アナタが居て私がそこに居た…

当ブログは管理人*魔禰(まかね)*の生きた足跡と死ぬまでの言い訳の記録です
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2006年03月01日 12時01分40秒 | 小説「アナタが居て私がそこに居た・・・」
夏休みの数日前・・今日は露の雨で外がぬかるんでいた。

私はそんな雨の日の風景を見るのが好きだった。
静かで、でも無性に荒々しくて・・・  ・・でも暖かい気温
ぬかるむ様な湿の世界に私は何かを感じている。



桂木(かつらぎ)「おーぃ。今日どうする?」
桂木とはあれ以来付き合っている。

あの日 泣きじゃくっていた私に桂木はキスをしてくれた。
正直あの時、世間様で言うようなロマンチックな甘い味はしなかったし
世間様の言う素敵な味には同意しかねるものがあった・・
私の場合、ただ自分の涙がしょっぱくて、

でも・・ただ嬉しかった。



あっけにとられて呆然とする私に桂木は恥ずかしそうに顔を赤くしながら・・

桂木(かつらぎ)「・・一緒にいよう?」

「付き合ってくれ」とか、「好きだ」って在り来たりな言葉じゃなくて、
桂木の一生懸命な言葉だったんだと思う・・私はそれに

薫(かおる)「・・うん・・わかった・・」
泣きじゃくって、言葉が出てこなくて・・
あの時の私が言えた、精一杯の言葉・・

その後私達はずっと傍で離れないまま手を繋ぎ。


付き合ってゆく事にした。7月1日その日は私の記念日になった










桂木(かつらぎ)「今日どうする?バイトの面接あんだけど?」

正直桂木とこうなるとは思わなかった。
ただの幼馴染みで特に何かあった訳でもない。ただの近くに居た友達

幼稚園から一緒で、家族はお互いに近所で中はそこそこ良い位
今までそんな態度も無く一緒に遊んでいただけの存在。
酷いかもしれないけど、今回の事が無ければ私は何とも思わなかったかもしれない
それが今や彼氏・・・不思議な気分。
自分に幸せは持てないと思っていたのに・・気付けば目に前にある。
 この前までこんな安らぎがあるなんて思わなかった。

薫(かおる)「じゃあ面接終わったらメール頂戴。そしたら会いに行くから」
桂木(かつらぎ)「あいよぉ。じゃぁいってきまぁす。」
薫(かおる)「気を付けてねぇ・・・(小声)」


でも、実際付き合うにも問題は色々ある。
まずは、私が未だに身体を売り物にされていると言う事実。
この事は事細かに桂木には話した。そうしなければ私が不安だったからだ。
桂木はそれでも傍に居てくれた。
桂木(かつらぎ)「学校卒業したら結婚しよう?俺も頑張って職探す!一緒に何とかしよう!?俺ガンバッからさ」

桂木が其処まで私に約束してくれた。少し私も子供じみた話だと思いながらも
今の私にはそれが希望になっている。同時に今でもその事で泣く
怖いけど・・・でも嬉しさで涙が止まらない





もう一つは桂木がカッコ良過ぎてしまう事だ・・・・
前々から幼馴染みってだけでも圧力があった物が、今では凄惨なものだ・・
女の子の執念もまた恐ろしいと私は思う。
何せ1人じゃなく複数で圧力をかけてくるのだから・・


この間呼び出されて、クラスのほぼ全員女子に囲まれお説教。
全員が桂木が好きなわけでなく、桂木を好いている学年女子のボス的存在・・
なかなかいい体格の「里美(さとみ)」だ・・・

名前こそか弱そうだけど、そんな事は無い・・しっかり骨太だ・・
女子プロにでもなれそうなくらい・・ある意味アジャに似ている。

そんなボスの命令に集まってしまう。コレは女の性だろう。
女は権力に弱い・・女同士では尚の事だ。

実際女同士でその抗争は何処にでもある。
前はトップクラスの権力女子に居たかと思えば、
次の日に今まで陰口を叩いていた格下のグループに居たりする。
そんなのが日常茶飯事・・・よく観察するとわかる・・・
それほど女性間は男に見えない所で争いが絶えないのだ・・
その抗争を嫌って男グループに落ち着く女子も少なくない・・







私の人生は本当に不幸に好かれている・・
普通の家庭に生まれ、普通にカップルとして存在できる喜びも知らない他人が居るのに、私は家庭で人間として扱われず。学校では的扱い・・
今では古典的な画鋲の仕込みや、私物の紛失が当たり前・・・

最近直接暴力も始まった・・・
女「お前生意気なんだよ!早く死ね。」
女「最悪ぅ!!マジ触られたんだけど!!やだぁ・・」







ここまで来ると世界が憎いではない・・人間が憎くなってくる。
親のすねをかじって生きている様な。生ぬるい生き方をしてるガキンチョに舐められて、そのガキンチョは親や自分の環境に感謝すらせずに、貪欲にも自分の欲しいものを見つけては奪ってゆく。


狂気的な殺意が私を掻き立てる・・この馬鹿げた喜劇の終幕を降ろせと・・

その殺意を桂木と一緒に居たいと思う気持ちが必死に押さえ込む毎日。



私は必死に日々を堪えている。
数では敵わないものに殺意が狂い暴れようとしている。

おしっこを極限に我慢している気分・・
表現こそ馬鹿げているが、その本質はとても近い・・
私の欲求が叫んでいる。「殺せ!!」「桂木を奪われるな!!」



桂木にこの事は言っていない・・
桂木は私と違い友人が多い・・その友人関係を壊したくないのだ・・



よく屋上に行っては・・

薫(かおる)「大丈夫!大丈夫!大丈夫!大丈夫!大丈夫!大丈夫!・・・」


必死に何度も自分に言い聞かせた。

私の根源となった桂木を奪う他人が異常に憎くて・・殺してしまいそうで・・
私がその殺意を押さえ込めるのもまた、桂木への想いだ・・

殺せば一緒に居れなくなる・・私は今度こそ独りきりになってしまう・・


極限の恐怖・・・震えが止まらない・・・・






自分がこの世で何よりも大切に想う者・・コレだけは自分の宝だと言える物。
いくつか思いついて欲しい・・・その大切なものを
自分が嫌う他人に奪われる想像をして欲しい・・・恐ろしくないか?



その恐怖がリアルニ長い時間不安に想わないといけない私は・・
・・もぅ・・危ないのかもしれない・・・








里美(さとみ)「おい!!私の桂木君を何で奪ってんだよ!!早く別れろよ!!」







私の眼の前は常に地獄に見えて仕方ない・・・
何処を歩いても・・歩いても・・・この闇は拭えないのだ・・・


私の世界は常に人の悪意に囲まれている・・・





寝て覚めれば、其処が私の地獄でしかないのだ・・・







里美(さとみ)「なんか言えよ!!なぁ!!お前マジムカつくんだけどぉ!?」










世界が悪意にしか見えないこの眼を捨てたい・・・




-続く-


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