世界中に広がりつつある新型肺炎。
武漢から自国人を脱出させる動きが続いています。
日本もチャーター便2機で、在留邦人を日本へ帰国させました。
アメリカの場合は、CDC(Centers for Disease Control and Prevention、アメリカ疾病管理予防センター)
の公式発表ページによりますと、武漢から搭乗したアメリカ人は、
次のようなプロセスで入国しています。
まず、武漢で一人一人の離陸する前のスクリーニング、
次に、機内の医療関係者による飛行中の経過観察。
そして、アラスカ州アンカレッジでの燃料補給の着陸時に再びスクリーニング。
それから、機内の医療従事者がフライトの最後の区間で経過観察。
飛行機が到着するのは一般の空港ではなく、カリフォルニア州リバーサイド郡の空軍基地で、
そこで乗客の健康状態の再チェック。
さらに到着後の症状の経過観察です。
HHS and CDC Supporting Safe, Expedient Departure of US Citizens
https://www.cdc.gov/media/releases/2020/s0128-wuhan-departure.html
搭乗前、飛行中、アメリカ到着後と、何度も慎重に乗客の健康状態をチェックしているのがわかります。
ニューヨークは、今のところ、まだ確定した症例は報告されていません。
中華系の大きなコミュニティーがいくつかあり、
患者が出た場合に備えて色々な対策がとられています。
というのも、ここまで問題が大きくなる前に、中国へ向かったであろう住民が
春節後にアメリカへ戻ってくることがわかっているからですね。
NYC Health Officials Prepare For Possible Coronavirus Outbreak As U.S. Cases Rise
https://newyork.cbslocal.com/2020/01/28/nyc-prepares-for-possible-coronavirus-outbreak/
上記の記事の中で、デブラシオ市長は
「今のところ治療法がないので、残念ながら既にウイルスは入っているだろう、と言わざるをない」
とインタビューに答えています。
一方、NYC保健局のコミッショナー、バーボット博士は
「今のところニューヨーカーのリスクは低く、ウイルスへの備えは高い」
とのこと。
いずれにしろ、感染者が報告される前にあらゆる対策を考えておくというのは必須です。
マンハッタンのチャイナタウンでは、医療施設でマスクとハンドサニタイザーが配布されています。
市内で計画されていた春節のイベントも次々に中止決定です。
NYC Chinese Organizations Postpone Lunar New Year Celebrations Over Coronavirus Fears
https://citylimits.org/2020/01/28/nyc-chinese-organizations-postpone-lunar-new-year-celebrations-over-coronavirus-fears/
世界中でここまで拡散してしまうと、こんなに人口の多いNYCだけ無事、
ということは考えにくいとしても、
感染を拡げないため、あらゆる手を打っておくに越したことはないですね。