5月21日(金)
20日夜、午後11時くらいからビール。午前5時に目覚ましをセットして、午前1時くらいに眠りにつくも、30分くらいで目が覚める。2時、3時と寝ようと努力するが、ままならず。時折、トイレにいくたびに、出かけようかと思うが、やはり身体が眠いと言っている。だが、いざ、布団にはいると眠れない。
ああ。くそ。
ツーリング先で仮眠するつもりで、思いきって午前3時半には出発。前日にバイクの点検、およびバッテリーの装着は済ましてあるので、ちょっと暖気をしてから出発。
練馬から環7にでて中央高速を目指し、甲州街道を右折、だが、またも首都高入り口を見逃してパス、というより勝手な思いこみで、甲州街道をUターンしてしまう。だが、それもまた環7を素通りして山の手通りまでいき、ようやく再Uターン。なんとか首都高から中央高速に乗る。まだ酔っているのかもしれない。
走り出してすぐ。かなり寒い。天気予報では今日は夏日だと言っていたのに。
山梨の大月あたりから、吐く息は白くなるし、足は寒さでガクガク震えてくる。手の感覚がなくなってきて、こめかみも寒さのせいでズキズキ(真夏に氷アイスを食ったときみたいだ)してきたので、とにかく近くのSAに逃げこみトイレに走る。グローブを雨天用のゴアテックスに変えて出発。ときおり見える富士山は裾野近くまで真っ白。なんてことだ。こっちはツーリングジャケットに薄手のトレーナーという軽装だ。風の巻きこみ防止にジャケットの首にあるベルクロをぐいっと絞める。あとでみみず腫れになったと気がついたが、そのときはまったく気がつかず。
この日は、全国、晴天のお墨付きだったが、諏訪手前では小雨にたたられる。そこは標高標識によると、日本高速道路の標高最高地点(1000メートル以上はあった)であるらしい。山の天気は変わりやすい。
朝、6時半。諏訪湖SAに飛びこむ。温泉があると知っていたので、もし営業していたら迷わず入浴するつもりだったが、あいにくオープンは午前10時からとなっている。がっくし。レストランも午前8時からとなっていたが、セルフサービス形式の食堂が開いていたので、とりあえずカレーライス(550円)。まあまあの味。
ちょっとくらい休憩しても、とても疲れは取れそうにないので、食堂奥の喫煙室で仮眠を取る。が、入れ替わり立ち替わり人がやってきて、ただソファの上に横になっているだけ。だが、これだけでも随分楽。寒さでしびれていた太股が、ぬくもりに触れて一時間ほどジンジンしたままだ。
結局、8時半くらいまでぐうたらして、なんとか出発する。きたときには一台しか停車してなかったバイクが、7、8台に増えている。すべて横浜ナンバーなので、クラブのツーリングかなにかだろう。
岡谷ジャンクションを過ぎ、岡谷インターで高速を下りる。
国道20号を松本方面に進み、塩尻峠を1キロほど過ぎて高ボッチ高原方面に右折。細い道をくねくねと10キロも上ると、高原にでる。途中、山菜取りにきている地元ナンバーの車も何台かいる。高ボッチ山の標識もあるが、とても登れる体調じゃない。たぶん、いい景色だろうが、塩尻の町の景色越しに、駐車場から見える雪を被った北アルプスの稜線も絶景。しばし、見とれる。
高ボッチ山荘から鉢伏山に向かう小道にはいった途端、オスのキジと遭遇。すぐにバイクを停めるが、小道の真ん中にいたキジはドタドタと不器用にジャンプするようにして、土手向こうの笹藪に消える。時間にしてほんの3、4秒だったが、目の周りの鮮やかな赤と、淡い水色の対比が印象的。山荘の人が放鳥でもしたのだろうか、それとも自然のままのだろうか。ここでキジを見られるとは。
鉢伏山は近づくにつれて、無理してでも登ってみようかなというほどの傾斜を見せる。だが、山荘の駐車場は有料。入り口でUターン。途中でバイクを停めて、ちょっとだけ景色を楽しむ。左手には諏訪湖が意外なほど大きく拡がって見える。でえたらぼっちが踏んづけてできたとかいう話を聞いたばかりだったので、そうかそうかと一人納得。そういえば高ボッチ山もでえたらぼっちに関係あるとか言っていたが……。とにかく、景色がいい。
高ボッチ・スカイラインをまた20号線まで引き返すが、左右の景色が似ているようでぜんぜん似つかぬ印象が面白い。
20号線から、諏訪に向かう。鷺宮に住んでいるメール将棋の一人が、岡谷の出身ということなので、トラックの後をゆっくりゆっくり走る。なかなかいいところのようだ。
諏訪では一旦、諏訪神社・秋宮にいってから、目当ての春宮にいく。神社前の階段脇にバイクを停めて、本殿横の一の柱、二の柱を順に触る。三と四の柱が見あたらないが、どこにあるのだろう。どうやら、すぐに目に触れるところには立ててないようだ。ちょうどこの日は巨大なクレーン車で、二の柱付近の木枝の伐採かなにかをしている。クレーンの先で職人が宙づりになって、神社の屋根、遥か上のほうに人が浮いている。なにかのマジック・ショーでも見ているようだ。
神社脇の砥川を渡り、万治の石仏を見にいく。想像していたより断然いい。しばし見惚れる。これはだれかに教えたくなるような石仏だ。
そろそろ昼飯時。11時。食堂でメシでも食うか、コンビニで弁当でも買って、木落とし坂あたりで昼寝がてらに食べようかと思ったが、そんな店は神社の近くには見あたらない。しかたないので、142号線を木落とし坂まで走る。
松の木のある木落とし坂の上までバイクでいってみる。上から下を見ると、結構、きつい角度だ。ここであの一八メートルの御柱が落とされるのかと、しばし、TVて放映された歓声を耳の奥で再現。今は、ただの小高い山の傾斜にしかすぎない。しばし、休憩して出発。
142号をそのまま、北上。和田峠を過ぎたあたりで、地方物産店みたいなところがあり、昼食。天ぷら定食(地元の山菜とエビ)1050円。座敷で食べて、そのまま「笑っていいとも」などの音声を子守歌代わりに、しばらく横になるつもりが、やっぱり寝れん。昼時で、結構、お客さんがくる。15分ほどで出発。
142号から254に合流して、立科、佐久を経由して、午後2時、下仁田インターから高速に乗る。
横風と突然の煽り風が強く、バイクが流されそうな気がして、80キロ以上はだせない。だが、そんな状態なのに猛烈に睡魔が襲ってくる。大声で歌など歌うが、疲れるばかりだ。たまらず、上里SAで休憩。バイク用の駐車場前においてあったベンチに倒れこむようにして横になる。30分ほど爆睡。イビキかいていたかもしれない。
なんとかすっきりして、練馬に向かう。我が家到着午後5時。本日の走行距離、約500キロ。