★フルマラソンに先立って、ハーフの部がスタート。5000人のランナーがジャック・カルティエ橋を渡っていく。
9月13日(日曜日)、モントリオールマラソンに参加。これが通算17本目のフルマラソン。カナダの大会は、2007年トロント・ウォーターフロントマラソン、2008年ケベックシティマラソンに続いて3年連続3回目。
今年も秋のマラソン・シーズンが開幕した。
ここ最近の練習状況としては、正直、マラソンの準備自体がまだ足りていないというのが実感。月間200kmの走行距離は確保しているものの、30km以上のロング走は一度きりなので、持久力に自信がないし、スピードもまだまだ。ということで、今回は次のマラソンへのチューンアップという位置付けで走ることにした。それでも、最低サブ4を維持しておきたいという色気もあったので、前半はそれなりのペースで走ろうと考えていた。
午前8時40分、まずハーフマラソンの部がスタート。5000人を超える参加者なので、さすがに壮観だ。ハーフのコースはいきなり絶景のジャック・カルティエ橋を渡り、そのままダウンタウン地区の市街地に突入していく。
そして午前9時15分、予定時間より少し遅れてフルマラソンがスタート。こちらは1800人をちょっと超えるくらいの参加者。ハーフのランナーを追いかけるように橋を渡っていく・・・のではなく、いったん橋から下って、セントローレンス川の中州に当たるサンテレーネ島とノートルダム島(かつて万博会場に使われた2つの島)を順番に周回するコースで始まった。
距離表示はキロ(赤い看板)とマイル(青い看板)の両方が出てくる。今回は日頃から慣れているほうのマイル表示でラップを取ることにした。
01mile 8分43秒
02mile 8分50秒 (17分33秒)
03mile 9分02秒 (26分35秒)
04mile 9分18秒 (35分53秒)
05mile 8分22秒 (44分15秒)
06mile 8分54秒 (53分09秒)
当初はマイル8分40秒~50秒くらいのペースを想定していたが、上り坂でもないのにペースがどんどん落ちていく。5マイル目で立て直そうとしたものの、当初考えていたペースを維持するのはかなりキツい。スピードの衰えが予想以上だったので、ここからはマイル9分前後を目安に走ることにした。
6マイル過ぎ(約10km)で、長く伸びたコンコルド橋を渡るコースになり、いよいよモントリオールの中心部へと向かっていく。湾岸工場地帯から新市街を経て、歴史的な旧港沿いを走り、サン・ローラン通りで左に折れて、お洒落なマクドナルドの手前で旧市街のノートルダム通りに出る。このあたりは、いつも観光客で賑わっているところだ。やがて有名なジャック・カルティエ広場の前を通過。11マイル地点を過ぎてから、街のメインストリートとして知られるサント・カトリーヌ通りに平行移動し、やがて中間地点を通過した。
07mile 表示なし (1時間02分00秒くらい?)
08mile 表示なし (1時間10分50秒くらい?)
09mile 表示なし (1時間19分35秒)
10mile 8分45秒 (1時間28分20秒)
11mile 9分09秒 (1時間37分29秒)
12mile 8分48秒 (1時間46分17秒)
13mile 9分00秒 (1時間55分17秒)
ハーフの通過タイムが1時間56分17秒。決して遅すぎるペースではないが、現在の体調から考えて、このまま押していくには明らかに無理があると感じた。後半は、どう頑張っても2時間以上かかりそうな雰囲気。ということで、もはやタイムを追うことを考えず、黙々とただひたすらにゴールを目指すという「マラソンの原点」に立ち返ることに専念した。
ハーフ以降はモン・ロワイヤル公園の東側に広がる閑静な住宅地を走るコース。昨年のケベックと同じように、派手さはないが親しみやすいフランス語での声援が続く。15マイル過ぎ、18マイルあたりまでが上りの多い正念場。ペースはさらに落ちているが、最低限歩かないようにして、粘り強くゴールを目指す。
14mile 9分15秒 (2時間04分32秒)
15mile 9分24秒 (2時間13分56秒)
16mile 9分50秒 (2時間23分46秒)
17mile 9分36秒 (2時間33分22秒)
18mile 10分34秒 (2時間43分56秒)
19mile 9分34秒 (2時間53分31秒)
20mile 9分43秒 (3時間03分14秒)
20マイル(約32km)を過ぎてからのラスト・クォーター。背後から足音が聞こえ、サブ4を目指す集団がドドッと追い抜いていく。すごいスピードだ。今の自分には、とうてい追いかけていく余力がない。あっさりと集団をやり過ごし、あくまでマイペースを刻むことに専念する。
21mile 9分28秒 (3時間12分42秒)
22mile 9分53秒 (3時間22分35秒)
23mile 11分04秒 (3時間33分39秒)
24mile 10分50秒 (3時間44分29秒)
25mile 10分24秒 (3時間54分53秒)
26mile 表示なし (4時間05分00秒くらい?)
