その分野でのスペシャリストと言うのがいる。
アルピニストでいえば伝説のロッククライマー
レーサーでいえば、”日本一速い男”等・・・
常人にはできない業を持ち、人を感動の渦に巻き込むパフォーマンスのできる人の事だ。
最近、”日本一速い男”こと”星野一義”のコラムを読んだ。
1位に成る事に拘り続けた信念は、レース前後では気迫や狂気のオーラを醸し出していたようだ。
そして1位に成れなかった時・・・
それは、机を引っくり返すなどは茶飯事で、荒れ狂う巨大低気圧のようだったという。
日本一になるには、妥協を許してはいけない世界なのだ。
しかし・・・
彼に言わせると、その意識の根源にあるものは、人一倍似感じる”臆病さ”なのだという。
命なんて一つしかないんだから、賭けるなんてことは出来ない・・・・
だから人一倍の練習を重ね、ミスを起こさないよう徹底的に練習する。
日本一速い男は、”サーキットを日本一距離を走った男”なのかも知れない。
もう一人、日本のロッククライミングの創明期に北穂高滝谷にて幾つものルートを開拓した兄弟を知っている。
学生の頃、その方の山小屋でお世話になっていたのだが、岩登りの世界では巨匠といわれたその人と話していると、やはり臆病な一面を感じる。
レースやロッククライミングなど死と隣り合わせにある”道楽”を極める人たち・・・
彼らは非常に臆病者だと思う・・・
危険な事を非常に良く理解している。
だからこそ、技術を磨き鍛錬する。
人一倍の練習を重ねる。
そして、その世界で君臨することができるのだと思う。
これらの世界で”命知らず”と呼ばれている人は、命の大切さを人一倍理解している人種なんだろうと思う。
本当に命知らずの人間は、有名になる前に他界しているはずだから・・・