丁寧な仕事。

「ワイドなパンツ。いつも外してきますね」と担当のA君。

短足・チビ・ガリのおいらにタイトなスーツを、ってえの？
若いヤツと同じ格好をしても見劣りするのは間違いない。
そんでもって、流行は追いたくないし。
360°どこみても同じ格好のユニフォームみたいなのはどうも好かん。
本物は高すぎて手を出せないし。
FBもFもTもKもとても手の届く代物じゃない。
かといって、その辺りのユニフォームまがいの
なんちゃって廉価モノ、は絶対に身に付けたくない。
オリジナリティを創出しながらも、時代に遅れを取りたくはないんだな。
これぞ、洋服（ファッション）に対するおいらの心情。

このところ気になる、ブランドがある。

999.9（フォーナインズ）。
1995年9月に誕生しわずか10年余りで日本において１、２を争うまでに成長したメガネブランドだ。「眼鏡は視力矯正の道具である」999.9の数値が金の最高純度を示すように、眼鏡フレイムとして常に最高純度の品質を追求し続けている。道具としての眼鏡に必要とされる機能とは、まず掛けやすいこと、壊れにくいこと、錆びにくいこと、調整しやすいこと、そして価格が高すぎないということ。このような定義のうえ999.9の眼鏡フレイムはデザインされる。ブランドイメージが先行してデザイン設計が行われるのではなく、人が心地よく使うことの出来る道具としての機能が最優先される。もちろんデザインは素材の開発や選定に大きく左右されるが、しっかりとした志のもとその製作工程にブレが生じなければ、美しいフォルムは結果として創造されるのだ。素材の特性を素直に生かした心地よい道具には、無理が生じない、不純物も含まれない。そこには自明の理として、美しさが必然的に存在する。 掛けるのではなく、つけるという感覚。999.9の眼鏡フレイムは、頭部を包み込む、抱きかかえるというイメージでデザイン設計を行っている。特定部分へ圧力も生じないため、無理強いの変形による調整を行う必要も無い。装着時には軽く感じられ、理想的な掛け心地が得られるのはこの設計の恩恵だ。999.9の眼鏡フレームは、鼻、こめかみの周辺、耳の後ろ側で押さえて顔に装着させる。このため顔にかけるものという感覚より、眼鏡をつけるとする表現の方がより近い。例えば洋服でも立体裁断というものがあるように、身を包み込む心地よさの感覚だ。人間の頭部を抱く、抱き込む、包み込む「感じ」をデザインし、眼鏡をつける心地よさを生みだしている。5000円や8000円などの廉価メガネチェーンが淘汰されるなか、３―５万円の価格帯が主軸の999.9は着実に顧客を増やしている。理念がしっかりしているうえで格好いいデザインだからだ。せっかく目が悪くなったのだ。その恩恵を、め一杯享受したほうがいい。目が悪くなった事を楽しませてくれるブランドが、 999.9(フォーナインズ) だと、おいらは思う。 が、視力矯正手術を受けたおいらには、そんなことを口にする資格はないのだが。


丁寧な仕事をしていると、有形無形の賜物が付いてくることがある。
たかがメガネ、たかがファッション、たかが広告。されど人生。
納得のいく仕事をきちんとしようや、ジブン。