暮らしの中で感じた「きょうのきもち」・・・just the way I am
ままぷりんのひとりごと
Where are you from?
「いったい君は何処から来たのか?」 キッチンのシンク下にある収納扉表面に青虫が一匹。 登るでもなく下るでもなく、ただじっと気配を消して存在している。 もしかして昨日の夕食に使用した白菜に隠れていたのか、 その前日のキャベツにくっついていたのか、尋ねても黙秘を通すばかりで埒が明かない。 わたしが知りたいのはただ1点、「君には同行者がいたのか?」ということなのだ。 「連れは3匹でした。」なんて答えが返ってきたら、間違いなく絶叫する!! |
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未来予想図?
大きなガラスがはめ込まれた窓の外を見ると、円形の飛行物体が自在に宙を舞い、金属質の尖った建物が雲に突き刺さるように乱立している。太陽の光が建造物に反射して、プリズムのような残像が目の中に焼きついたまま、なかなか消えない。 戦士であるわたしは、その未来的な景色をぼんやり眺めていたが、実はもっとはるか遠くに想いを馳せていた。長い戦いのせいで、故郷の星に帰ることができないでいる。無常観と疲労感が混ざり合ったような感覚にすっぽり包まれていた。 部屋のドアが音もなくスッと開いたかと思うと同時に、旧体制派の兵士たちが刀の形をした武器を手にして、一瞬のうちにわたしの回りを取り囲み、その後ろから軍の最高司令官らしき人物が数名、目の前に立ちはだかった。 「あなたの命は、既に我々の手中にある。」 「あなたの態度ひとつで、この後あなたの指揮下にある隊、しいてはあなたの星の運命が決まるといっても過言ではない。」 「本日はあなたに、最終提案を持ってきたのだ。」 司令官たちの口から畳み込むように言葉が飛び出し、わたしの上に容赦なく積み重なって、事態が飲み込めずに瞬きをするのも忘れていた。 「提案?」 こういった状況下における提案というのは、脅迫となんら変わりないと感じながらじっと聞いていると、一番せっかちそうで狡猾な雰囲気の男が、石碑の写真を3枚示し説明し始めた。 「あなたたちは少ない兵力でよく戦った。寛大な我々は、あなたの隊の功績を後の世まで伝えるべく、このような石碑を造ってやろうと考えているのだ。ここに3パターンの石碑の見本を持ってきたので、どの形にするか決めなさい。」 示された3枚の写真には、それぞれ形の違う巨大な石が映っていて、石の面には「忠魂」とか「報国」とか「大義」とかいった古き時代の定番の文言が篆刻風の字体で彫られている。わたしの名前も勇敢な志士といった内容の漢文調の表現で、連なる漢字に混ざってしっかり刻まれているではないか。 「さあ、この碑の建立と引き換えに、直ちに降伏しなさいっ!」 わたしは、取り囲む兵士達の真ん中でその圧迫に負けないよう背筋を伸ばして立ち、深いため息を一つついて、目を閉じながら静かに答えた。 「否!!」 次の瞬間、激昂した一人の兵士がわたしの首を締め。。。。く。。く。。苦っ。。しいっ。。。。。。。 そこで目が覚めた。 なんとなく不完全燃焼な気持ちが残り、寝ぼけながらコーヒーを入れた。 ナウシカでもレイアでもない常人のわたしは、ああいった場合にはさっさと降参して彰徳碑のひとつも建ててもらえばよかったのかもしれないと後悔している。 でも一体どうしてあんな夢を見たんだろう? 忘れないうちにと思って、奇妙な夢のことを朝の食卓で娘に熱く語って聞かせたら、 「今すぐに病院に行ったほうがいい!!」と真剣な顔で忠告された。 病院の先生にも全編ノーカットでお話するのがいいだろうか? |
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大歓迎 チップ&デール様
ミノリちゃん(4歳)が、陽だまりでしゃがみこんでいる。 その丸くなった背中がなんともかわいらしくて、そっと近づいてみると、どんぐりの殻を必死に剥いているではないか。小さな手の小さな指先に力を込め、神経を集中して仕事に専念している様子に近寄りがたいオーラすら感じる。 殻をむいてどうするのか尋ねてみたら、 「リスさんにあげるのっ!!!」 つっけんどんに言い返された。 「真剣な作業中、ピント外れな質問をする俗人に苛立つ頑固職人の図」といった空気が、ほんの一時あたりに漂ったが、みのりちゃんはすぐに笑顔になって、わたしにもどんぐりを渡して一緒にやろうと誘ってくれた。 さて、リスさんのために殻を剥いてあげたどんぐりの実をどこに置いたらいいだろうか。 みのりちゃんが心配しているのは、ねこやカラスやきつねやおおかみに横取りされることだ。 そんな輩に見つからないように、黄色い花を咲かせている石蕗の葉の下にそっと隠した。 森のチップとデールがやってきて、「団栗むいちゃいました」状態にして置いてある白い実を うれしそうに食べてくれるのを、わたしたちは心弾ませて待っている。 |
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おじいちゃんの菊
スマートで頑固だった祖父は、いつも庭の真ん中で、 静かにたたずんでいた。 その立ち姿は、地球の引力を足の裏で直に感じ取っているかのような風にも見えたし、空を漂う気を全身でやんわりと受け止めているかのようにも見えた。師走に向かう晴れた日に、祖父を包み込むようにしてその背後で彩を加えていたのが、赤紫の菊の花だった。その菊を父が大切に増やし、我家のベランダでも花を開いた。 明治の香りがするような気がして、深呼吸をしてみた。 |
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