運転席の隣の席・・・
コラムシフトの6人乗車の車や、トラックで無い限り、運転席の隣は1名分の席しか確保されていない。
それは、運輸省の定める道路幅の規定により、車両の全幅が割り出され、最大値2.5mの車両を通行させる規定から、発想された車の前席乗車人数だと思う。
普通車に至っては、昔の5ナンバー枠である1.7mを基準に開発され、その中で車両に対するエンジンの搭載位置の向きにより、計算すると運転席を含め”前席2名”、これが余裕を持って座れる寸法ではないかと思う。
運転席の隣は、助手席と言う・・・
欧米の言葉では・・・
ナビシート、パッセンジャーシートと言われる。
ナビとは道案内、パッセンジャーとは旅客を意味する。
また、会社の社員教育の一環で、乗車席の序列の教育を受けた事もある。
1位は運転席の直線上の後部座席である”右後部席”であり、次に左後部、後部中央、最後に助手席なのだ。
日本では、なぜ助手席と言うのだろうか?!
調べてみた事がある。
それは、大正時代の営業車に由来があるのだと言う。
いわゆる円タクの時代・・・
その昔、オーナードライバーなんて、殆んど皆無であり、通行している車両は殆んどが、旅客であり貨物の営業車だった。
当時は車両の全高も高く、着物姿の女性も多かったため、旅客乗車の際には、お手伝いをする助手の存在が必要であった。
また、助手の存在はそれだけに留まらず、クランク始動のエンジンでは、車の前でクランクを回すのに一人、運転席でアクセルを煽るのに1人必要であった。
また、当時の車は操作するのに特別な技術や、勘所があり、正に運転職人である事が必要視され、道案内は助手の仕事でもあったようだ。
更に初期では、夜間走行の際、助手が車の前を道しるべとして行灯を翳しながら誘導をしたなんて話もある。
その時代から、何の違和感も無く使われてきた、”助手席”と言う言葉。
今では、デートする際の特別席であったりする。
私個人は、助手席に乗るのが好きだ。
広いフロントグラスに移り行く景色を眺めつつ、旅情を楽しむ・・・
これは格別の贅沢だと思う・・・