先週 おにいちゃんは
両親に時計を買ってもらった
初めてのブランド品だ
晴れた土曜日 ひさしぶりに家族で出掛ける
おにいちゃんは 東京へ来てから 大学への往復と
三軒茶屋に部屋を借りている 高校時代の友だちに会うほか
あまり遊びにも行かないらしい
おねえちゃんも べたべた世話をするタイプじゃないし
大学の友だちや サークルの知り合いとは
まだ そこそこのつきあいだから
上京して二ヶ月なら そんなものかもしれない
池袋行きの電車を待つホームで
お父さんの着ているシャツと自分の選んだシャツが
紺色の細いストライプ柄で
ばっちりカブってしまったことに気がつく
おにいちゃんは おかあさんをちらっと見た
「カブってんじゃん~ オレ脱ごうかな」
「Tシャツ一枚でもいいんじゃない もう夏みたいなものだし」
「梅雨に入ったけど 雨降らないね 今日も降らないのかな~」
そういいながら おにいちゃんは さっさとシャツを脱いで
Tシャツとジーンズになった
まあ 後々
冷房の効いた時計屋さんで シャツをはおることになるけど(笑)
並行輸入の時計屋さんは 11時開店直後だというのに
けっこうな数のお客さんで 混みあっていた
みんな 真剣にガラスのショーケースを覗いている
おとうさんぐらいの年配のおじさんから 学生風の青年
外国人らしい家族連れ 東南アジア系のカップル
中学生ぐらいの男の子をつれたおじいちゃん
派手な身なりのおかあさんぐらいのオバサン
客層はさまざまだ
ネットで欲しい品物を決めだしてあったので
値段もネットで検索済みのおかあさんは
電話で 品物を取り置きしてもらってあった
さっそくその旨伝えると
きれいな応接ルームに案内される
おにいちゃんは 最終候補として決めだした
3つの時計を かわるがわる腕にはめてみて
重さや 雰囲気をくらべている
自動巻と電池式の違いを聞いたり
メンテのことや 手入れのことも確認して
時間かけて迷ったあげく 自分の一番気に入った時計を選んだ
スポーツタイプの時計だけど
スーツにも合うし 30代40代まで 充分に使える品物だ
日頃は 中学の時に買ってもらった黒いGショックで
充分かっこよく対応できるし
「大切に使うように」と おかあさんからきっちり言い渡される
立派な箱に 保証書などブックレットがきっちり収められて
きれいに包装された品物を おにいちゃんはしっかり受け取った
「生意気だよな~」
おとうさんは 嬉しいような苦笑いのような
なんともいえない顔で おにいちゃんを見ている
「しっかり勉強しろよ いいか?
うかれてると とんでもないことになるんだからな」
「はい がんばります」
おにいちゃんは いつも通り 神妙な面持ちで頷いてみせる
彼はこういう場面を 乗り切るのがうまい
ころっと だまされちゃうんだな
おとうさんもおかあさんも 激甘だから・・・・・ったく
日曜日 おにいちゃんはいつになくオシャレして出掛けた
「どのシャツが合うと思う?」
「革の靴って こんなパンツでも合うの?スニーカー?」
立川に映画を 見に行くという
「なんで立川? わざわざ遠いんじゃない?」
とおかあさんがつっこむと
「聖おにいさんを 見に行くんだもん」
「・・・ん~まあそっか 立川に住んでたんだもんね イエスとブッダ」
すぐ納得するおかあさん(笑)
あほか
「誰と行くの O君?」
「ううん サークルの同期」
「ふうん 珍しいじゃない まあ楽しんでおいで」
おかあさんは 目ざとく左手にタグホイヤーがはまってるのを確認
今日はおねえちゃんと ペンダントを見に行く
銀座の田中貴金属店で ウィーン金貨を買う予定だ
コインペンダントがラッキーグッズなので(笑)
なんとか手に入れたいおかあさん
「あの子 めかし込んで映画だって?」
おねえちゃんが ハイヒールでコツコツ歩きながらおかあさんに聞く
「ん~ サークルの女の子と行くみたいよ?」
「え・・・・!」
「また先越されるわねえ~(笑)
高校の時もそうだったもんね」
「ウルサイ 私はえらんでるのよ 誰でもいいわけじゃないの」
おかあさんは笑って しっかり無視する
「そう 男の子ってさ 女の子に寄ってこられて
そこそこ可愛い子だったりすると
大体そのまま何となくくっついちゃうじゃない?」
「あ~あ むかつく 生意気なヤツ」
おにいちゃんは高校2年の初夏 初めて彼女ができて
その年のクリスマスまで かわいいお付き合いは続いていた
相手の彼女が 学校に来れなくなりそうなのを
おにいちゃんが支えてあげてた という形で・・・・
まあ 最終的には登校できなくなって
自然消滅したけど・・・・
まあ すったもんだも
受験に響かない時期で ヨカッタかもしれない
さて
さっそく女の子の影が ちらちらするけど
プラスにするように考えてくれたら いいんだよね
バカじゃないからのめり込まないとは思うけど・・・・
おかあさんも
おねえちゃんも
本当はすっごくすっごく
心配しつつ・・・・・・
タグホイヤーが
お守りになるといいんだけどな~
あ~青春の一コマだね~
週末の風景
まとめてみました(笑)
るながお留守番だったのは
いうまでもないよね ふん・・・・・
