トゥエンデ ポレポレ

マライカのひとりごと

②火炎樹(カエンジュ)

2008年04月26日 | 東アフリカの植物さんぽ道


この火炎樹の花は、つぼみのなかに水分を含んでいて、開花するとき噴水の
ようにスパークするので、別名fountain tree(噴水の木)とも呼ばれます。

この花弁のなかに含む水は、アフリカのある地方ではスーパースピリチュアル
パワーがあると信じられ、願い事を祈願するときの霊水として使われます。
でも、この火炎木の花はかなり高い位置で開くため、花の噴水がスパークする
瞬間になかなか遭遇することができません。
また水は花が開いた直後でないと飛び散ってしまうので、採集するタイミング
がとてもむずかしいです。

ある日、わたしはこの霊水をどうしても試してみたくなって、火炎樹の下に
ランクルを駐車し、車の屋根のてっぺんによじのぼって、開いたばかりの
火炎樹の花の霊水を少しだけ飲んでみました。
「甘い!」
ちょっとトロミがあって、蜜水のようです。
花に含む水の量は思っていたより少なく、でもたしかになんだかありがたい
ゴリヤクがありそうなかんじです。
鳥やハチも寄ってきました。
火炎樹の花の霊水を飲んですっかり満足したわたしは、ぐらぐらする不安定
な車の屋根の上から、夢中で花の写真を撮りました。
何枚か撮ったあと、
「ハッ」
と気がつくと、わたしの車のまわりはアスカリ(警備員)、ワクリマ(農民)の
人だかり。みんな心配そうに車の屋根の上のわたしを見上げています。
どうやら鳥といっしょに花の水を飲んでいるわたしは
「ワジム(気のふれた人)」
と思われてしまったようです。




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