わたしが他人にされて一番イヤなことは、「何かに無理に“勧誘”される」こと。
特にそれが宗教だったりして、しかも「自分の言うことが一番正しい」「あなたのために親切に言っている」みたいにしつこく押し付けられたりしたら、もう徹底的に拒絶反応を示してしまう。。
もちろん、絶対聞く耳を持たないというわけではないのだけど、えてしてそういうことを無理にして来る人って説明も下手なような気がするし、だから納得できたこともないし、相手(こちら)の言い分には全くと言っていいほど耳を貸さない気がするから「反発」もしてしまうのかも。
子供にとって、そういう意味で一番最初にそんなシチュエーションに陥りがちな相手は、親なんじゃないかなーと思う。
といっても、わたし自身はこの映画の主人公アンナのように、9歳の頃にここまで自己主張したかな?と思い出すと、親が怖くて言うことは何でも聞いていたような、もっとぼんやりした子供だったような気もしないでもないけれど。
1970年代初頭のパリで、それぞれに裕福な家庭の出身の弁護士の父親と『マリ・クレール』編集部で編集の仕事をしている母親のもとで、何不自由なく満ち足りた暮らしをしていた9歳のアンナにとって、まさに青天の霹靂な出来事が訪れます。
それは両親の政治的開眼によるものなのだけど、彼らは突然ゲバラかカストロかというような顎髭を生やして、チリに誕生したアジャンデ政権の支援者となっていきなり「キョーサン主義」に目覚めてしまうのです。
贅沢は敵とばかりに狭いアパートに引っ越すわ、大好きなキューバ人のメイドとは彼女が反カストロだとして別れさせられるわ、転校は免れるもののカトリックの宗教の授業は受けさせてもらえないわ、おまけにこれまでひらひらのドレスを着ていたのにヒッピーみたいな恰好をさせられる。。
そこで思わず仏頂面をして怒りながらアンナは叫ぶわけです。
「前の生活の方がよかったわ!」
ここで面白いなーと思うのは、たとえば今までの意思が強く自立心の強い少女だったら、自分たちだけ裕福な環境に疑問を持ったりして、そのことで両親に反発したりして、親は相変わらず自分たちの裕福さ加減を維持しようと描かれるのがパターンぽかったのに、アンナは贅沢できないことに不満を持つんですよね。
(でもその方が子供らしいけど^^;)
そして仲良しだったメイドがいつも口にしていた「フィデル・カストロがすべて悪い」というのを鵜呑みにして、自分がこんな目に遭っているのは「ぜんぶ、フィデルのせい」なんだわ!と不満を爆発させるわけです。
そしてそこにはたぶん理不尽な両親に対しても、「あんたたち本当にわかってるの?」みたいな気持ちもあるのかも。
そんなアンナも、家に出入りする両親の同志たちと触れ合っていくうちに、たとえば髭面の男たちにオレンジを分け合うことを教わって、それがなんだかストンと心に響いたりして、もしかしたら今まで自分が気に入っていた生活以外にも世の中には大切なことがあるのかもしれないと、自由や社会のことを「自分で考える」ようになるわけです。
こんな幼い頃に、両親に押し付けられた生活の中で様々な経験をして、その中から自分なりの答えを見つけたアンナはわたしの子供時代に比べるととてつもなく大人だと思う。
自分で答えを出して、自分から新しい世界に飛び込んだとき、スッと差しのべられた手と、その手を自然と握り返して輪に入っていくシーンは、とても清々しく心が温かくなりました。
ところでこの映画はなにげに子供たちのファッションが非常にツボでした。
裕福だったころのお洋服も、贅沢をやめたあとに着せられていた洋服も、当時の流行がさりげなく反映されていて、メチャかわいかったです。
特にチェックのパンタロンとか。。グー
それからなんといってもアンナ役のニナ・ケルヴェルちゃんがめちゃくちゃキュート♪
特に「キョーサン主義」を称賛するような押し付けがましさもなく、激動のあの頃をユーモラスなニュアンスも込めてでも決して風刺しただけでもなく、「子供が本当の意味で自立するとき」をじんわりと描いた、なかなかニマニマ度も高かった映画でした。
☆公式サイト→コチラ
・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★★(70点/100点満点)
※もっと可愛いだけの映画かと思っていたら、なかなかしみじみさせられました。
←ひっそりと参加中♪_(-_-)_ペコリ
当ブログの【映画レビューINDEX】
おまけ
前売り買ったら、エコバッグがもれなくついてました♪
可愛い♪
