スローフードはおばあちゃんの味！

我が家におばあちゃんが来ると、いつもと違った食べ物が
食卓にお目見えする。
私が日頃作らないものが出てくるから楽しみである。
今回も出てきた！

おばあちゃんの得意料理の一つである、昆布巻きである。
家からニシンと昆布を持参して来ているのである。
材料まで持ってきて料理をしてくれるので、至れり尽くせりである。
我が子かわいさのあまりにしてくれているのが、よく分かる。
私にとっては、有り難いとしか言いようがない。
いつも母の恵まれた愛情の元に育ってきたことは本当に感謝である。

朝からニシンと昆布のにおいがぷんぷん臭っていた。
昆布の中にしっかりとニシンを入れて巻く作業をやっていた。
そして昆布がかなり柔らかくなるまで水で炊いてから、調味料を入れる。
堅い昆布がとろけるような柔らかさで、しかも醤油とみりんと砂糖の
何とも言い難い絶妙な味わいがある。

口の中に入れると解けてしまいそうなのに、ちゃんと昆布の堅さも
残っていて中からニシンがしっかりとおいしさを主張している。
これは私にはできない代物である。

これを作り上げるためにおばあちゃんは朝の６時から、
昼の１２時までかかっていた。
グツグツと細火で何時間もかかる仕事だ。
煮込んでいるだけの時間でも最低５時間はかかっていたようだ。
半日がかりの昆布巻きである。

そんなの私には最初からかなうわけがない。
その根気と粘り、そして美味しいものを作るのに手抜きをしない！
時間も取れないのは勿論あるが、でも本当にやろうと思えば
出来ないことはないはずである。
私には昆布巻きを半日かけるだけのエネルギーはない。

これこそスローフードの代表みたいなものである。
スローフードはおばあちゃんの味と思った！
おばあちゃんにとってはスローフードが当たり前のことなのである。
今はファーストフードの時代であるが、やはりスローフードの
良さは最近また見直されている。

手間暇をかける方が貴重なものになりつつある。
時間とかけたエネルギーを換算すると貴重視されて
当然のような気もしてくる。
結局おばあちゃんは昆布巻きを３０本以上巻いたようだ。

その昆布巻きは家族に美味しいと好評で特に、
主人と長男と私が喜んで食べた。
主人と長男は夕食で３本から４本食べていた。
私も食べたが、結局３日間で１５本くらいは食べたことになる。
考えていると半分位食べたことになる。

夕食で長男が「おばあちゃんの昆布巻きは最高！うまい！うまい！」
と言ってむしゃむしゃ食べている姿が結局の所、おばあちゃんにとって
最高のごちそうになったのは言うまでもない。

おばあちゃんの味に乾杯！
おばあちゃんの真心に感謝！

by赤ちゃんの命名・相性占いは「天使の占い！」