遠方の母が体調が思わしくないようだ。持病がいくつもあるが良い先生と出会い、親身に診て頂いている。お金には困っていないが市内に住む妹に週に1回ほどショッピングセンターに連れて行ってもらい食事や買い物をしている。最近元気になったと言っていたのだが、やはり、また不調になっている。
厳しい冬が半年も続く地域でいつまで一人暮らしができるのだろう。元気で出歩くのが好きな母も寄る年並みには勝てず思うように出歩けなくなった。ようやく主治医の勧めで介護認定してもらいデイサービスも楽しんでいるし杖も使ってくれるようになった。ご近所が優しい方で、除雪などしてくださっているからまだ何とかなっているけれど。そのうち施設も考えなければならないだろう。祖母の時は何とも思わなかったけれど自分の母親となると、長年住んだ家を捨てさせるのは忍びない。自分としてはもう東京暮らしは疲れたので帰りたい気持ちは強いのだが、吾子が独立してからになるだろうし。吾子も結婚しない限り家を出ないかも。夫を置いて一人で帰るのも、夫がかわいそうではある。ひとりで朝の支度をするのもきついだろう。全く、前の仕事だったならひとりで放っておいても大丈夫だったのに。今は世話を焼いてやらないとひとりで支度は大変だ。そもそも40すぎてから買った中古住宅のローン。どうするの。売って地方に引っ込んだほうが、生活資金もできるし物価も安いので良いのかな?
家を買うまで、夫の仕事も自分の仕事も順調で、不安なく生きてこれた。ただ、アリとキリギリスに例えればアリではない。キリギリス、だよね。収入のあった時にもっと堅実に貯金や投資など積極的にすればよかった。夫の転職というか、離職で人生設計が狂ってしまった。同じ立場でも、もっと賢く立ち回れば、今頃それなりの地位についていたのではないか?自分の仕事もピークが過ぎた感じ。頼りにしていた師匠は亡くなってしまった。収入が1番の不安材料だ。
呑気に生きてきて、この頃現実の厳しさが見えてきて怯えている。日本自体も昔の力がなく、問題が噴出しているように思う。右肩上がりの時代を生きた親を持ちバブル期に就職できた自分たち。もうそれは通用しないことは頭で分かってはいたがこの頃は実感している。閉経して、体力や感性の衰えを感じ、もう自分は盛りを過ぎて過去の人になりつつある、後進に道を譲るべきなのかもしれない。そもそも道の真ん中にいないんですけど。
子供が元気で前向きで頭が良いのが一つの救いか。ただ、コロナ禍の中の就活だし女子なのがネックだ。履歴書的には問題ないのは、私からのプレゼントだと思って欲しい。エントリーシートではねられることはまずない。高校を辞めさせなくて本当によかった。
バブル期のおばかさんな私たち、、、ましてや地方の女子。もっと自分でよく考えて堅実に生きてくればよかった。もっと視野が広い賢い親に育てられていたら?過去は変えられないのだ。今から何とかするしかなかろう。でも意欲が湧かないのがキツい。
後日/ロダンのココロという優しい漫画を描いていた人が、何と家を失い一時期ホームレスになったという朝日の記事を読んで衝撃を受けた。記事を読んでみれば、本人の認識もかなり世間からずれていると思った。やっぱり作品作りに情熱を傾ける人は現世のことは疎かったり後回しにしたり、不器用で、、、うちの母も作品命系だが夫は公務員でメキメキ出世したし財産のある家に嫁いだので年に何回も海外旅行に行けるほど悠々自適だ。病院も買い物も全てタクシーだ。年代的にも主婦が外で仕事につかない世代とは言え、自分は働かないで創作をすることができたという恵まれた人だ。でもその友人や仲間の中には老後に国民年金しかないので生活保護を申請した人が数人いると聞いた。美とか作品とかにこだわるのはやっぱりキリギリスだと思う。環境ってとても大切だな。同じような人とばかり付き合っていると価値観が同じになってしまう。今いる場所はやばい場所かもしれないと気づけない。いろんなクラスタに属しておくのが身を守るためにも良いかもしれない。