日中友好を夢見て。

中国と日本と、上海と大阪と、中国ビジネス・中国生活奮闘記。

上海 オフィス内装設計-7

2013年06月26日 | 建築設計・内装設計
今回設計施工させていただいた案件が典型的な中廊下タイプのテナントでしたので、それを元にお話を続けたいと思います。
お客様のご要望は、社長室、会議室(お客様との打ち合わせ兼用)、社員事務空間、多目的空間(お客様との簡単な打ち合わせ、社員の休憩場所等の機能)、倉庫が必須でした。

それらの条件をふまえ、弊社で作成したゾーニング案の一部についてお話いたします。

A案

A案
この案は、設計者が最も考えつきそうな案の一つだと思います。
社長室、会議室を採光、通風など条件の良い窓側に配置し、社員の作業空間は事務所の中央部、エントランスのそばに多目的空間を配置します。
この案の問題は、社員の作業空間の採光、通風性能の低下、結果として閉鎖的な空間になりやすい事、又、多目的空間は廊下から丸見えで、格式が低い空間になる可能性がある事です。


B案

B案
社長室、多目的空間を採光、通風など条件の良い窓側に配置し、社員の空間は事務所の中央部、エントランスのそばに会議室を配置します。
この案の問題は、社員は条件の良い多目的空間でくつろげるのですが、お客様の動線を奥まで引っ張るのが困難な事、又、会議室が廊下から丸見えとなる事、社員の作業空間については、A案同様、あまり望ましくはない案です。

C案

C案
社長室、会議室を採光、通風など条件の良い窓側に配置し、エントランスの奥に多目的空間、社員の作業空間はA、B案よりもさらに内部、つまり中廊下に面する部分に配置します。
この案の場合、多目的空間と会議室が近接し、お客様を段階的にご案内し易くなりますが、問題は社員の作業空間が廊下に面するので落ち着かず、大事な作業が散漫になる可能性がある事です。

D案

D案
社長室、社員の作業空間を採光、通風など条件の良い窓側に配置し、エントランスのそばに多目的空間、さらにその奥に会議室を配置します。
この案の場合、社長も社員も採光、通風条件が良い空間で作業できます。
又、C案同様、多目的空間と会議室が近接し、お客様を段階的にご案内し易くなります。
廊下に面する部分は間口いっぱいエントランスとする事で、会社の格式を高める事が出来ます。

最終的にはD案を決定稿として設計を進めていきました。
次回から内部の間取りについての詳細をお話いたします。