やっぱり、このような完全に間違った思い込みが蔓延していますね。
「カナダの大学に行きたいから高校から留学する」は大きな間違いです。
1994年以来、日本の親子の間違った「高校留学観」を正すべく、カナダ現地からの現状を発信していますが、ため息が出るほど甘い甘い「高校留学もどき群」が後を絶ちません。
本人たちの考えが甘いのか、エージェントの嘘が巧みなのか、いや、留学希望親子が「うちの子は大丈夫なはず」という現実乖離のゴリ押しで留学してしまうのでしょうか、ね。
カナダ高校留学の汚い裏側については「カナダ高校留学の実態」eBookをお読み下さい。
(無料ダウンロード出来ます)
こんな相談がネットの留学相談コーナーにありました。
高校1年生です。
高校からカナダへの留学を考えていましたが経済面から断念しました。
せめて大学からカナダへの留学を考えているのですが、この高校3年間をどう過ごしていくべきでしょうか。
同級生に今年から高校留学する人が多くて妬ましく感じてしまいます。
高校留学した方が大学での留学に有利ですか?
簡単に回答すると:
カナダ高校留学すると、カナダの大学進学には不利になります。
「え〜!」という親子も多いのではと思いますが、これが厳然とした現実です。
この相談者が高校留学しなくて本当に良かったなぁと、ほっとしています。
大切な高校教育が確保出来、将来を失わずにすみました。
高校留学する人を羨ましがる必要なんかないですよ。
むしろ「あ〜あ、かわいそうに。」と感じて下さい。
高校留学するとカナダ大学進学に不利になる理由
1.英語運用能力が低すぎるため、大学合格に必須のレベルの高いクラス履修が出来ないか、合格しない。
例えばBC州ではGrade12のEnglish, Science(Biology, Chemistry, Physicsなどに別れます)、Social Studiesのコースで高い成績を取ることが必要。
現地カナダの優秀な高校生は、ほぼすべてAを取り大学に出願しますが、日本からの留学生はコース自体履修出来ない場合が多い。
それまでのGrade11までに十分な能力がないため、大学出願に必要なコースレベルに届かないのが理由。
特に大学合格に絶対必要なEnglish12履修すること自体も難しい留学生がほとんど。
仮に履修が認められたとしても、パス出来ないか、Cでかろうじて単位をもらえるケースならラッキーというのが現状。
また、Grade12の授業成績をパスした生徒は、州の試験を受けることになり(Graduation Literacy Assessment)その試験での留学生の成績は悲惨です。
統計データによると、カナダ全土の高校留学生(もちろん日本人も含む)のEnglish12の州試験にC+以上で合格出来るのは5%程度だそうです。
運良くその5%に入れた日本人留学生も、C+で現地の高校生と大学の席を競うのはどれだけ難しいかおわかりですね。
現地の大学進学組高校生はEnglish12で授業成績+州試験を合わせて90%以上取っているのが普通ですから。
アルバータ州は、もっとわかりやすいです。
Grade10になると、完全に大学進学組と高卒組(あるいはカレッジで職業訓練的勉強をする)に別れます。
大学進学組は主要科目English, Science, Social Studies, Mathでは−1(ダッシュワン)と呼ばれるかなり高いクリティカルシンキングレベルのコースを取ります。
高卒組は、−2(ダッシュツー)と呼ばれる、レベルの低い、クリティカルシンキングレベルもそれほど要求されないコースを取り始めます。 (これでも日本人留学生にはかなりの難関ということをお忘れなく)
アルバータに来る日本人留学生は、もともとの英語・学力レベルが低いことから、留学当初は(−2)にも入れず、ELLに入れられ、やっとそこから上がっても(−2)が普通に充てがわれます。
学校からの学力評価が低すぎるからです。
いざ、大学を考える時になり(−2)しか取れていないことに驚愕し、時すでに遅しで慌てての相談が結構舞い込みます。
日本の帰国生入試にもちゃんと「EN30−1を履修していること」と書いてありますからね。
一旦(−2)に入るとそこから(−1)に移るのは非常に困難です。
例えば、EN10−2から始まると(Grade10)、パスしても次はEN20-2(Grade11)、次はEN30-2(Grade12)をパス出来たら(これも相当の難易度です、日本人には)やっと次に大学進学可能なEN30-1履修が出来ます。
つまり、1学期から2学期余分に時間がかかることになります。
(それもすべて良い成績ー少なくともB+以上は取っておかないと大学は見向きもしてくれない状況に陥ります。)
さて、あなたには3年の間に大学進学に必須の授業をすべて履修し、高い成績を上げることが可能だと思いますか?
それが可能かどうかを高校留学前に確かめたい方は「カナダ高校留学アセスメント」を試すことを強くお勧めします。
カナダ政府の採点基準に従った分析を行い、結果をメールでお知らせしています。
これで80%以上取れるなら、高校留学も視野に入れることが可能です。
それ以下の場合、高校留学は無謀。
大切な高校教育が抜け落ちた将来を迎えることとなってしまいますので、よく熟考して下さい。
2.カナダに高校留学した日本人が1番のような苦労をしている間に、日本の同級生は確実な高校教育を受け、高成績を上げカナダの大学出願に動きます。
高校での成績は、カナダ高校留学組とは比べ物にならないほど高いため、カナダの大学への合格率は留学組よりはるかに高いです。
英語スコア(TOEFLなど)も日本の高校で頑張った生徒にはすぐに手が届きます。
カナダの有名大学に進む日本人の中では、日本の高校からの留学生の方が合格率も、学位まで到達する率も高いです。
また、高校での成績が高いため、カナダ大学の奨学金をもらえる確率も、高校留学組とは比べることさえ不可能です。
上記相談者のように「いいな、いいな、高校留学して。」と思うことが、実は逆であるという皮肉な事実が浮かび上がるのが高校留学の実態です。
「羨ましいな〜高校留学して。」なんて思うことはないですよ。
日本の高校で勉強できるあなたの方がはるかに「いいな〜」ですから。
高校3年間努力をし、高成績を上げ、英語運用能力の訓練を受けカナダの大学に出願し、合格した日本人高校生になって下さい。
毎年、嬉しいニュースがたくさん耳に入って来ます。
引き換え、いくら頑張っても、現地同級生のレベルには届けず、意中の大学進学が出来なかった高校留学生の嘆きの声も入ってきます。
さすがに声に出しては言わないまでも、「高校留学なんかするんじゃなかった。」と、思っているかも、ですね。
高校留学組は、結局高校留学に大枚をはたき、また更に高い学費の大学留学するわけです。
そんなにお金が有り余っているんでしょうか。
日本にはそんなにお金持ちが多いのかな。
ただ、親にお金があるからと言って、子供が頭がいいとは限らないのが世の残酷さです。
どれだけお金を積んで高校留学しても、結局親元で安定した高校生活を送った日本の高校生に大きく差をつけられる、これが現実です。英語力自体も、日本の高校組の方がはるかに高いのはよく知られている事実です。
じゃ、何のために高校留学するんでしょうね。
大学留学にも不利、英語力でも留学していない高校生の方が確実。
あれ?
カナダには大学からいらっしゃい!
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