16日、深夜は、ずっとお母さん、意識が無く眠っているようだった。
ちょっとずつお母さんから機械に送られている数字が少なくなっていって
最後、数回、苦しそうに息をしてぴたっと静かになった。
主治医の先生が自宅から飛んできて、亡くなったことを告げる。
「・・・力及ばず・・・」
けっこう遅い時間まで病院にお母さんのためにいてくれて、1度家に帰り
また飛んできてくれた。
担当の患者さんが亡くなった時は必ずこうしてくれるそうだ。
嬉しいな、と思うしすごいと思う。
お父さんとおじちゃんが準備のため家に向かった。
お母さんが亡くなるとき、下顎呼吸?って言うのかな?アゴを引いたような形で
呼吸していたから口が開いちゃってた。
看護婦さんに聞いたら、タオルを丸めて
『〇〇さん苦しいかもしれないけどごめんね~。』
とお母さんに話しかけながら口が閉まるように押さえてくれた。
看護婦さんに替わって私が押さえる。
そして、また、いつものように私とお母さんの2人きり。
静かな病室。
4時を過ぎていた。
『お母さん』
と何度か呼んでみた。
『お母さん、また会おうね』
私とお母さんは親子で生まれるくらいだからきっと縁が強いんだろう。
次の世でまた覚えていてめぐり合えますように。
やっと、誰も お母さんも いないから
私はちょっとだけ泣いても良いのかな
と思った。