そんな○○に魅せられて

クールジャパンを考える

先日地下鉄で黒のキャップをかぶった黒人のヒップな感じの若い男の子が立っていて、彼の左半身だけが視界に入りました。
「我にあり」
キャップに日本語でこう刺繍がしてありました。

「こ、これはひょっとしてひょっとしたら」
と思って彼が正面を向くのを待っていたらやはり、
「復讐するは我にあり」
と日本語のロゴが全面に入っていたのでした。

で、思い切ってその彼に、そのロゴはと聞いてみたら「10Deep」というブランドのものだそうです。
「日本人だからこのロゴの意味わかるでしょ?」
と聞かれ、それは日本の有名な映画のタイトルで、復讐ってリベンジだけど、と答えたのですが、
私にもう少し知識があったらVengeance is mineときっちり言えたのに、とあとでちょっと後悔しました。
さすがに見るたびにいちいち話しかけることはしませんが、こんな感じで
明らかにお洒落の文脈として日本語のロゴや日章旗が入った服やアクセサリーを良く見かけます。

「日本のカルチャーとかファッションがニューヨーカーの間でポジティブな方向で浸透しまくっている」
というのはトレンドにはあまり詳しくない、長年住んでも「関西のおばちゃん in NY」な私ですら、ひしひしと感じます。
寿司なんて、デリやスーパーにも置いている所があったり(味はともかく)、日系食品店にも日本人以外の姿が本当に多くなりました。

日本では2012年度から「クールジャパン」ということで政府から予算がついてキャンペーン的なことを展開しているのですね。
「21 世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYS)の拡充によるアジア大洋州 地域及び北米地域との青少年交流」
という項目に150億円の予算がついてたりします。
私が見落としているだけかもしれませんが、
この「青少年」には「日本国籍を持つ、あるいは日本にルーツがあるアメリカ在住の未成年の子どもたち」というのは含まれていないように思いました。
おそらく、そういう子が北米で一番多い地域はニューヨーク都市圏ではないかと思います。

日本がニューヨーカーに身近になるにつれて、子どもたちの間でも「なんか日本ていいじゃん?」と漠然と思う子もいるようで
習い事やイベントに子どもと行くと、日本人以外の子に「日本人なの?日本語しゃべって~」と話しかけられたり、
子ども同士で男の子ならマリオやポケモン、女の子ならハローキティーの話で仲良くなれたりという光景も見ます。
なんで日本語がいいと思うの?ときくと「ひらがなとカタカナがカワイイから」と言われたり。

こういう日常レベルで、子どもの頃から日本に親しみを持って、カッコいいじゃん、と思ってくれることって
結構大事じゃないのかな、と私は思います。
現地校に通う子も大勢いて、クラスで日本人は一人だけとかいう子もいます。現地校ではほとんどの子が超少数派でしょう。
でも少数派で肩身が狭い、ではなく胸を張って「日本っていいんだよ~」と誇れる気持ち、
それに地元の子が「そうだよね!Cool!」と共感してくれること、これも立派なクールジャパンじゃないかと思うのです。
我が家の場合ですと、子どもは日本が大好きで、大阪や神戸がどんなにいいところか学校の友達にしゃべりまくっています。
友達も「そうなんだ、Osaka行ってみたいなあ!すごいね!」と話を目を輝かせて楽しく聞いてくれます。
大々的なキャンペーンでも予算のついている活動でもないんですけどね。

こうして育っていった子どもたちが、将来日本と外国の架け橋になったり、双方の良いところを客観的に紹介できるようになったら
素晴らしいな、と思います。

…ただの親バカかもしれませんね。すみません。
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