も少なくない。

ソフトバンクグループの同期連結純利益は1兆389億円、単体では2046億円の純利益があったそうだが、この欠損金によってトータルでは赤字の決算となったようだ。

2019.10.25

財務省 ソフトバンクの節税策を規制へ M&Aで2兆円の赤字計上
 財務省は企業の買収(M&A)に絡んだ節税の防止策を講じる方針を決めた。グループ内の資本取引で実態に変化がないのに大規模な赤字を意図的に捻出し、他の部門の黒字と相殺して法人税を減らしたソフトバンクグループ(SBG)の対応を「制度の抜け穴を突かれた」と受け止め、早急に動くことにした。与党の税制調査会を通してから、関連する改正法令を2020年度の税制改正大綱に盛り込む。
 問題になっているのは、企業が子会社の中核事業を放出して企業価値が落ちた状態にしてから売却し、簿価と売却額の差を赤字として計上するシステムだ。SBGは16年に英アーム・ホールディングス(HD)を買収していたが、18年3月期にはその中核事業を担うアーム・リミテッドの株式の4分の3を、アームHDから配当という名目で譲り受けた。これにより価値が大きく落ちたアームHD株について、8割弱をソフトバンク・ビジョン・ファンドなどに売却させて2兆円を超える税務上の欠損金(赤字)を生み出し、他の事業による黒字分で穴埋めした。
 結果としてアーム・リミテッドの親会社が移っただけで、SBGは法人税を納めずに済んだ。さらにこの欠損金は、今後もSBGに税務上のメリットがある。翌年度以降も10年間にわたって繰り越し、所得(黒字)から差し引いて税負担を軽くすることができるからだ。
 国税庁はこうした取引自体は合法と認めるが、幹部は「事実上の脱税行為」と頭を抱える。国税庁から相談を受けた財務省は、SBGに追随する事案の再発を防ぐため、子会社の中核事業を手放す際に簿価も目減りさせる制度を設け、子会社を売却しても簿価と売却額の間で差がなくす方向で検討することにした。


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