コピー商品考。

断っておきますが、これはすべて夢の中の話です。

ここに、コルムのバブルダイブの時計（４０万円相当）があります。
コルムといえば、
アタシの学生時代（もう２５年も前）にアドミラルズカップという
タイプが金持ちの間で、こそっと流行したことがあります。
学生の間では、やっとこ手を出せてホイヤー（当時はＴＡＧの冠はなし）
お嬢さん女子大生はグッチのバングル、
庶民のおやじたちが頑張ってロレックス、
神戸の有閑マダムたちは、カルチエ、
羽振りのいい成金おやじたちはパテック・ピアジェなんかが
主たる流行でした？

まあそんなブランドが巷を賑わせていたころ、
アタシの元へアルバイトの話がありました。
「どんなブランドの何が、安く手に入れば買いたい？」
とある人から知人経由でコメントを求められたのです。
「ハンティングワールドのショルダー・レノマの２ウェイバッグ・
ＣＰカンパニーのトレーナー・アルマーニのジーンズ」とアタシは咄嗟に答えました。
「じゃ、サンプルを集めて」
手持ちがありましたので、それらを返してもらえることを条件に
すぐに差し出しました。
で、１０万円。
当時学生の時給が５００円、１ヶ月バイトをして確か１０万円くらいでした。

（くどいようですが、これはあくまでも夢の話です）

しばらくして、「このＬＶのバッグどう？」
「コピーですよ、これは」
ジップがＹＫＫのものなので、すぐに分ります。
「じゃ、これは」
「ノン」
中のライセンスレザーの刻印が薄すぎます。
「これは、どやっ」
「なかなか、ですね」
ただし、プリントがずれてます。
「じゃ、このハンティングは？」
「よくできてるけど、ヴァチュークロスじゃないのが、みえみえ」
なんかやばそうな質問でしたが、これだけの回答で３万円。

またしばらくして、呼び付けられ
「じゃ、どのレベルだったら市販できそう？」
「ええっ」

いわゆる偽造集団のモニターです。
当時は、まだいまほどコピー商品に対する摘発がなかったので、
それほど罪の意識はありませんでした。
どちらかといえば、興味本位です。

（くどいようですが、これはあくまでも夢の話です）

それからは、
モニターとしてバッグ＆時計＆アパレルの正規品を買い漁りました。
もちろん他人のお金で…
元々何故か、
学生のくせに世の一流品に関する造詣が深かったのが、
さらにこのモニター業で詳しくなりました。
数百万円もする時計を分解して、
どこのどういうタイプの国産品で代用できるのかなんてことも
やりましたから、真贋を見極める目も付きました。
もちろん、どんな商品をいくらで市場に流せば、はけるのかという
流通のしくみや商品のコストとはといったマーケティングなども。
アンダーグラウンドの流通を通じて、生きた経済を学びました。

（くどいようですが、これはあくまでも夢の話です）

かなり頭に乗り過ぎて、
正規店が作っていないようなものまで、提案したりして。
凝りに凝って、結局正規品と変わらぬこと売価になったり。

学生時代の数年ですが、
そんな割のいいバイトを斡旋してくれていた知人もやがていなくなり
大元であろう組織が大々に摘発されたと聞いたのは、社会人になってからです。

そのような夢の経験から、アタシは次のようなことを体得しました。
①一流ブランドには、それなりのコストがちゃんと掛かっている。
②ブランドを確立すれば、間抜けな消費者が粗雑品でも買ってくれる。
③流行は廃れる予兆である。

話は長くなりましたが…
（まだ夢の途中です）
このコルムのバブルダイブ、とてもよくできています。
ベゼルこそ回転しませんが、間抜けな消費者は充分騙せます。
コストもしっかり掛かっています。
しかも、まだフランクミューラーほど知名度はありません。
けれど、たぶん拡販は望めないでしょう。
ネットオクの市場もきついですし、
デザインもよくありません。
どうせならディズニーの
なんとかなんとかクリスマスのドクロを
くっ付けてWネームのように作った方がよろしいかと。



もちろん、アタシは一切関与していません。



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