特にそれが宗教だったりして、しかも「自分の言うことが一番正しい」「あなたのために親切に言っている」みたいにしつこく押し付けられたりしたら、もう徹底的に拒絶反応を示してしまう。。
もちろん、絶対聞く耳を持たないというわけではないのだけど、えてしてそういうことを無理にして来る人って説明も下手なような気がするし、だから納得できたこともないし、相手(こちら)の言い分には全くと言っていいほど耳を貸さない気がするから「反発」もしてしまうのかも。
子供にとって、そういう意味で一番最初にそんなシチュエーションに陥りがちな相手は、親なんじゃないかなーと思う。
といっても、わたし自身はこの映画の主人公アンナのように、9歳の頃にここまで自己主張したかな?と思い出すと、親が怖くて言うことは何でも聞いていたような、もっとぼんやりした子供だったような気もしないでもないけれど。
1970年代初頭のパリで、それぞれに裕福な家庭の出身の弁護士の父親と『マリ・クレール』編集部で編集の仕事をしている母親のもとで、何不自由なく満ち足りた暮らしをしていた9歳のアンナにとって、まさに青天の霹靂な出来事が訪れます。
それは両親の政治的開眼によるものなのだけど、彼らは突然ゲバラかカストロかというような顎髭を生やして、チリに誕生したアジャンデ政権の支援者となっていきなり「キョーサン主義」に目覚めてしまうのです。
贅沢は敵とばかりに狭いアパートに引っ越すわ、大好きなキューバ人のメイドとは彼女が反カストロだとして別れさせられるわ、転校は免れるもののカトリックの宗教の授業は受けさせてもらえないわ、おまけにこれまでひらひらのドレスを着ていたのにヒッピーみたいな恰好をさせられる。。
そこで思わず仏頂面をして怒りながらアンナは叫ぶわけです。
「前の生活の方がよかったわ!」
ここで面白いなーと思うのは、たとえば今までの意思が強く自立心の強い少女だったら、自分たちだけ裕福な環境に疑問を持ったりして、そのことで両親に反発したりして、親は相変わらず自分たちの裕福さ加減を維持しようと描かれるのがパターンぽかったのに、アンナは贅沢できないことに不満を持つんですよね。
(でもその方が子供らしいけど^^;)
そして仲良しだったメイドがいつも口にしていた「フィデル・カストロがすべて悪い」というのを鵜呑みにして、自分がこんな目に遭っているのは「ぜんぶ、フィデルのせい」なんだわ!と不満を爆発させるわけです。
そしてそこにはたぶん理不尽な両親に対しても、「あんたたち本当にわかってるの?」みたいな気持ちもあるのかも。
そんなアンナも、家に出入りする両親の同志たちと触れ合っていくうちに、たとえば髭面の男たちにオレンジを分け合うことを教わって、それがなんだかストンと心に響いたりして、もしかしたら今まで自分が気に入っていた生活以外にも世の中には大切なことがあるのかもしれないと、自由や社会のことを「自分で考える」ようになるわけです。
こんな幼い頃に、両親に押し付けられた生活の中で様々な経験をして、その中から自分なりの答えを見つけたアンナはわたしの子供時代に比べるととてつもなく大人だと思う。
自分で答えを出して、自分から新しい世界に飛び込んだとき、スッと差しのべられた手と、その手を自然と握り返して輪に入っていくシーンは、とても清々しく心が温かくなりました。
ところでこの映画はなにげに子供たちのファッションが非常にツボでした。
裕福だったころのお洋服も、贅沢をやめたあとに着せられていた洋服も、当時の流行がさりげなく反映されていて、メチャかわいかったです。
特にチェックのパンタロンとか。。グー
それからなんといってもアンナ役のニナ・ケルヴェルちゃんがめちゃくちゃキュート♪
特に「キョーサン主義」を称賛するような押し付けがましさもなく、激動のあの頃をユーモラスなニュアンスも込めてでも決して風刺しただけでもなく、「子供が本当の意味で自立するとき」をじんわりと描いた、なかなかニマニマ度も高かった映画でした。
☆公式サイト→コチラ
・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★★(70点/100点満点)
※もっと可愛いだけの映画かと思っていたら、なかなかしみじみさせられました。
←ひっそりと参加中♪_(-_-)_ペコリ
当ブログの【映画レビューINDEX】
おまけ
前売り買ったら、エコバッグがもれなくついてました♪
可愛い♪
ハイ!まずまず元気でやってますよん。
今日は母と妹のところの家族とで焼き肉食べに行って来たんですけど、まるで時間制限のある食べ放題にでも行ったかのようにみんなで食べまくりました。(^^;;;;;
おかげで料金がすごいことに!
