雪が降る前に

午後６時３０分、宵闇の中、私はとある川を目指し車を走らせていた。

会社を出た時より降っていた霙混じりの霧雨はとうに止み、雨上がりの透明な空気が流れている。

車内の外気温計は６度を指している。

思ったより気温は下がってないようだ。

先日まで体調を崩していた私にとっては有難い。

体調を崩している間にストックしていたエビも底をつき、病み上がりの体に鞭打っての餌捕りになってしまった。

しかも今季最大級の寒気の為、明日からは雪の予報だ。

さすがに雪の中、餌捕りに出掛ける程の根性は今の私には無い。

現場に到着し、車を停める。

前回の真夜中と違い、明かりが眩しい。

対向車も何台かすれ違っていく。

この中でヘッドランプを着け、網とバケツを手に出て行くのは少々勇気がいる。

妻やブロ友の方々が言っていた、

「不審者」 「通報される」

その言葉が頭をよぎる。

またしても自虐的な笑みを口元に称えたまま、意を決して車を出る。

風が強い。

しかも風に冷気を孕んでいる為、気温計の指している温度よりはるかに寒い。

またしても餌捕りには向かない日に来てしまったようだ。

まあ、いつもの事と言えばいつもの事と鼻先で笑い、網にバケツを入れ水を汲む。

慣れた作業だ。

前回の餌捕りで網を触れる左手が非常に痛かった事を踏まえ、今日は釣り用の防寒手袋を持って来ている。

網の操作性を考え、左手だけに手袋をしてガサを始める。

何回やっても最初の一掬い目は緊張感がある。

相手が自然なだけに思った通りに行かない事もしばしばあるからだ。

今回はどうだろうか❓

網を確認する為、ヘッドランプの光を網に向けるとまあまあな量が入っている事を目にしたのだが、突然の強風により網を煽られ、掬ったエビが川に戻ってしまった。

なんという事だ❗

元の木阿弥とは正にこの事だろう。

ガサの向きを変え、今度は風に煽られないよう急いでバケツに入れる。

中の確認もあったもんじゃないな。

一網目より少ないのは間違いないのだけれども。

今にして一掬い目を無駄にした事が悔やまれるが、してしまった事は仕方がない。

何度か掬い、十分な量が捕れた。

冷気を含んだ風のおかげで涙が止まらない。

端から見たら網を持ったおっさんがバケツを覗き込んで涙流しているってどんな状況だよ❓

そんな事を考えたら笑えてきた。

これ以上醜態を晒していたら本当に通報されかねない。

さっさと逃げることとしよう。

家に着き、前回のごとく水温を合わせる為、バケツを持ち込む。

中を覗き込むと



思った以上に捕っていたらしい。

さっそく餌を与えようと振り向くと



既に集まって来ていた。

よほど腹を空かしているらしい。

私の手の動きに釣られ、右に左に移動する。



まだ１月だというのに、この発色はマズいのでは❓



そんな不安も何処吹く風といった風情で盛んに餌を貪り食うニラミ達。

さて、残りをストック水槽に入れるか。

その場を離れる私の背中ごしにニラミ達の饗宴がまだ続いていた。

てな感じで、やっと復活しました❗😆

まだ少し本調子とはいきませんが、後は時間の問題でしょう。😊

明日から雪の予報です。😰

餌捕りにはギリギリ間に合った感じですかね❓😏

早く暖かくならんかな～❗😌