23~24マイルが最後の上り。脚が重くなり、ほとんど歩きそうになりながらも、とにかく前に進むことだけを意識した。そして残り1kmを切ったところで、このマラソン最大のクライマックスがやってくる。33年前、モントリオール五輪が開催された五輪スタジアム。1976年、まだ学生だった頃に見た、あの懐かしいオリンピックの映像が脳裏によみがえる。
モントリオール五輪の男子マラソン(当時は女子マラソンの種目はなかった)、ミュンヘン五輪に続く2連覇を狙ったフランク・ショーターは伏兵チェルピンスキーに次いで銀メダル。しかしもっと凄かったのがフィンランドの快速ランナー、ラッセ・ビレンで、5000m、10000mの両種目で五輪連覇を達成した勢いでマラソンにも出場。なんと5位入賞を果たしてしまったのである(これが初マラソンだったはず)。まさしく天才としか言いようがない。
五輪スタジアムに突入すると、丸天井に反響する大歓声で、知らず知らずのうちに舞い上がる自分に気がついた。ラスト400mのホームストレッチ。疲れはピークに達しているはずだったが、ここだけは全力疾走。何人ものランナーを追い抜き、最後の屋内コースを疾走して、感動のゴールに飛び込んだ。
→→→4時間06分37秒。
4時間を少しオーバーしてゴール。しかし、もはやタイムはどうでもいい。途中一度も立ち止まることのない完走なので、達成感は十分。現在のコンディションで精一杯頑張ったつもりだし、シーズン最初のチューンアップレースとしては決して悪くないだろう。ゴール手前で名前もアナウンスされたので、上々の気分だった。
これで、3度目の「カナダの走り旅」が終了。今回も美しい街並みと歴史的な観光資源、美味しい食べ物を楽しむことができた。来年もカナダに行く機会があるとしたら、次はあの「赤毛のアン」の故郷、プリンスエドワード島マラソンを走りたい。フルの参加者200人前後の、最高にアットホームと言われる大会。今から、その日が楽しみになってきた。
★ジャック・カルティエ橋のスタート地点に向かうランナーたち。アメリカと同様、女性の参加者も多い。
★フルマラソンのラインアップが始まる。目標タイムに合わせて、各自で適当に整列。
★スタート前。今回は「赤と黒」基調のコーディネイトでキメた。
★五輪スタジアムに突入するランナーたち。ここから400mのホームストレッチとなる。
★五輪スタジアム内のゴール。ランナーがひとりひとりアナウンスされ、感動のクライマックスを迎える。
★会場で行なわれたチアリーディングのパフォーマンス。背中を向ける見物人の中に、なにやら巨大な姿が。
★レース後の記念撮影。今回のシューズはミズノのWave Creation 9。
★ジャック・カルティエ橋を刻んだ完走メダルと、おみやげのTシャツ。
★五輪スタジアムの全景。現在もスポーツ競技やコンサートなどのイベント会場として利用されている。
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モントリオールには住んでいた事があります。
コースにアップダウンがありますが、初心者には制限時間があって難しいと思われますか?
モントリオールのコースは後半やや上りになりますが、NYCを5時間で走られたのであれば、制限時間(5時間45分)で十分完走できると思います。
どちらかというと、コースそのものよりも時期的にやや暑いのがネックかもですね。