昔、良寛さんという偉いお坊さんが、あまりにも忘れ物をし、なくなる(盗まれる)ので、
お弟子さんが「先生、持ち物にお名前を書かれてはいかがですか」と提案すると、良寛さんは「それはいい考えだ」と早速すべての持ち物に「わがの(私のもの)」と書いた、という話が残っています。
私たちは誰も、生まれた時には何も持っていません。
身体、魂、命、そのようなもののほかのものはみな後天的に周囲から与えられたものです。
いろいろな人が一生懸命になって作り上げた何かです。
つまり、それは、純粋なあなたのものとは言えない。
もちろん社会的にはあなたのものです。
でも、本質はあなたに帰属するとはいいがたい。
たとえあなたの専用品であっても、みんなの財産を一時的にお借りしているのと同じだと心得て、大切に取り扱ってください。
また、物を大切に扱うことは、自分を大切に扱うのと同じです。必ず自分によい結果がもたらされます。