シャディは準備運動とか言って
インプ(小悪魔)バンバン倒してたっけ。
「インプの羽根集めていたみたいだったけど、
「インプの羽根集めていたみたいだったけど、
特におかしいところは無いわよね?」
「あれね、国からの依頼だったのよ。」
「あのリヤカーいっぱいに積んだ大量の羽根が?」
ここからエルは念話を使いだす。
大衆には聞かれたくない話を淡々と話す為に。
『ケイトとドールのおかげで、
「あれね、国からの依頼だったのよ。」
「あのリヤカーいっぱいに積んだ大量の羽根が?」
ここからエルは念話を使いだす。
大衆には聞かれたくない話を淡々と話す為に。
『ケイトとドールのおかげで、
失われた蟲毒バーグラウトの残回収に成功したわ。
元々今回の一件で国の本質的な狙いはそこだったのよ。
奴隷商アラクネの対策、魔人の対策、
元々今回の一件で国の本質的な狙いはそこだったのよ。
奴隷商アラクネの対策、魔人の対策、
悪魔群の対策を公に見せつける事で、
国は見事に蟲毒の存在を隠しきってみせた。
なんとしても手に入れる為にね。』
『それとインプの羽根に何の関係が?』
『悪魔すら一瞬で絶命させる究極の猛毒“デスサイズ”。
それを精製する為よ。』
!
ケイトは思わず地声が出そうになるのを必死で抑え
『あれって、使用禁止薬物の中でも最悪のヤツじゃないの!
女王は何考えてそんなモノ・・・!
まさか・・・。』
『・・・気付いた?』
『武器商人エギルを暗殺する為・・・?』
『正確には、人間に化けた悪魔を暗殺する為、ね。
人界に来て人化してる悪魔が
なんとしても手に入れる為にね。』
『それとインプの羽根に何の関係が?』
『悪魔すら一瞬で絶命させる究極の猛毒“デスサイズ”。
それを精製する為よ。』
!
ケイトは思わず地声が出そうになるのを必死で抑え
『あれって、使用禁止薬物の中でも最悪のヤツじゃないの!
女王は何考えてそんなモノ・・・!
まさか・・・。』
『・・・気付いた?』
『武器商人エギルを暗殺する為・・・?』
『正確には、人間に化けた悪魔を暗殺する為、ね。
人界に来て人化してる悪魔が
まさかエギル一人だけって訳ないでしょ。
西の帝国や真っ黒山羊が悪魔と
西の帝国や真っ黒山羊が悪魔と
どんだけ契約してるか知らないけど、
それなりの数はいると思う。』
『・・・まさか、うちの母さんに精製させるの?』
『もう世の中から消えたって言われている蟲毒が原料なのよ。
存在がそっちにバレているとはいえ、
『・・・まさか、うちの母さんに精製させるの?』
『もう世の中から消えたって言われている蟲毒が原料なのよ。
存在がそっちにバレているとはいえ、
表向きに出来る仕事じゃないのは分かり切ってるでしょ。』
『王城内で誰か錬金術師いるの?
あたしは聞いたこと無いんだけど。』
『ケイトね、王城で何人の人間が働いていると思ってんのよ。
全員のツラ把握してるわけじゃないでしょ。』
・・・美少女顔でツラって言うのがエルよねー。
なんでこんなに口悪いかなー。
ここでようやくエルのおかわりご飯がやってきて、
『王城内で誰か錬金術師いるの?
あたしは聞いたこと無いんだけど。』
『ケイトね、王城で何人の人間が働いていると思ってんのよ。
全員のツラ把握してるわけじゃないでしょ。』
・・・美少女顔でツラって言うのがエルよねー。
なんでこんなに口悪いかなー。
ここでようやくエルのおかわりご飯がやってきて、
お食事再開。
でも念話は食べながら継続する。
側から見れば、食事に没頭して黙食している
でも念話は食べながら継続する。
側から見れば、食事に没頭して黙食している
美少女としか見えない。
『・・・でもさ、うちに母さんみたいな錬金術師がいると、
『・・・でもさ、うちに母さんみたいな錬金術師がいると、
それなりに名の知れた人の名前は耳に入ってくるのよ。
それでもこの城下町に母さんと叔母さん以外の錬金術師が
それでもこの城下町に母さんと叔母さん以外の錬金術師が
いるとはとても思えない。
まして“デスサイズ”なんて、母さんぐらいの実力がなきゃ
まして“デスサイズ”なんて、母さんぐらいの実力がなきゃ
精製なんて無理でしょ。』
『・・・相変わらず鋭いのね。
でもこれは機密情報よ。
対価があれば話してもいいけど。』
『対価?』
『タラのフリッター2枚追加で手を打つわ。』
タラの切り身2枚程度の機密情報なのかしら。
人形娘の感覚って、やっぱどこかズレてるわ。
「すいませーん!
タラのフリッター6枚追加!!」
「そんなに食べないわよ。」
「あたしとイヴも分も込みで頼んだの、一人2枚ずつ。
イヴも食べるでしょ?」
「も、もちろん頂くわ。」
店の店員は、この小さい身体のどこに入るのかしら
『・・・相変わらず鋭いのね。
でもこれは機密情報よ。
対価があれば話してもいいけど。』
『対価?』
『タラのフリッター2枚追加で手を打つわ。』
タラの切り身2枚程度の機密情報なのかしら。
人形娘の感覚って、やっぱどこかズレてるわ。
「すいませーん!
