マグロは食卓から消えたか

日本のマグロが値上がりしない理由。寿司屋からマグロが消えない理由。

台湾の便宜置籍船対策

2007-06-06 21:45:37 | マグロ
世界の便宜置籍船の実質的船主は台湾の水産会社である。その台湾にも-60℃の長期冷凍倉庫が建設された。台湾漁船と、台湾資本の便宜置籍船が漁獲したマグロを長期低温保存し、日本のマグロ市況が高騰した時に日本へ輸出して、大きな利益をあげている。
台湾政府が、日本の政治圧力を受け、マグロ漁船の減船を強制された。老朽船はエンジンを取り外して解体された。
まだ使える中古大型マグロ漁船は便宜置籍船国に登録されて、世界の海で違法なマグロ漁業をしている。
台湾政府がマグロ漁船を減らしても、海賊船まがいの便宜置籍船が増えるばかりである。そして、日本・台湾のマグロ冷凍運搬船が、便宜置籍船からマグロを洋上で買い、積み替え、最終的には日本に運ぶのである。

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台湾立法院、便宜置籍船取り締まりに関する決議(台湾週報。2005.12.15)

台湾立法院は2005年12月13日、船籍を偽って無秩序な操業を行う便宜置籍船の取締り強化に関する決議を採択した。

台湾の遠洋まぐろ漁業に関しては、2004年の大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)総会で、日本から台湾漁船の過剰な漁獲とフィッシュロンダリング(魚種、漁場、船名などの付け替え)などが指摘された。2004年11月14日からスペインのセビリアで開かれたICCAT第19回年次総会では、2006年度における台湾の大西洋におけるメバチマグロ漁業に関し、漁獲枠を大幅に制限し、2年以内に160艘の漁船を削減することが求められていた。

このため台湾立法院は、公海でのマグロ漁船に対する管理を強化し、国際社会の一員としての義務を全うする姿勢を示す目的で、民進党の立法委員らにより本案が提議された。
これは今後、ICCATと同様の削減措置が他の国際漁業組織で採られることのないよう、台湾の漁民の権益を保護する視点に立ち起草されたもので、中西部太平洋まぐろ類条約(WCPFC)の会合においても、台湾政府の姿勢をアピールする方針だ。

今回立法院で決議された内容は以下の通りである。
(1)台湾の一部の漁船が便宜置籍船となり、台湾国内の法をすり抜け、違法、無報告漁業(IUU)操業を行い、漁業資源に大きな影響を与え、台湾の国家イメージと権益を損なっていることに対し、司法検査機関による積極的な調査を実施する。
(2)台湾籍の漁船の数量は、船の大きさに関わらず、国際漁業組織から割り当てられた枠に合わせなければならない。したがって、全面的に減船を強化する。
(3)台湾籍の小型船については、個人所有のケースが多く、企業により組織的に管理されている大型船とは性質が異なるが、これも大型船同様管理を強化する。
(4)船籍に関わらず、制限を超えた漁獲やその報告資料を捏造した違法者には、国際規範に従い、漁業許可証の取り消しなど相応の処分が採られる。こうした漁船のIUU行為を途絶し、便宜置籍船を廃絶するとともに、国際社会と協力して違法操業を撲滅する台湾の決意を示す。
(5)国民に対し、投資と称して、外国籍名義で公海でのまぐろ漁業に従事することを禁ずる。また、台湾国内における外国籍漁船の造船や、輸出、整備なども原則として禁止する。
(6)行政院は、国際漁業管理および研究に関わる人員と経費を強化する。
(7)台日の産業界の連携を促進するため、産業界に対し日本向け輸出量の公約遵守を要求する。

一方、行政院農業委員会は2005年12月13日、公海における漁業資源保護条例草案を起草する考えを明らかにした。
公海での操業に関し、漁業従事者に一定の規範を設けるもので、違反者には最高で3~7年の刑が科せられるとしている。同署は立法院での決議に関し「IUU行為の廃絶にプラスとなる」と支持するとともに、「こうした台湾の努力により、現在開催中のWCPEC会合でも、相応の評価がなされるはずだ」との考えを示した。








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