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固い頭

美容室で頭皮マッサージを受けていたら、
「ウヮァ~!! ものすご~ぉ~っく、頭皮がこってますね~~!!」ときた。
こんな人類見たことない!といった風の驚いた口調で言われると、こちらとしてはどうリアクションしたらいいのだろうか。
「やだっ!! とうひよう(どうしよう)? 」  軽くボケるタイミングをすっかり失っていた。

大体 頭皮とは、頭蓋骨をカバーする一枚の薄い皮ではないのか?
髪の毛が生えるための薄い皮膚ではないのか?
「こる」という症状が現れるような、そんな肉厚ではないはずだ。
目をパチクリさせながらマッサージを続ける美容師さんに、
「へぇ~、そんなこってます?」と一本調子で、さも人さまの頭皮の話をしているかのような
いたって他人行儀な返答しかできなかった。

家に戻り、頭を両手で抱えるようにして自分の頭皮を確認してみる。
本当に薄い皮だ。温泉まんじゅうの皮よりもっともっと薄いと思われる。
頭蓋骨を被うようにしてはいるが、この薄さでは少々不安になる。
人体の指令塔でもある大切な脳を保護するには、頭蓋骨に頼り切っていていいのだろうか?
という気になってきた。
頭皮にもそれなりの働きをしてもらわないといけないという結論に達したわたしは、
鏡の前で美容師さんのまねをして、頭皮をマッサージしてみた。
頭皮を引き上げると、表情がキリリと引きつって、多少なりとも賢そうに見える。
逆にグッっと引き下げると、額の面積が詰まって、かなり哀れな顔つきになった。
頭皮に期待する役割のことなどすっかり忘れて、変な顔にはまってしまった段階で、
固かった頭はかなり柔らかくなり、頭皮のコリも相当改善されたのではないかと思われる。
こういった現象を、現実頭皮(逃避)とも呼ぶ。 

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選挙にいきましょう!!

「手を振ってのご声援ありがとうございますっ!!」
そんな声がスピーカーから流れるたびに、一体どんな人がそんなアグレッシブな応援しているのだろうかとあたりをぐるりと見回してしまう。
わたしの勝手な個人リサーチによれば、手を振るのは大体がおばさま年代の女性。
手を振るだけでなく、信号待ちの選挙カーの窓ごしに候補者と握手したりする方もいたりして、
それはもう、圧倒されるようなパワー&パッションを感じてしまう。
「わたしにはそんな大胆な行動は、絶対にとれない!!」
と宣言しながら、ついでにおばさま世代への仲間入りを断固拒絶していたのだが。。。。

自転車に乗って必死にアピールする25才の若い青年候補に向かって、
「がんばれ~っ!!」と叫びながら、体を乗り出す勢いで思いっきり手を振って応援している
自分がいた。

市議会議員選挙は明日が投票日。
わたしには「おばさま世代」への当確印が早々と出てしまったが、
あの自転車の若い候補の命運はいかに??
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春の声未だ小さき哉

冷たく細い雨が降り注ぐ箱根の山では、小さく可憐な花を咲かせるマメザクラが満開を迎えていた。
空気が透明に澄んだこの山中で、
小さな桜の花は、決して誇ることなく、
むしろ気配を消すような感じすらした。
山の春は少々足踏み状態のようだ。
修行中の若いウグイスの声が冷気の中で妙に鋭く響き、
ふと見上げた天下の剣は、垂れ込めた濃い雲にすっかり覆われていた。



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遠心力の向こう側


ジェットコースターの類は大の苦手なので、4?年におよぶ人生において、
極力そういった無謀なチャレンジは避けるという方針で過ごしてきた。 が・・・
逆上がりすら出来ないわたしが、360度回転するループジェットコースターに挑戦してしまった
というのだから、これは文字通り天と地がひっくり返る大事である。

きっと顔はものすごく引きつっていたはずだ。
足はつっぱり、体もカチカチに固まっていたと思う。
目をつぶった方がいいのか、しっかり見据えたほうがいいのかも迷っていた。
坂道を上り始めた段階でも、まだなんとか途中リタイヤできないものか真剣に悩んでいた。

しかしガタンと動き出したら、もう止まらない。
実際にものすごいスピードで上ったり落ちたりするコースターの中では、体を固定されたわたしは大声で叫ぶ以外には何も出来なかった。
360度グルリンと回転する動きに対して、抵抗することなど許さるはずもなく、されるがままの状態で、全身を遠心力という透明の力にフワリとあずける感じがした。
回転する途中でチラリと見えた青い空が、網膜の奥のスクリーンにぼんやりとした残像としてその色を焼きつけたような気がしたのだが、あれが遠心力の向こう側の景色なのだろうか?

無事帰還した後は、体内の臓物の位置が上下左右に多少ずれた感じがして、
ちょっぴり気分が悪かったが、「ギャー!!」「ギョエッ~!!」「やめろ~!!」「降ろせ~!!」と走行中ずっと叫び続けたため、ありがたいことに一緒にストレスも吐き出されたようで、今日は本当に気分がよい。
だからといって、再度あのコースターに挑戦する気は毛頭ない。
いい冥土の土産話になった!!というのがまさに現在の正直な心境である。

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そら豆に関する身勝手な願望


そら豆は、かなり効率の悪い豆のつくり方をしているのではないかと
以前よりずっと気になっていた。

いや、ダーウィンのむこうをはって種の存続に関して意見をしようなんて、
そんな大それたことではないのだ。
サヤの体積に対する豆の含有率の低さに少々イラッときているだけなのだ。

大きなサヤの中は、フカフカの真綿が敷き詰められたベットの如き様子。
そんなに理想的好条件ながらも、中に出来る豆は多くて3粒。
へたするとチビ豆が1粒だけだったりする。
先日、安かったので仕入れたそら豆は、「安かろう悪かろう」を実をもって表現してくれた
散々な実入り状況であった。

塩茹でしてから食卓に移動するまでの、わずか数メートルの範囲内で
既に豆の1/3が失われている(=つまみ食い)といった状態を神妙に反省し、
フカフカ布団の上で、丁重に育てられた旬の味を、適度に冷えたビールとともに
存分に楽しむためには、味わう側の懐の深さというか、心の余裕といった類いの
悠然とした大人の対応が要求されるのだ。

「1サヤに3粒」の豆含有ラインはなんとしても守って欲しい!! 
懐浅く、余裕もない、大人には成りきれないわたしが声を大にして叫んでも、
そら豆には決して届かない。。。

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