テレビにリモコンが追加されたのはいつの頃だろう・・・
昭和40年代半ば辺りと記憶している。
まだ家具調だった4本足のテレビにリモコンが付いた。
しかしこのタイプ、我が家での実施はまだ先の事だった・・・
夏休みに親戚の家に遊びに行った。
その家は古くから開業医をしており、家電や自動車など工業製品に目敏いご主人は、新製品を好んで購入していた。
そんなある日、久しぶりに訪れたその家には新しいテレビが新調されていた。
テレビの上には水槽が載せてある。
その大きな水槽の中には、メダカが一匹・・・・
これは、昨年の夏休みに兄が近くの川原で捕まえたものだった。
そのことに痛く感動してくれたご主人は、メダカ1匹のために水槽を用意してくれたのだ。
だから、この水槽の中のメダカは1年をこの中で過ごしていた事になる。
先ずはそれに感動したのだった。
そうこうしている内に夕食も終わりテレビの時間になった。
画面も大きく迫力があったと記憶している。
そして観ている番組も終わり、チャンネルを変える時だった。
何やら手のひらに納まる四角いケースをテレビに翳すと・・・
なんと、チャンネルダイヤルが自然に動くではないか・・・
これには感動した。
魔法のようだ・・・
それからは兄とリモコンの争奪戦で、自動で動くチャンネルを回しまくり遊んでいた。
今では標準装備のリモコンも当時は高嶺の花だった。
話は変わるが・・・
私の友人はよく奥方から小言を頂くと言う。
まぁ、本人にも原因はあるので致し方ないのだが・・・
段々エスカレートしてくる奥方の口調は段々とやかましく聞こえてくるんだそうで・・・
そのピークを迎える頃になると・・・・
決まってある技を披露することになる。
先ずは手に取ったリモコンを奥方に向ける。
次に間髪いれずに”ピッ”と電源オフのボタンを押す・・・
奥方の様子を見ながら、こう言うのだ。
「このリモコン、調子悪いのかなぁ・・・」
すると奥方は思わず笑ってしまうのだとか・・・
リモコンにはこんな使い道もあるとは知らなかった・・・
今度試してみよ・・・・
(誰に・・・?)