タラのフリッター6枚追加!!」
「そんなに食べないわよ。」
「あたしとイヴも分も込みで頼んだの、一人2枚ずつ。
イヴも食べるでしょ?」
「も、もちろん頂くわ。」
店の店員は、この小さい身体のどこに入るのかしら
と言いたげな目つきで6枚置いていった。
ケイトは、うん、その気持ちよく分かるわ
ケイトは、うん、その気持ちよく分かるわ
と言いたげに無言で頷く。
するとエルがフォークでフリッターを
するとエルがフォークでフリッターを
ブッ刺しながら念話を再開。
『いつか出会う機会があるかもしれないから教えておく。
王宮護衛団王城区域班、通称“御庭番”の序列9位、
『いつか出会う機会があるかもしれないから教えておく。
王宮護衛団王城区域班、通称“御庭番”の序列9位、
デスサイズのレイっていう女性が錬金術師よ。
普段は“死神の斧”を振るう女戦士。
だから“デスサイズ”なんて二つ名が付いているけど、
普段は“死神の斧”を振るう女戦士。
だから“デスサイズ”なんて二つ名が付いているけど、
その裏の顔はラフィンローズ家の生き残り。』
『・・・母さんの家に次ぐ錬金術の家系・・・!
あの家は途絶したんじゃ・・・!』
『西の対戦で両親と兄が亡くなったって話は聞いているわ。
レイは家で錬金術を習得していたけれど、
『・・・母さんの家に次ぐ錬金術の家系・・・!
あの家は途絶したんじゃ・・・!』
『西の対戦で両親と兄が亡くなったって話は聞いているわ。
レイは家で錬金術を習得していたけれど、
西の帝国にその事を知られるのを恐れて戦士で通している。
この国が帝国に対立する事を知って、
この国が帝国に対立する事を知って、
王宮護衛団の入団試験を受けたそうよ。』
『・・・そういう理由なら普通は騎士団じゃないの?』
『騎士団の入団試験なんて、
『・・・そういう理由なら普通は騎士団じゃないの?』
『騎士団の入団試験なんて、
何かのコネがなかったら門前払いされるでしょ。
護衛団ならそんなの無いから。』
『なるほど。
死神の斧なんてユニーク・ウェポンを敢えて装備して
護衛団ならそんなの無いから。』
『なるほど。
死神の斧なんてユニーク・ウェポンを敢えて装備して
二つ名にしているあたり、帝国への当てつけとも感じるわね。
フィルより序列1つ上だけど、実際の実力はどうなの?』
『・・・正直な話、序列5位から10位の実力はダンゴ状態よ。
フィルのズバ抜けた実力に目が行きがちだけど、
フィルより序列1つ上だけど、実際の実力はどうなの?』
『・・・正直な話、序列5位から10位の実力はダンゴ状態よ。
フィルのズバ抜けた実力に目が行きがちだけど、
実際は誰もかれも一騎当千の猛者揃い。
正直な話、レイが戦士以外に錬金術の実力も加えて戦闘しても、
正直な話、レイが戦士以外に錬金術の実力も加えて戦闘しても、
序列はそれほど変化しないわ。
序列1位から4位までの4人は、
序列1位から4位までの4人は、
正真正銘の化け物しかいないから。
心配するだけ損よ。』
『ニードルで序列1位のエルにそこまで言わせるなら、
心配するだけ損よ。』
『ニードルで序列1位のエルにそこまで言わせるなら、
実力は申し分ないか。
・・・情報ありがと。』
イヴは二人の念話に参加出来ていたが、
・・・情報ありがと。』
イヴは二人の念話に参加出来ていたが、
黙ってただモクモクと食べていた。
・・・この国って、どんだけ化け物がいるのよ。
ケイトはそんな猛者揃いでも、少々驚く程度である。
どんだけ化け物がいようが、エレナ女王一人に
・・・この国って、どんだけ化け物がいるのよ。
ケイトはそんな猛者揃いでも、少々驚く程度である。
どんだけ化け物がいようが、エレナ女王一人に
絶対敵わないと分かっているからだ。
蟲毒に踊らされた今回の一件ですら、
蟲毒に踊らされた今回の一件ですら、
女王にとっては掌の上の出来事に過ぎない。
日常の平凡な光景がいかに幸せなものか、
日常の平凡な光景がいかに幸せなものか、
フリッターを食べながら肌身に感じているケイトであった。
出来るなら、この手の国がらみの依頼は二度と受けたくないわ。
そう感じているが、世の中そんなに甘くない。
究極の猛毒デスサイズ。
人化した悪魔エギルという武器商人の存在。
その背後に影を見せる西の帝国とブラックシープ。
これらの存在が、今後の物語に大きく関わっていく事になる。
出来るなら、この手の国がらみの依頼は二度と受けたくないわ。
そう感じているが、世の中そんなに甘くない。
究極の猛毒デスサイズ。
人化した悪魔エギルという武器商人の存在。
その背後に影を見せる西の帝国とブラックシープ。
これらの存在が、今後の物語に大きく関わっていく事になる。