剣を構えながら、遠くにサリナがいた事に気付き声を掛ける。
「あ、どーも。
いつもうちの妻と娘がお世話になっております。」
サリナは軽く会釈するに留めた。
リッチを目前にして、日頃のご挨拶を平然と交わす非日常的な光景。
ヴェスターならではのお気楽ぶりは今日も健在である。
だがヴェスターにしてみれば
本当はレグザはマルコシアスが対応するはずですよねえ。
それとも意地でも裏方に徹する気でしょうか。
と少々ご不満気味でもあった。
だが1つ思い付く。
滅多に外に出てこないサリナ大司教が外に出ている。
・・・なるほど、どんな手を使ったのか知りませんが、
「あ、どーも。
いつもうちの妻と娘がお世話になっております。」
サリナは軽く会釈するに留めた。
リッチを目前にして、日頃のご挨拶を平然と交わす非日常的な光景。
ヴェスターならではのお気楽ぶりは今日も健在である。
だがヴェスターにしてみれば
本当はレグザはマルコシアスが対応するはずですよねえ。
それとも意地でも裏方に徹する気でしょうか。
と少々ご不満気味でもあった。
だが1つ思い付く。
滅多に外に出てこないサリナ大司教が外に出ている。
・・・なるほど、どんな手を使ったのか知りませんが、
マルコシアスが説得したとみるのが正解でしょうかね。
と一応の推測は立てていた。
レグザは外れたフードを被り直し、軽く歯ぎしり。
アンチマジックを使う白銀の騎士だあ?
畜生が!どう転んでも負け戦じゃねーか!!
「俺を止めてどうする!?
真の魔人を生み出さねば、
と一応の推測は立てていた。
レグザは外れたフードを被り直し、軽く歯ぎしり。
アンチマジックを使う白銀の騎士だあ?
畜生が!どう転んでも負け戦じゃねーか!!
「俺を止めてどうする!?
真の魔人を生み出さねば、
アークデーモンどもがこの国を滅ぼしてしまうぞ!!」
吠えるレグザにヴェスターは軽く鼻で笑う。
「闇の組織から抜け出し、
ビカム・アンデッドの呪文でリッチになり、
貪欲に禁忌の知識を集めてきた他国の男が、
この国の為に動く?
あり得ないでしょ?
真の魔人を生み出しアークデーモンを倒す事は、
吠えるレグザにヴェスターは軽く鼻で笑う。
「闇の組織から抜け出し、
ビカム・アンデッドの呪文でリッチになり、
貪欲に禁忌の知識を集めてきた他国の男が、
この国の為に動く?
あり得ないでしょ?
真の魔人を生み出しアークデーモンを倒す事は、
貴方自身の目的がある。
違いますか?」
この野郎、見透かしてやがる!
これを聞いたカイルとシーマが、なんとなく分かってきた気がした。
レグザが、推測通り東方の国から来て魔人を作り出す事を
違いますか?」
この野郎、見透かしてやがる!
これを聞いたカイルとシーマが、なんとなく分かってきた気がした。
レグザが、推測通り東方の国から来て魔人を作り出す事を
昔から目指してきた本人だとするなら、レグザは昔、
アークデーモンと契約をして魔人を生み出す為の方法を聞き出した
張本人という事になる。
つまり、レグザは自分でアークデーモンを呼び出し、
つまり、レグザは自分でアークデーモンを呼び出し、
自分でアークデーモンを倒そうと画策しているのだ。
何も語っていないが、恐らくレグザもアークデーモンから
何も語っていないが、恐らくレグザもアークデーモンから
何らかの行動制限を受けている可能性がある。
アークデーモンを倒したがっているのは、何のことはない
アークデーモンを倒したがっているのは、何のことはない
自身の自由を取り戻したいだけなんじゃないのか?
魔人を作りたがっているのも、
魔人を作りたがっているのも、
自身の好奇心からきているだけだろうし。
「・・・リッチって、こんなに身勝手気まま我儘王様なタイプなのか。」
ボソッとカイルが呟くと、皆一斉に吹き出すように笑い出す。
レグザがギロリと周囲を睨むが、
「・・・リッチって、こんなに身勝手気まま我儘王様なタイプなのか。」
ボソッとカイルが呟くと、皆一斉に吹き出すように笑い出す。
レグザがギロリと周囲を睨むが、
ヴェスターに魔法を封じられて逃げる事すら出来ないので、
全然威圧になってない。
サリナは完全に背を向けて寺院内に戻りだす。
「・・・見掛け倒しにもほどがあるわよ、くだらない。」
マルコシアスめ、こんなくだらない相手を私に当ててきたの?