まぁわたしが払ったわけじゃないですけどね。
ミチさんのところはお嬢さんが盲腸だなんて、大変でしたね。
バタバタと大変でしょうが、ご自愛くださいね~
ところで本当にこの映画、ただかわいいだけではなくいろいろと考えさせられ、しかもじんわりする映画でしたね。
70年代って本当に激動の時代だったんですね。
キョーサン主義・・・今だと多少偏っているイメージもあったりして、きっとあの当時熱くなっていた人たちが考えていた本来の主義とはほんの少しズレてきてたりするのでしょうかね?
>日本でも学生運動の時代なんかがそうかも(総括再び・・・・汗)
ギャ~
また連合赤軍のこと思い出しちゃいましたわ。(^^;;;
でも世界中で熱かったあの時代、少し羨ましい気もします。
ただやっぱり子供だったらそんなこと関係ないですもんね。
エコバックは、わが家もなにげにいろいろありますよん。
最近よく雑誌の付録で付いていたり、新しい雑誌や商品の発表会などでオマケで付いていたりするので。
だからわたしは実はあんまり買ったことはないの。
>そんな購買欲ってエコじゃない気もして・・・
最近ではアニヤ・ハインドマーチのエコバック紛争?が凄かったですよね~
ヤフオクとかで、どこかの国であったセレブ系のチャリティーイベントかなにかで配られた限定超レア色のが7万とか8万で売られてましたわ(もっと高かったかも)。
それこそホントにエコ?ってな感じだったけど、わたしもプロパーで買えたら、きっと買っていたと思いますわ。(^^;;;;;;
実物はけっこうしっかりしていたみたいですしね。
このエコバックはただの布っきれなんですけど、細かいもの入れて大きなバッグに入れたりして意外と重宝していています。
ウチの娘が(かなり年齢も高いのに)盲腸になってしまい、てんやわんやの日々を送っておりました
70年代ってあんなに世界情勢が変わった時代だったのね。
そしてキョーサン主義ってものにみんながまだ憧れていた時代だったのね。
政治的なものに関わることに浮かされてるといえば、日本でも学生運動の時代なんかがそうかも(総括再び・・・・汗)
そういう時代背景を描きつつ、子供がそれに巻き込まれていく様子が良く分かりました。
私がフェデルだったら、カワイイワンピ着て、オレンジの皮をナイフとフォークでキレイに剥いて、宗教の授業に出て、庭付きのおうちに住んで、パパやママと一緒に「日曜日」したいもの
そんな良い暮らしが一変するのは子供にとっては本当に理不尽だったと思うわ。
彼女は利発なだけに自分でなんとか理解し折り合いをつけて新しいところでやっていけそうだったけど・・・。
エコバッグいいですね~!
最近はなんでもかんでもエコバッグで、使い切れないくらい持ってません?
オマケで頂くエコバッグの他に、自分でもお気に入りのを見つけるとすぐに買っちゃうの。
そんな購買欲ってエコじゃない気もして・・・
それで、この女の子のふくれっ面が見ているとなかなか可愛くなってくるのです。
でも、思っていたより可愛いって感じの映画ではないので、万人受けするかは微妙だわ。
ところで『君のためなら~』書いている途中で、またちょっと以前映画館でなったみたいに気分悪くなってしまって、PCにガッツリ向かっていられなかったのよん。
今夜このあと書けたら書きますわ。
あ、その前に軽く別のをアップするかもだけど。
でもホント、素晴らしい映画でした。
この作品はなーんとなく、この女の子のふくれっつらがにくたらしーって思ってしまって
鑑賞予定はナシなんですぅ。
でもルールーさんの評価はそこそこ高めなんですね☆
時間あったら考えてみようかなー。
そして、、、「君のためなら千回でも」レビュー待っています
心あたたまるような良作でしたね。