両親に時計を買ってもらった
初めてのブランド品だ
晴れた土曜日 ひさしぶりに家族で出掛ける
おにいちゃんは 東京へ来てから 大学への往復と
三軒茶屋に部屋を借りている 高校時代の友だちに会うほか
あまり遊びにも行かないらしい
おねえちゃんも べたべた世話をするタイプじゃないし
大学の友だちや サークルの知り合いとは
まだ そこそこのつきあいだから
上京して二ヶ月なら そんなものかもしれない
池袋行きの電車を待つホームで
お父さんの着ているシャツと自分の選んだシャツが
紺色の細いストライプ柄で
ばっちりカブってしまったことに気がつく
おにいちゃんは おかあさんをちらっと見た
「カブってんじゃん~ オレ脱ごうかな」
「Tシャツ一枚でもいいんじゃない もう夏みたいなものだし」
「梅雨に入ったけど 雨降らないね 今日も降らないのかな~」
そういいながら おにいちゃんは さっさとシャツを脱いで
Tシャツとジーンズになった
まあ 後々
冷房の効いた時計屋さんで シャツをはおることになるけど(笑)
並行輸入の時計屋さんは 11時開店直後だというのに
けっこうな数のお客さんで 混みあっていた
みんな 真剣にガラスのショーケースを覗いている
おとうさんぐらいの年配のおじさんから 学生風の青年
外国人らしい家族連れ 東南アジア系のカップル
中学生ぐらいの男の子をつれたおじいちゃん
派手な身なりのおかあさんぐらいのオバサン
客層はさまざまだ
ネットで欲しい品物を決めだしてあったので
値段もネットで検索済みのおかあさんは
電話で 品物を取り置きしてもらってあった
さっそくその旨伝えると
きれいな応接ルームに案内される
おにいちゃんは 最終候補として決めだした
3つの時計を かわるがわる腕にはめてみて
重さや 雰囲気をくらべている
自動巻と電池式の違いを聞いたり
メンテのことや 手入れのことも確認して
時間かけて迷ったあげく 自分の一番気に入った時計を選んだ
スポーツタイプの時計だけど
スーツにも合うし 30代40代まで 充分に使える品物だ
日頃は 中学の時に買ってもらった黒いGショックで
充分かっこよく対応できるし
「大切に使うように」と おかあさんからきっちり言い渡される
立派な箱に 保証書などブックレットがきっちり収められて
きれいに包装された品物を おにいちゃんはしっかり受け取った
「生意気だよな~」
おとうさんは 嬉しいような苦笑いのような
なんともいえない顔で おにいちゃんを見ている
「しっかり勉強しろよ いいか?
うかれてると とんでもないことになるんだからな」
「はい がんばります」
おにいちゃんは いつも通り 神妙な面持ちで頷いてみせる
彼はこういう場面を 乗り切るのがうまい
ころっと だまされちゃうんだな
おとうさんもおかあさんも 激甘だから・・・・・ったく
日曜日 おにいちゃんはいつになくオシャレして出掛けた
「どのシャツが合うと思う?」
「革の靴って こんなパンツでも合うの?スニーカー?」
立川に映画を 見に行くという
「なんで立川? わざわざ遠いんじゃない?」
とおかあさんがつっこむと
「聖おにいさんを 見に行くんだもん」
「・・・ん~まあそっか 立川に住んでたんだもんね イエスとブッダ」
すぐ納得するおかあさん(笑)
あほか
「誰と行くの O君?」
「ううん サークルの同期」
「ふうん 珍しいじゃない まあ楽しんでおいで」
おかあさんは 目ざとく左手にタグホイヤーがはまってるのを確認
今日はおねえちゃんと ペンダントを見に行く
銀座の田中貴金属店で ウィーン金貨を買う予定だ
コインペンダントがラッキーグッズなので(笑)
なんとか手に入れたいおかあさん
「あの子 めかし込んで映画だって?」
おねえちゃんが ハイヒールでコツコツ歩きながらおかあさんに聞く
「ん~ サークルの女の子と行くみたいよ?」
「え・・・・!」
「また先越されるわねえ~(笑)
高校の時もそうだったもんね」
「ウルサイ 私はえらんでるのよ 誰でもいいわけじゃないの」
おかあさんは笑って しっかり無視する
「そう 男の子ってさ 女の子に寄ってこられて
そこそこ可愛い子だったりすると
大体そのまま何となくくっついちゃうじゃない?」
「あ~あ むかつく 生意気なヤツ」
おにいちゃんは高校2年の初夏 初めて彼女ができて
その年のクリスマスまで かわいいお付き合いは続いていた
相手の彼女が 学校に来れなくなりそうなのを
おにいちゃんが支えてあげてた という形で・・・・
まあ 最終的には登校できなくなって
自然消滅したけど・・・・
まあ すったもんだも
受験に響かない時期で ヨカッタかもしれない
さて
さっそく女の子の影が ちらちらするけど
プラスにするように考えてくれたら いいんだよね
バカじゃないからのめり込まないとは思うけど・・・・
おかあさんも
おねえちゃんも
本当はすっごくすっごく
心配しつつ・・・・・・
タグホイヤーが
お守りになるといいんだけどな~
あ~青春の一コマだね~
週末の風景
まとめてみました(笑)
るながお留守番だったのは
いうまでもないよね ふん・・・・・