映画『アガサ・クリスティーの奥様は名探偵』

エルキュール・ポアロとミス・マープルは今までにも本やドラマで見てきたけれど、このおしどり夫婦探偵トミー＆タペンスのシリーズは初めて。
もっとも映画は舞台をイギリスからフランスに移して、夫婦の名前もベリゼールとプリュダンスに。
アガサ・クリスティー没後30年の待望の映画化です。
公式サイト→コチラ



ある日高級老人ホームにベリゼールの伯母を見舞いに行った時に、不思議な老婦人に出逢ったブリュダンス。
後日伯母が亡くなりその遺品整理をしていてある風景画に胸騒ぎを覚える。
いつかどこかで見た風景・・・しかもその絵の元々の持ち主があの不思議な老婦人で、彼女が老人ホームから突然失踪したことから、彼女の身を案じて持ち前の好奇心と推理力で彼女を探す旅に出る。
ある村にまつわる忌わしい出来事を掘りおこすことになるとも知らずに・・・





国防に関わる仕事に携わっていながら、ちょっとおっとり気味で頼りなさげなベリゼールと、そんな旦那を手のひらでコロコロころがすように、でも深く慈しみ人生にも大いに愛を注いで楽しんでいる好奇心旺盛なブリュダンス。

原作のトミー＆タペンスのシリーズは、長編が４作、短編が１作あるそうで、物語が進むに連れて２人の年齢も上がっていくのだとか。
『親指のうずき』を原作にしたこの『奥様は名探偵』の２人は、中年よりは少し年上で初老というには全然早い、熟年カップルといった趣き。

おそらくフランスが舞台になったことで、小道具も紅茶がワインに変わって、夫婦の会話もエスプリが利いていて面白くてオシャレで、奥様なんて上品なのだけどちょっと官能的な雰囲気になっていたんじゃないですかね。


とにかくこの２人が、将来こんな風に歳を取ってこんな夫婦になれたら楽しいだろうなーと、憧れるような２人なのです。

というか、この映画の魅力はこの２人につきるというか、それが唯一というか…（^^;;;;;

なんというかアガサ・クリスティーらしいミステリーの謎解き部分よりも、この２人を取り巻くコメディー色の方が印象が強い感じ。


「車窓から見える前後に分けられた奇妙なお屋敷」「老人ホームの謎の死の数々」「からくりオルガン」「毒入りのミルク」「昔盗まれたダイヤモンド」「いなくなった子供たち」etc...

複雑に絡み合う謎が、「あっ」とか「えっ」とか思ってる間に次から次へと明らかになって（実際気絶している間に助けが来ていて事件も解決している、みたいな）、もちろん伏線もポロポロとあるのだけど、それらを紡いで事件の謎解きを楽しむよりも、２人の冒険劇をハラハラドキドキしながら一緒に楽しむといった趣きでしょうか？（^^;;;


とはいえ、フランスの片田舎の本当に絵画のように美しい田園風景にはうっとり♪
そしてアンティークの家具がさりげなく飾られた家やクラシックカーなど、成り金趣味的ではないセンスのいい贅沢さは本当に素敵です。


人生を大いに楽しみながら、ときどき走り出したら止まらないという風に“事件”に首を突っ込んで、いくつになっても冒険を恐れない２人（といっても奥様メインですが^^;）…
観ているだけでなんだか元気を貰える感じです♪


でもやっぱり自分が今何処で何をしているのか、旦那さんくらいには連絡した方がいいと思うにょー（^^;;;;;
ちょっと危機管理なさ過ぎですわ、奥様！（笑）



・・・そんなわけで
ルールーのお気に入り度
★★★★★★☆（６５点／１００点満点）
※セリフがウィットに富んでいて粋でした♪
いわゆる古典的な雰囲気で安心して楽しめます。

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