南相馬市ふるさと回帰支援センター

南相馬市ふるさと回帰支援センターより、南相馬の情報や移住の案内などを発信。なんでもきいてけろ。

拝啓  南相馬市へおいで頂いたソフトバンクグループ社員の皆様  ~感謝をこめて~  

2013年03月08日 | 南相馬市

拝啓
先日は全国のソフトバンクの支店様から50数名の社員の皆様にここ、南相馬市においで頂き本当にありがとうございました。
「被災地を花でいっぱいにしよう」という声掛けにボランティアとして参加してくださるとお聞きし、本当に驚きと同時に感謝の
言葉もありません。相馬農業高校の先生、生徒、そして地元企業あぶくま信用金庫の社員様、滋賀県から来て下さったNPO
菜の花プロジェクト様、そして私達ふるさと回帰支援センターの会員総勢120名を超える参加者で津波で塩分を含んだ土の成
分検査や細かいガラス片が混じる畑のがれきの撤去から始めた菜の花畑作り。

     

浜通りでは珍しく雪の多かった今冬、霜にも耐えようやく春の息吹を感じ始めた3月3日、雛祭りの日に畑に追肥をし、津波に
よる被害が大きかったこの地に建てられた慰霊碑の周りに、グラジオラスの球根を植える作業を行う事にしました。
前日、海から吹き荒れる浜風は思ったより冷たく、ほんの30分ほど立っているだけでもぶるぶる震えるほど…。
「明日はもう少し暖かいといいね」と話す言葉もあっという間に吹き飛ばされるほどの勢い。
マスクをご用意頂いたのはあの日から、すっかりわがもの顔で気ままに吹き荒れるようになってしまった浜風から、少しでも寒
さを和らげて頂く防寒用でした。
 皆様の足元にこじんまりと葉っぱを伸ばしていた菜の花は、とてもデリケートで、追肥をする時は葉っぱにかけると焼けてしま
うそうです。この日の先生は相馬農業高校の生徒さん達23名。この畑の塩分を計って、芽のでやすい種を選別して頂くために土
のサンプルを取って東北大学に送ってくれた卒業生の女の子も参加してくれていました。聞けば一人は仙台、もう一人はいわき
へと巣立っていくそうです。又、寂しくなりそうです。農業クラブの新理事長森君はいつもシャイな男の子ですが、「何か一言
話してみる?」と黄色いメガホンを渡すと「また来て下さい!」とりっぱに挨拶をしてくれました。
さすが理事長!
その頼もしくなった姿がとても嬉しかったです。

菜の花の種を植えた時、終了後に畑を横切って帰る生徒さんを見つけました。聞けば自宅はすぐそことの事。
先生が言ってらした「自宅がこの近くだった子もいるんですよ」という言葉を思い出し言葉が詰まりました。
「ここに菜の花が咲いてくれたらそれでいい」
と言って快く畑を貸して下さった方の言葉を思い出したからかもしれません。2時間も前に畑に来られ、黙々と作業をして下さ
っていたのが地元のあぶくま信用金庫の皆様です。毎回、社員様が率先して参加して下さる心強い会員様です。
いつも寡黙に作業を進めるその姿勢には本当に頭が下がります。

もう一つ嬉しい事もありました。皆様にお泊り頂きたいとあの日からずっと休業されていた農家民宿「だいちゃん」が再開した
ことです。「ソフトバンクさんが大勢来て下さるというのを聞いてこれを機会に又、営業を始めようかと思っています」鹿島区
烏埼は100軒近くあった民家がありましたが今は15軒ほどしか残っていません。大勢の方が津波の被害に遭われ、そこへ原発
事故が追い打ちをかけました。この2年近く「安全で安心な野菜を」と何種類もの野菜を自宅で作っては線量を計っていた事を
私達は知っていました。それは他の農家民宿のお母さんも同じです。この日の夕飯時、お客様と談笑するご夫婦の笑顔は最高で
した。
この日皆様にお泊り頂きました農家民宿は全部で8軒。地元の方と直にお話しをして頂きながら交流を深め、それぞれのおもて
なしをさせて頂きましたがいかがでしたでしょうか?少々気になります。
     
    農家民宿「おっとまりさん」                  農家民宿「だいちゃん    
翌日、小高区の視察にご同行しましたのは小高区出身の語り部安部あきこさんと岡和田ときこさんのお二人です。岡和田さんは
避難されている福島市から南相馬市に来られました。お二人ともふるさと小高区を何とか復旧させようと震災以降、積極的に色
々な活動をされている方です。この日、岡和田さんが用意されたのは旧小高町の法被。合併される前の法被です。
その法被を纏って小高区内の震災の様子をお話しされるお二人の背中がふるさと小高への強い想いをずっしりと感じました。
次の日、尋ねてこられた安部さんは満面の笑顔で「もう一人、大きい孫ができちゃったのよ」と嬉しそうに教えてくれました。
このツァーに参加された女性の方と携帯電話の番号を交換したそうです。


菜の花畑には参加者90数名の足跡が至る所に残っています。
その力強い足跡はふるさとの大地についた復興への道しるべの様な気がします。
やがて来る春には、力を併せ、祈りを込めた種から黄色い菜の花や色とりどりの花達が咲き乱れ皆様の足跡を織り込んだ幾多も
の絨毯がこの大地を彩る事でしょう。
その日が来たらどうぞまた、この地にあなたの新しい足跡を残しに是非会いに来て下さい。
温かい交流の時間を、あなたの笑顔を、あなたの足跡を残して下さり本当にありがとうございました。
心から感謝致します。

長い手紙になってしまいました。
ここまで読んで下さって本当にありがとうございました。

                                             敬具
>>南相馬市ふるさと回帰支援センターHPへ





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