「迷子になった日本の教育:日本の飛び級が機能しないのでカナダに行く?」というPodCastを公開しました。
スペクトラムの両極端に位置するカナダと日本の教育制度。
「個々の能力はすべて異なる」という考えを基にするカナダの制度と、「みな同じ能力。従って皆に同じ教育。」という日本。
そんな日本の不自由さに業を煮やし、じゃ、日本から出よう!という短絡な行動(悲惨な高校留学が最たる実例です)についての大きな注意喚起をしたPodCastです。 (こんな理由で高校留学を考えてしまっている方は必聴です。)
PodCastではカナダの教育制度についても詳しくお話しましたが、タイミングの良いことに昨日のCBCニュースがこんな事例を記事にしていました。
She mostly hid her age at U of T. Now this 18-year-old has a master's degree
ートロント大学では年齢を隠すことが多かったですが、今や18歳でMaster’s Degreeをとりました。ー
18歳、普通の高校生が高校の卒業を迎える年に、Isabel Jewellは名門トロント大学学士号を祝う卒業を迎えます。
IsabellはSlavic 言語・文学でのMaster’s Degreeを取りトロント大の大学院を今週卒業します。 同じく名門アルバータ大学に入学したのが12歳の時でした。 (姉のSophiaも14歳でアルバータ大学入学、同じ専攻でトロント大のMaster’s Degreeを取得)
「正直、年を隠すことが多かったです。つい年を言ってしまったの周りの学生の反応はすごく奇妙でした。ショックを受け言う言葉もないような。だから、年を言うのをやめてしまいました。」
(やはりカナダでもこの年令の大学生・大学院生は珍しいです。)
驚くほど個人を尊重し自由度のあるカナダの教育制度のもと、二人共12歳・14歳でアルバータ大学(エドモントン・アルバータ州)に入学を許可されるまでは、Homeschoolingでの勉強でした。
居住していたエドモントン市のあるアルバータ州政府はホームスクーリングを正式な教育方法と認めており、カリキュラムや様々なヘルプも提供しています。 カナダの他の州も程度の差はあれ、同じ制度を持っています。
姉妹は、特に言語に興味があり、ポーランド語・ウクライナ語についてもっと知りたいとアルバータ大学に出願し、アクセプトされました。
(12歳、14歳の時点ではHomeschoolingにより、アルバータ州規定の高校卒業単位終了、Grade12各科目の州試験も合格。レベルの高いアルバータ大学が合格を許可するに足る高い成績を取ったということです。)
その後トロント大学のGraduate Schoolに入学し、Modern Language & Cultural Studies専攻、その学位を取得しました。
(トロント大大学院にアクセプトされた事実から、アルバータ大学Bachelor’s degreeでの成績も相当高かったことがわかります。)
指導したトロント大の教授Allan Smith
「興味深いエッセイを書き、クラスにも意義のある貢献をしてくれた頭脳です。まだ10代だったなんておどろきです!」
SophiaとIsabelはこう言います。
「よく周りから天才だと言われますが、それが私達の成功を助けたとは思っていません。」
「天才とかそんなものではなく、難しい勉強にも進んで取り組み、自分をその中に放り込み、周りとも協力しながら一緒に学ぶこと、これです。」
いい言葉ですねぇ。
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と、これはカナダの教育自由度を見事に表わしている事例です。
日本の横並び教育では不可能なことが普通に行われていることがよくわかります。
・ホームスクリーング制度が充実していること。
日本の高校では存在している通信制などとは全く異なり、小学生から高校過程まで可能。
・能力があれば上のレベルに挑戦可能。合格すれば中学生や小学生でも高校レベル履修が可能。
・大学入学の年齢については各大学の裁量
Grade12までの過程を高い成績で終えた生徒を入学させて何が悪い?ですね。
・逆に、中学でも高校でもそれぞれのコース(Math,English,や他の主要科目)についていけない場合は、単位をもらえません。
もう一度取り直しとなります。 そのため、高校卒業すら出来ないカナダの生徒が結構いることも知っておいて下さい。 日本のようにみんなとにかく進級、卒業などということは起こりません。
カナダに高校留学して卒業出来ない!!と慌てる日本人がかなりの数いますが、こんな制度知らなかったんですかね。 日本と同じだろうと、大きな大きなしかも悲惨な思い込みをしたまま高校留学する日本人が多いことに呆れています。
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飛び級などという言葉すら問題にもされていないカナダ。
要するに能力があればその能力に見合ったレベルの教育が可能ということです。
それから、これは日本の方には余り知られていないことですが、カナダのオンライン専門の大学から(レベルは通常の大学と同じ)のDistanceLearningのコースは世界のどこからでも、誰でも16歳以上であれば履修可能です。
例えば、日本の高校在学中に、カナダ大学進学の準備として、大学レベルのコース履修が出来ます。
出願というややこしいプロセスはありません。
成績証明書も、英語スコアの提出も必要なし。(オンライン専門の特別な大学のみですので注意)
出願料を払い、コース登録すればすぐに開始。
授業料は現在のところ、カナダ国外からの受講生はテキストなどを含めて3単位のコースでカナダドル$1,800ドルくらいです。
日本の高校生が、カナダの大学1年レベルのStatistics, Economics, Psychology, Philosophyなど(他にもたくさんあります)の単位を取得し、晴れてカナダの希望大学に正式入学した後、その単位を移行することが可能です。 つまり大学卒業単位の一部として認められるわけです。
ただし、履修前に自分の将来入学希望の大学と互換性のあるコースであることを確認することを忘れないこと。
「わぁ、簡単!」と思いますか?
違います。
英語スコアも、それまでの学校の成績も問われないということは自己責任で履修するという意味です。
基本学力も英語運用能力も、カナダの大学のアサインメントにも対応出来ない場合は、全く対処不能ですので、気をつけて。
英語も出来ず、日本の高校での基礎学力もない場合は全く歯がたちませんので、1800ドルは無駄になります。
カナダの大学レベルは非常に高いです。
そのレベルでしかもオンラインですので、相当の実力がないと最初のアサインメントすら何を聞かれているのかもわかりません。
私がカナダからオンラインで直接指導しているカナダクラブでは、カナダ大学留学希望者には上記オンライン大学コースを履修するよう勧めています。 もちろん、丁寧に大学レベルの教科書の読み方からアサインメントの質問の理解の仕方、アサインメントの書き方までヘルプしています。
日本の高校在学中にすでにカナダの大学生!という心理的な刺激が大きくプラスに働くのを見てきました。
カチカチの日本に「ほらね〜〜」と自慢しながら。
どこを見てもカナダと日本の教育制度は天と地よりも異なることがおわかりですか?
日本の高校と一緒だと大きな勘違いをして高校留学しようとしているみなさん。
この違いが、日本人高校生を泥沼の留学経験に滑り落としている理由のひとつです。
カナダ留学には、相当高い基本学力と英語運用能力が必須。
それさえあれば、自由度の高いカナダの教育制度を精一杯利用し、将来に羽ばたくことが可能です。
あなたにはそれがありますか?
じゃぁ。
カナダにいらっしゃい!
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