監 督 ヴィヴィアーネ・ブルーメンシャイン
制 作 2013年 フィンランドャスト・ドイツ・アルゼンチン
キャスト ワルテル・チーノ・ラボルテ 歌手
ディエゴ・ディビ・クイッコ ギター奏者
パブロ・グレコ バンドネオン奏者
上映時間 83分
先週の土曜日に、タンゴ発祥の地をめぐり、ブエノスアイレスで活動する3人のタンゴミュージシャンがフィンランドを旅するドキュメンタリー的映画「白夜のタンゴ」を観てきた。
前評判の高かった映画なので、観る前から期待が膨らんでいた私。
タンゴはアルゼンチンではなくフィンランド生まれの音楽だという説を確かめようとフィンランドへ渡った3人が、自分たちとは違う文化や国民性をもつ人々や異なるタンゴに触れていくさまを映し出す。
ブエノスアイレスの夜の静寂のあちらこちらにチノ・ラボルテが歌う「Nueve de julioが流れた冒頭のシーン少し過ぎから、タンゴに対する愛おしさがつのりジーンとして泣けてきた。
そしてラスト近く、夕陽が輝く湖のほとりで、アルゼンチンのミュージシャン3人が演奏してフィンランドの国民的スター歌手のレイヨ・タイバルが彼のヒット曲「サトウマー」を歌うシーンにさらに涙。
レイヨ・タイバルはプログラムによると1940年生まれの今年75歳。
彼らが歌い演奏する向こうは、黄昏ゆく広大な森。
フィンランドの大自然とタンゴのコラソンが重なり合った名シーンに釘付けとなる。
見た方が全員「良かった」と言っていたのは、大自然の美しさと、音楽は言葉が通じなくても互いに分かり合えることの素晴らしさを改めて教えてくれたこと、そしてタンゴを心から愛おしく思った作り手と見る側の想いが見事に融合したからかな......と。
私が今年観た映画の第一位に輝く作品でした。