日記 片翅の蝶々さん
否、蝶々さんはスミレの葉を目指していたんではなかろうか。
というより、目指していた筈である。
無精卵をスミレの葉に産み落としたい一心なのであるから。
蝶々さんは元気な頃、指に乗せると腕まで登り、割り箸の端に乗せても必ず歩きだした。
翅さえバタつかせなければ、なんら問題なく、4本の足で佇んでいられた。
だから、卵を産み落とせたはずなんである。
…
気づいてあげられなくて、本当ごめん。
スミレの葉っぱに君を置いてあげればよかった。
仲間の♀がしていたように、君だって卵を産み落とせたんだから…。
無知な私をどうか許しておくれ。
本当、ごめん…。
ここはキアゲハやめて、
やっぱりツマグロモンヒョウにしなくっちゃ!