最近、ひんぱんに通う実家。
実家に行くと
「ありがとう」より「忙しいのに、遠いのにごめんね」って言われるのがツライ。
とにかく母の年代は
ヒトに何かをしてもらうことが「とっても申し訳ないこと」みたい。
もっとずうずうしくなってよ、と思うけど
性格だから・・。
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結婚したばかりのころ、父に「伊勢で買ってもらった」という黒真珠のリング。
こどものころ、この指輪をした母の手が好きでした。
グレーではなくて、すんだブルーの真珠と
控えめなデザインが、白い肌によく似合っていて。
「これはいつかワタシにちょうだいね」
と母にお願いしたのは高校生か大学生のとき?
「なんだか地味好みね~」と笑われていました。
たしかにピチピチした若い手にはまったく似合わず。
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きのう母にお願いしてゆずってもらいました。
「いろいろな記憶がなくなっちゃうまえに」と切ないひとこと付きでした。
いちおう父に「ゆずっていい?」と聞くなんて
なんという古風な女(笑)。
年齢を重ねた、今のワタシの手なら、似合うと思います。
心を浄化してくれる、すんだブルー
この「ひと粒」は、小さいころからの母とワタシの時間を
思い出させてくれます。
この「ひと粒」は
着飾るためではなく、じぶんの心を見つめるもの。
いつまでも大切にするね。