くうあり

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プラトニック 感想 オネスティ

2014-07-15 23:30:15 | 堂本さんたち
Billy Joel - Honesty

多分ドラマを見ていなかったら、いい歌~で終わっていただろうと思う。
一曲の歌がこんなにも深い奥行きをもって心に染みるようになったことが嬉しい。


訳詞

あなたが求めているものが優しさなら 見つけるのは難しくない

生きていくうえで必要な愛を得ることもできよう

しかしこの世で正直さを求めると むしろ盲目になったほうが良いくらい。

見つけるのは本当に難しい。

誠実とはなんと空虚な言葉だろう、誰もが不誠実だから。

誠実という言葉を耳にすることは少ないが、それをあなたには是非求めたい。


腹を割って話せば同情を得ることは簡単。そういう人はどこにでも居るもの。

しかし、きれいな顔をして、きれい事の嘘をつく人は要らない。

僕は信じられる人が欲しい。




恋人を見つけることはできよう 友を得ることも

安定を得ることもできよう いずれほろ苦い終わりがくるまでは

誰でも約束の言葉でもって 僕を慰めることはできる

そうだ、それは分かっているけど。



僕が深く思いに浸っているとき 余り心配しないでほしい。

そういう時 僕は何も求めはしない。

でも僕が真摯さを求めた時 答えてほしい

そして君に受け止めてほしい


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誠実ってなんだろう。
 
役割をただ生きることよりも、
自分の心の底から湧き起こる本来の喜びの感覚に正直でいることなのかな。

倫理というか、常識というか。例えば沙良なら母親として、そういう役割を生きようとしたとき、自分の本当の心が置き去りになっているんじゃないかっていう問いかけなのかな。


きれいな顔できれい事を言って嘘をついた沙良。
二人だけの世界。二人にしか気持ちを共有できない世界。
その世界をバカンスだった、夢だったとして、強制終了させようとした。

心の中には青年しか居なかったはずなのに。
娘とは、いい距離感で自立した関係になれたはずだったのに。

二人の世界は傷を舐め合うような共依存の関係ではないと、青年は言い切ったけど。

依存と自立は両輪で、青年は、沙良を愛し満たされることによって、世の中の人を悪く思うことがなくなった。沙良は、世の中とうまく付き合いバランスをとっていくそのよりどころであり、オアシス(泉)であったはずなんだけど。沙良は、青年とすっかり関係を断つことで、青年の命を守ろうとし、気持ちの整理をつけようとしたんだな。

0か100か。可憐で残酷な少女の作法で。


僕が思いに浸っているときは、心配しないで。救世主として沙良や紗莉を救いたいと、思い詰めてしまったとき。

そういう時は、僕はあなたに何も求めたりしない。(優しさも同情も。)

真摯さを求めた時、君に答えてほしい。

受け止めてほしい。


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この歌は、ビリージョエルが若い時に信じていた友人に財産をごっそり持って行かれた時に生まれた歌だそうです。
それを知ると、なんだかしらけてしまうでしょうか。私もちょっとドラマに入り込んでただけに戸惑いましたが。


要は、物事をどう解釈するか、ということなんだろうと思ったんです。


同じドラマでも、同じ歌詞でも、十人十色の解釈や感じ方が存在します。

こういう媒介を通して、自分がどう解釈しているのか、その感情を探り、受け止め、より誠実で愛に近い方に持っていけるように、振り返ろうと思ってます。


自分の考えが一番正しいと、誰かを否定する、脚本やキャストの演技が自分の好みでないと否定する。それだけで終わったらもったいない気がして。

野島さんも、7話で青年に語らせてますよね。ネットで悪口がはびこっているのは、自分が愛されたいからなんだって。
ラストの賛否両論を見越して、気に入る気に入らないで終わってほしくない、とメッセージを伝えてくれた気がしてます。

ドラマの感想を書いているつもりが、自分の価値観はこうです、と感情に揺さぶられるままにさらけ出してるんですよね。なぜ好みでないんだろう、なぜ悲しいんだろう、と自分に返していく作業に意味がある気がしてます。


野島さんが、描ききれなかった部分は役者に埋めてもらう、というようなことをお話されていたと思いますが、さらに、視聴者が愛をもってこのドラマを感じ咀嚼する作業で、愛とは、誠実さとは何かということが一人一人の心に描かれ、刻まれていくのだろうなと思います。




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「空あり kuu-ari /執着を手放す日々」

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