マグロは食卓から消えたか

日本のマグロが値上がりしない理由。寿司屋からマグロが消えない理由。

マグロ漁業に関連する統計

2007-06-26 21:45:12 | マグロ
世界のマグロ漁獲量は年間200万トン。マグロ資源の枯渇を防ぐため、国際的漁獲規制がなされているが、便宜置籍国に登録したマグロ漁船は漁獲規制を無視し、マグロの乱獲を続けている。
マグロのうち、キハダマグロとメバチマグロの漁獲量が多い。どちらも熱帯海域を中心に生息していて、加工マグロ用だが、値段が安いので、最近は刺身用の需要が増えてきた。
日本は世界のマグロの30%を食べるが、漁獲量の少ないクロマグロとミナミマグロを、寿司用・刺身用として珍重する。



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日本のマグロ消費量は、ビンチョウマグロを含めると、年間50万トンである。冷凍マグロが多い。日本・台湾の超低温冷凍運搬船が、世界中の漁船からマグロを買い、洋上で積み換えをしている。買い付けるマグロ漁船には、便宜置籍船もある。日本船はマグロを清水、台湾船は台湾(高雄)の大型冷凍倉庫に運ぶ。
日本は台湾からの輸入が最も多い。その理由は、日本国内のマグロ価格が値上がりした時、高雄の冷凍倉庫から清水などに急送する流通システムができているからである。日本の三菱商事の構築したネットワークである。


2005年の日本のマグロ輸入





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日本の遠洋漁業が減少したのは1975年と1990年の2回である。
1975年は、1973年の第1次石油危機から続く燃料費・資材費の高騰と、排他的経済水域の設定により日本の遠洋漁船が漁場を失ったためである。代わりに沖合漁業が増加した。
遠洋漁船は韓国に輸出され、日本人船員が指導員として乗り込んだ。日本は、一時、韓国から冷凍マグロを輸入した。
1990年には日本の遠洋マグロ漁船が、マグロ資源保護を理由に減船されたた。日本漁船は台湾に売却された。また、韓国の日本人の乗船したマグロ漁船も台湾に売られた。台湾近海はホンマグロの通り道であり、本マグロの大漁が続いた。日本に高値で輸出し、マグロ成金が続出した。
台湾はマグロの獲りすぎを国際的に批判されて減船したが、減船された台湾漁船は便宜置籍船として、国際的漁業規制を受けないマグロ漁船となった。日本・台湾の冷凍運搬船と結びついた違法漁業(IUU漁業)の形でマグロの乱獲をし、国際的批判を浴びている。しかし、便宜置籍船所有者には、資源保護の責任感はなく、IUU漁業をやめる気配はないようである。






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