雑魚もいいとこじゃない・・・。
サリナはそう思いながらも違和感があった。
預言者フィアナの側近が、こんなミスを侵す?
有り得ないとすれば、まだ何かがあるはず・・・。
すると突如、レグザが
グアッ!?
と呻き声をあげたかと思うと、周囲に黒い霧が立ち込めていく。
ヴェスターが大きく下がり、声を上げた。
「皆、下がれ!
この霧は魔素が濃い!!
触れると何らかの異常状態になるぞ!!!」
皆が下がる中、レグザの脳裏には嫌な声が聞こえてきた。
『クックックッ、もはやこれまでだなレグザ。
この賭けは我の勝ちだ。
貴様の身体はもらうぞ。』
周囲には聞こえていないアークデーモンからレグザへの念話。
レグザは呻きながらも必死に抵抗する。
『馬鹿言ってんじゃねえ。
一旦、ここから離脱して体制を整えれば・・・!』
『離脱?無理だろう?
アンチマジックの使い手がいる以上、転移の魔法も無意味。
貴様の策は潰えたのだ。』
レグザの着ていた黒いローブが破れ、骨だった身体が受肉されていく。
「くそがぁ!」
身長2m、頭には二本の禍々しい角、両手には長く鋭い爪。
もはやそこにレグザの姿はなく、新たな悪魔が誕生していた。
周辺にいる皆の脳裏に直接念話が響く。
『我はアークデーモンの力の一部によって生まれしもの。
大人しくアメリを引き渡せばそれで良し。
もし我に挑むのであれば、死を見る事になる。
返答や如何に?』
「フ、フフ、そういうことだったの。
面白い。」
サリナは冒険者たちを呼び、アメリを連れて寺院内に入るよう促す。
「寺院の中から見ていなさい。
本当の戦いというものをね。」
サリナは意気込み、まとっていた白いローブを脱ぎ捨てる。
そこに見えたのは、極東の国インタテスラに伝わる白い道着と黒い帯。
そして悪魔に対して中指を立て、挑発した。
「死を見るのはあなたよ。」
肌に突き刺さるような恐ろしいまでの殺気。
常人ならばそれだけで気絶するであろう気迫に、
サリナは完全に背を向けて寺院内に戻りだす。
「・・・見掛け倒しにもほどがあるわよ、くだらない。」
マルコシアスめ、こんなくだらない相手を私に当ててきたの?
雑魚もいいとこじゃない・・・。
サリナはそう思いながらも違和感があった。
預言者フィアナの側近が、こんなミスを侵す?
有り得ないとすれば、まだ何かがあるはず・・・。
すると突如、レグザが
グアッ!?
と呻き声をあげたかと思うと、周囲に黒い霧が立ち込めていく。
ヴェスターが大きく下がり、声を上げた。
「皆、下がれ!
この霧は魔素が濃い!!
触れると何らかの異常状態になるぞ!!!」
皆が下がる中、レグザの脳裏には嫌な声が聞こえてきた。
『クックックッ、もはやこれまでだなレグザ。
この賭けは我の勝ちだ。
貴様の身体はもらうぞ。』
周囲には聞こえていないアークデーモンからレグザへの念話。
レグザは呻きながらも必死に抵抗する。
『馬鹿言ってんじゃねえ。
一旦、ここから離脱して体制を整えれば・・・!』
『離脱?無理だろう?
アンチマジックの使い手がいる以上、転移の魔法も無意味。
貴様の策は潰えたのだ。』
レグザの着ていた黒いローブが破れ、骨だった身体が受肉されていく。
「くそがぁ!」
身長2m、頭には二本の禍々しい角、両手には長く鋭い爪。
もはやそこにレグザの姿はなく、新たな悪魔が誕生していた。
周辺にいる皆の脳裏に直接念話が響く。
『我はアークデーモンの力の一部によって生まれしもの。
大人しくアメリを引き渡せばそれで良し。
もし我に挑むのであれば、死を見る事になる。
返答や如何に?』
「フ、フフ、そういうことだったの。
面白い。」
サリナは冒険者たちを呼び、アメリを連れて寺院内に入るよう促す。
「寺院の中から見ていなさい。
本当の戦いというものをね。」
サリナは意気込み、まとっていた白いローブを脱ぎ捨てる。
そこに見えたのは、極東の国インタテスラに伝わる白い道着と黒い帯。
そして悪魔に対して中指を立て、挑発した。
「死を見るのはあなたよ。」
肌に突き刺さるような恐ろしいまでの殺気。
常人ならばそれだけで気絶するであろう気迫に、
悪魔ですら二の句を告げずにいた。