噂のCDを買ってみることにした。
”竹内まりや”という女性の存在を知ったのは中学生の頃だろう。
♪~レモンライムの青い風~♪
の、フレーズがテレビから流れてきたのを思い出す。
とても親近感を感じるロートーンボイスは耳に心地よく、軽快なリズムはそのCMの主人公である清涼飲料のイメージを爽快なものにしていた。
それから暫らくして兄貴がLPを買ってきた。
テープにダビングしたその楽曲たちは、2段ベッドの下に寝る私のウオークマンに納まり、電気を消してから始まる深夜のライブの幕が開く。
そこはかとなくビートルズを髣髴させるリズムは、私の体を流れる”血”を活性化させた。
ひと通り、ノリが納まると今度はスローテンポの曲が始まる。
今度は精神面で私に追い討ちをかける。
無垢な心に傷が目立つようになった頃、その傷に染み入る歌詞は時として傷を深くし、又は癒してもくれた。
それから30年。
お店でCDを見つける。
レジで紙袋に納まった楽曲たちは、私に抱えられ車に乗り込む。
キャラメルのように包装されたセロファンを剥がし、3枚組みCDの”Disc 2”を取り出す。
センターコンソールのイジェクトボタンを押し、今度はその”Disc 2”が吸い込まれていった。
ボリュームを少し大きくする。
重低音が小気味よく発生し、懐かしいリズムが始まった・・・
楽曲を一々説明するような野暮な話はやめよう。
これらの曲を改めて聴くと・・・
そんなのは感動するに決まっている。
驚いたのは、歌詞カードの説明を読んでいると、そこには、「安部恭弘」「杉真理」「EPO」なるミュージシャンが名を連ねる。
私は理解していなかったが、”まりや”は、彼らと振興が深かったようだ。
そして、ご主人である「山下達郎」の影響を他聞に受けて作られる曲・・・
私は意識はしていなかったのだが、彼らの曲を殆んど持っていた。
私の嗜好がそうだったのか、彼らが影響を受け合って作られる曲は同じ雰囲気を醸し出していたのかは解らない・・・
だが、私の感性を刺激した曲には一貫性があったのかも知れない。
3枚目を聞き終わったころには心地よい疲労感に包まれていた。
またひとつ、思い出深い品物を手に入れた。
Mariya Takeuchi Manhattan Kiss