スチュワーデスさんが素敵にみえた日

私は、飛行機乗るのがとってもコワイくせに（小心者なのです）、空港がとっても好きです。デッキで、飛行機の離着陸を眺めたり、ロビーで人が行きかう様子を見ているのがとても好きなのです。空港は出発のイメージがあるから、何かの始まりのようで、ワクワクしてしまうのかもしれません。
最近はめっきり行かなくなってしまいましたが、以前は、用もないのに何度か空港に行ったことがありました。そしてそのときに、ツナギを着て空港で仕事をしている人を見て憧れてしまい（見た目から入るタイプなのかな）、アルバイトまでしたことがあります。（腰を痛めてやめるまでの短い間でしたが）



私がやっていたアルバイトは、旅客機の客室整備のアルバイトです。
機内の床やシートや灰皿を掃除して、音楽用のイヤホーンや機内誌をセットするお仕事です。単純作業ですが、シートの間をずっと中腰で作業したり、イヤホーンがたくさん入った袋を持ったり、なかなかの肉体労働でした。

昔、スチュワーデスといえば（今は、なんとかアテンダントとかいうのかな？）、子供が憧れる職業ナンバー１でしたが、私は割りと諦めがよかったのか畑が違うと子供ながらに察していたのか、それまでは1度も憧れたことがありませんでした。きっと自分とは別世界にみえていたのですね。

そのアルバイトでは、機内で準備中のスチュワーデスさんとよく一緒になりました。
ある日、私が時間に追われながらあたふたと作業していたら、思いっきり私のおしりで人を突き飛ばした感触がありました。それはスチュワーデスさんでした。キレイな制服に私の薄汚れたツナギが触れてしまったこと、また、私の立派なお尻で細身のレディを突き飛ばしてしまったこと、これはこれは謝らなくては！と思った瞬間、そのスチュワーデスさんは、くるっとこちらに向き直り、美しいお辞儀を深々としながら、「失礼致しました！」とゆっくりと美しい丁寧な言葉で、先に私に謝ったのでした。まだ若かった私は、年はそれほどは違わないであろうそのスチュワーデスさんの美しい身のこなしと言葉遣いに衝撃をうけてしまい、ただただそのスチュワーデスさんが素敵に輝いてみえたのでしたそのあと、私も謝ったはずですが、どんな風に謝ったのか忘れてしまうくらい。。。業務用ではない、あんなに美しいお辞儀を私はそのとき初めて見ました。

スチュワーデスさんが、みんなそうかどうかは分かりません。
でも、その時のスチュワーデスさんの立ち居振る舞いによって、私は初めてスチュワーデスさんに憧れてしまったのです。
今更もうなれないけれど、生まれ変わったらスチュワーデスを目指してみようかな
飛行機がコワくない人に生まれ変わればだけれどね・・・






（※画像→ANAホームページより）