俺様の永遠の彼女、姪(義理妹の娘)は、
幼少の頃……といっても今も幼少なのだが、少しばかり“不思議なもの”が見えたらしい。
その例として、家の冷蔵庫の上に“ちっさいオッサン”がいたのだそうだ。
どんなオッサンなのか一度聞いてみたら、
「メガネかけてる」
と言ってた。老眼のオッサンのようだ。
目が合うと冷蔵庫の裏に隠れて出てこないらしい。
ずいぶんと照れ屋なオッサンみたいだ。
姪はその“ちっさいオッサン”と遊びたかったらしいのだが、
すぐ隠れちゃうから一度も遊んだ事ないねん……とがっかりしていた。
いや遊ばなくてよかっただろやっぱり。
時は経ち、姪も来年は小学生。
先日巨神兵が帰省した時、姪も実家に遊びに来てたので、
「最近“ちっさいオッサン”いる?」
と聞いてみたらしいのだが、
「どっかいっちゃった」
と、どうやらもう見えなくなっちゃったみたいだ。
世の中にはちっさいオッサンよりも“見えなくてもいいもの”もある。
これから姪の人生にはその“見えなくてもいいもの”も見てしまう時があるわけで。
そうして生きて行かなきゃならんのだけど、
ホントはいつまでも“ちっさいオッサン”が見えてた方が良いのだろうか。
俺様にはそう思える時があるんだけど、それは姪のみぞ知るわけで。
とにかくがんばれ姪。