トゥエンデ ポレポレ

マライカのひとりごと

人類のふるさとリフトヴァレー

2008年09月22日 | Tupande miti (木を植えよう)
レヘマ幼稚園から歩いて村のはずれに行くと、リフトヴァレーの断崖につき
ます。この断崖からわたしたち人類が生まれた美しい東アフリカの大地がの
ぞめます。遠くにかすんで見えるのはロンゴノット山、そのまた向こうは野
生動物の王国マサイマラです。

この村のわずかな狭い土地で小規模農業を営む家は、自分の畑にはもう煮炊
きする薪材としての木はなく、一家の家事を担う村の主婦はこの断崖を下り
て薪を集めに行きます。薪と言ってもこの断崖の下の木は炭焼きのためほぼ
伐りつくされ、もう木らしい木はほとんど残っていません。そのわずかに残
る丈の低い潅木も日々消失しています。
(画像左中央に見えるのは炭焼きの煙ですが、この非公認で行われる炭焼きも
環境破壊に拍車をかけています)

朝子どもたちを学校に送り出したあと、ママたちが薪を求めて崖を下りるの
は7時ぐらいです。この薪木の採取はこの村の主婦にとって時間も労力も使
うたいへん重労働の仕事です。この地域の人々は幼いころから家事を手伝う
のでママたちはこの断崖の登り下りになれているとはいえ、足場はまさに岩
だらけの絶壁で、環境破壊が進むにつれママたちは薪を求めてますます遠く
まで行かねばならなくなりました。
煮炊きに必要な十分な薪が採集できない時は、現金で薪や炭やケロシン油を
買わざるを得なくなります。

昨年はこの地域の相場で一本1.5sh(3円)だった薪が、いま倍の3sh
(6円)に、炭の値段は2年前はグニア(一袋)300sh、昨年は450sh
今年9月24日現在で700shと高騰、ケロシン油は1リッター57shか
ら85shと燃料は日々天井知らずの急騰です。
さらに絶対的な雨量不足のためトウモロコシ、豆などの農作物は今年は不作で
出荷量が少なく、自分たちが食べる作物ですら十分でありません。
こういう現金収入がほとんどない一日の生活を一ドル以下で暮らす農家は、日
々の煮炊き燃料はタダの薪木を求めざるをえなく、雨の降らないこの地域の環
境はますます悪化していきました。

エリザベス先生は、「木を植えて自分たちの村の緑を取り戻そう」と園児のお
母さんたちに呼びかけ地域の植樹グループをつくろうと試みていますが、絶対
的な水不足のなか今日を生きるのに精一杯の人々をひとつにまとめるのは、現
実的な問題もあり、今のところむずかしいようです。
しかしエリザベス先生といっしょに遊ぶ子どもたちのはちきれる元気に、アフ
リカの大地と未来に明るい希望を感じました。
ふるさとの大地の緑を回復しようと努力しているエリザベス先生を、ささやか
でもわたしができることを応援したいとおもっています。


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